【洋書】グレート・ギャツビー英語版読解の道標:あらすじ、名文、人気ハイライトを整理(The Great Gatsby)

【洋書】グレート・ギャツビー英語版読解の道標:あらすじ、名文、人気ハイライトを整理(The Great Gatsby)

とんかつ
小説『グレート・ギャツビー』のあらすじ、名文、人気ハイライトをざっくり知りたいな。
原書の英語版『The Great Gatsby』を読んでみたいけど、英文の難易度はどれくらい?自分でも読めるか、事前に確かめたいな。
やきとり
Sushi K
この記事はこんな疑問に答えます。

この記事を読んでわかること

  • 『グレート・ギャツビー(日本語版、英語版共通)』の概要(あらすじ、読みどころ)
  • 『The Great Gatsby(英語版)』の難易度/レベル
  • 『The Great Gatsby(英語版)』の登場人物、舞台(原文+和訳)
  • 『The Great Gatsby(英語版)』の名文、人気ハイライト(原文+和訳)

この記事を書いた人

今年で外資系歴10年目、日本生まれ日本育ちの日本人です。TOEICは対策なしで915(2019年)。独学でここまできた経験を、日本人英語学習者のために共有しています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。

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The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの概要

あらすじ(3行版)と読みどころ

あらすじ(3行版)

  • 舞台は、狂騒の20年代(Roaring Twenties)、アメリカ、ニューヨーク。
  • ギャツビーという青年が元カノをとり戻すため金の力で成り上がるが、不運なアクシデントに巻き込まれ死亡する。
  • ギャツビーは過去を再現できると信じていたが、実現できなかった。

1章を1行で、全9章分をまとめたあらすじはこちら▶︎(そこにジャンプ)

読みどころ

  • バブルに群がる蛾どもと、誰よりもイノセントなギャツビーの対比。
  • ギャツビーによるアメリカ文学史上最大のアメリカンドリーム。
  • ギャツビーとニック(語り手)の友情。
  • 喜劇と悲劇の二面性から生まれる深み(ギャツビーのフルネームはJay Gatsbyで、Jayは「おしゃべり屋、間抜け」という意味。つまり、ギャツビーが道化として喜劇的に振る舞うことで、物語を貫く悲劇性と相まって、作品の深みが増しています)。

作者:スコット・フィッツジェラルド

The Great Gatsby/グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)の作者スコット・フィッツジェラルド

  • 1896年生まれ〜1940年死亡(満44歳)
  • アメリカ文学を代表する小説家
  • 代表作:グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)

メモ

『グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)』は、Modern Libraryの発表した、英語で書かれた20世紀最高の小説で、第2位にランクイン。 Modern Library 100 Best Novels (Wikipedia)

洋書 The Great Gatsby の難易度/レベル

わたしの主観で言わせてもらうと、洋書『The Great Gatsby』の、英語としての難易度/レベルは「上の下」かと思います。

  • 上の意味:たしかに難解な表現や複雑な文構造をしている箇所もある。
  • 上の「下」の意味:とはいえ、本当に難しいのはごく一部で、その他の大部分はそれほど難しくない。難しい部分を差し引いても、物語の筋を追う程度であれば問題なく読める。

ちなみに、上の部分をもう少し掘り下げると、『The Great Gatsby』にはフィッツジェラルド独特の表現があり、この点は言及する価値があるかなと思います。

難しい単語が使われてるだけなら辞書を引けば済みますが(Amazon Kindleのワンタッチ辞書がおすすめ!)、作者独特の表現となるとそうはきません。個人的にはそこが難しいなと思いました。

例えば↓

veteran bores

  • 第1章でニックが物語の方針を示す場面で出現。
  • veteran=老練な、bores=退屈な人たち → 超退屈な人たち

a courtesy bay

  • 第1章で物語の舞台、イーストエッグとウエストエッグが説明される場面で出現。
  • courtesy=儀礼上の、bay=湾 → あいさつ程度の湾(とても小さな湾)

スラスラ気持ちよく読んでいるときに、これらの表現が出てくると、違和感マックス。

そこで止まらざるを得なくなり、読書のペースが乱されます。。。^^;

(わたしの感覚だと、英語ネイティブであっても、一瞬では理解できないと推測します。)

なので、

たしかにこれらの表現やたまにある難しい単語(これは辞書で解決可能)があるので、難易度は「上」となりますが、それ以外は世間的なイメージほど難しくはなく、けっこう読みやすい部分も多いので、「上の下」としてみました。

何をお伝えしたいかと言うと、『The Great Gatsby』は確かに難しいかもしれないけれど、言われているほど難しくないと思うので、必要以上にビビったり、完璧主義になってしまうのは、もったいないということです。

Amazonでは「試し読み」もできるので、気軽に中身を覗いてみて、少しでも行けそうだったら思い切ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

名作中の名作とされている『The Great Gatsby』を英語原文で味わう楽しみは、なかなかに得難い体験になること間違いなしです!

参考:アマゾンキンドルのワンタッチ辞書
参考:グレート・ギャツビーの和訳版
必要であれば、英語の原書版を読む際の道しるべに、和訳版を1冊持っておくのもありかと思います。

和訳版は、以下の3冊が有名です。

  • 野崎孝訳:1989年(新潮文庫)
  • 村上春樹訳:2006年(中央公論新社)
  • 小川高義訳:2009年(光文社古典新訳文庫)

この記事を書くにあたり、翻訳がいかに難しいかを思い知ったわたしとしては、どの訳が良いとか、悪いとかは、口が裂けても言えません。

プロの翻訳者さんの英語力、日本語力、想像力、創造力、答えのない問いに答えを出す勇気を、本当に尊敬します。

今後どんなに翻訳AIが発達しても、行間を感じ取り、クリエイティブに翻訳することは、絶対に不可能だと思いました。そこは人間にしかできないんじゃないかと。

なので、翻訳のことはさておき、わたしとしては、

村上春樹さんの解説が『グレート・ギャツビー』愛にあふれてて、読んで良かった、

という意味で、村上訳がおすすめです。

The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの登場人物と舞台

登場人物の紹介 with 原文+和訳

The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの登場人物

左から:マートル、トム、デイジー(ヒロイン)、ギャツビー(主役)、ジョーダン、ニック(語り手)

『グレート・ギャツビー』本文の中から、登場人物の特徴が現れている部分を抜粋、和訳しました。

意訳は極力せず、あえて直訳調に訳しています。当ブログは英語勉強ブログなので、日本語としての自然さより、英語の感覚・考え方がダイレクトに感じられる方が良いと考えたためです。英語を英語のまま理解する英語脳を作るための参考としてご利用ください。

ニック・キャラウェイ(Nick Carraway)- 物語の語り手、29歳、デイジーのいとこ

I decided to go East and learn the bond business. Everybody I knew was in the bond business, so I supposed it could support one more single man.

わたしは東へ行き、債権ビジネスを学ぶことにした。知り合いの誰も彼もが債権ビジネスをしていたから、あと1人くらいの職はあるだろうと思っていた。

I bought a dozen volumes on banking and credit and investment securities, and they stood on my shelf in red and gold like new money from the mint, promising to unfold the shining secrets that only Midas and Morgan and Maecenas knew.

わたしは1ダースの銀行取引、信用取引、投資証券の本を買い、新たに鋳造されたお金のような、赤と金の色をした本棚に置いておいた。ミダス王(ギリシャ神話の強欲な王)、モルガン(アメリカ5大財閥の1つ)、マエケナス(大きな財を成した古代ローマの政治家)等だけが知っている、輝かしい秘密を解き明かせることを期待して。

Sushi K
ニューヨーク証券取引所の株価大暴落(靴みがきの少年で有名なバブル崩壊)は1929年。つまり、『グレート・ギャツビー』の舞台、1920年代は、バブル景気真っ盛り。ニックはそこに群がった1人でした。

ジェイ・ギャツビー(Jay Gatsby)- 物語の主役、デイジーの元カレ

His parents were shiftless and unsuccessful farm people - his imagination had never really accepted them as his parents at all.

彼(ギャツビー)の両親は無能で、成功していない農家だった。- 彼の想像力は彼等が自分の両親であることを決して認めなかった。

"Then came the war,(省略)I was promoted to be a major, and every Allied government gave me a decoration - even Montenegro, little Montenegro down on the Adriatic Sea!

「その後、戦争がやってきた、(省略)わたし(ギャツビー)は少佐にまで昇進し、あらゆる連合国から勲章をもった。モンテネグロでさえ、アドリア海の下の方にある小さなモンテネグロでさえも!」

For over a year he had been beating his way along the south shore of Lake Superior as a clam-digger and a salmon-fisher or in any other capacity that brought him food and bed.

(戦争から帰ってきた後)一年以上、彼(ギャツビー)はスペリオル湖の南岸でなんとかやりくりした。ハマグリを掘ったり、サケを釣ったり、食べ物や寝床につながるものはなんでもした。

"He and this Wolfsheim bought up a lot of side-street drug-stores here and in Chicago and sold grain alcohol over the counter. That's one of his little stunts.

「彼(ギャツビー)とウルフシャイムは、ここやシカゴのサイドストリートにあるドラッグストアをたくさん買って、穀物のアルコールを売っていたんだ。それが彼のちょっとした妙技(この文脈ではインチキ的な意味)の1つなんだ。」(当時は禁酒法時代なので違法)

デイジー・ブキャナン(Daisy Buchanan)- 物語のヒロイン

She dressed in white, and had a little white roadster, and all day long the telephone rang in her house and excited young officers from Camp Taylor demanded the privilege of monopolizing her that night. "Anyways, for an hour!"

彼女(デイジー、当時18歳)は白いドレスを着て、小型の白いロードスター(2~3人乗りのオープンカー)を持っていた。家の電話は一日中なっていて、それは興奮したキャンプテイラー(軍人がキャンプしてた場所の名前)の将校たちからの、その夜、彼女を独占する特権を与えてほしいというものだった。「なんでもいいから、一時間!」

suddenly she was again keeping half a dozen dates a day with half a dozen men,

(ギャツビーと別れた後しばらく落ち込んでいたけれど、その後)突然彼女は、再び、1日に6人の男と6つのデートをし続けるようになった。

"I'm glad it's a girl. And I hope she'll be a fool - that's the best thing a girl can be in this world, a beautiful little fool."

「(生まれたばかりの自分の子が)女の子でうれしいわ。わたしは彼女にバカになってほしい。-かわいいおバカさんになることは、この世界で女の子ができる最高のことだから(もっとも賢い生き方だから)。」

トム・ブキャナン(Tom Buchanan)- デイジーの夫

His family were enormously wealthy -even in college his freedom with money was a matter for reproach.

彼の家は桁外れに裕福だった - 大学時代でさえ、彼が持つ金銭的自由は非難の的だった。

he was a sturdy straw-haired man of thirty with a rather hard mouth and a supercilious manner.

彼は体格が良く、藁(わら)色の髪をした30代の男性で、口調はどちらかといえば乱暴、マナーは傲慢だった。

ジョーダン・ベイカー (Jordan Baker)- ニックの恋人

At her first big golf tournament there was a row that nearly reached the newspapers -a suggestion that she had moved her ball from a bad lie in the semi-final round.

彼女にとって最初のゴルフトーナメントで、新聞沙汰にまでなりかけた騒動があった。- セミファイナルラウンドで、彼女がボールを悪い位置から動かしたという疑いがあった。

マートル・ウィルソン(Myrtle Wilson)- トムの愛人

in a moment, the thickish figure of a woman blocked out the light from the office door. She was in the middle thirties, and faintly stout, but she carried her surplus flesh sensuously as some women can.

その瞬間、肉感的なスタイルの女性がオフィスドアからの光を遮断した。彼女は30代中盤で、わずかに肥満気味だったが、その余剰な肉感には官能的な魅力があった、一部の女性がそうであるように。

舞台の紹介 with 原文+和訳

グレート・ギャツビーの舞台、ロングアイランド、ウエストエッグのギャツビー邸

ギャツビーの豪邸@ウエストエッグ

(↑の画像はレオナルド・ディカプリオ版映画のロケ地、オーストラリアのシドニーです。ロングアイランドは実在しますが、ウエストエッグ(&イーストエッグ)はフィッツジェラルドの創作です。)

ロングアイランド

Twenty miles from the city a pair of enormous eggs, identical in contour and separated only by a courtesy bay, jut out into the most domesticated body of salt water in the Western Hemisphere, the great wet barnyard of Long Island Sound.

街(ニューヨーク)から20マイルのところに、一対の巨大な卵があった。2つの卵は、同一の外見を持ち、あいさつ程度の湾で隔てられ、西半球の海域でもっとも開発が進んだ部分、ロングアイランド湾の前庭(※)へ、突き出ている。

(※水上を前庭に例えているからwetなのだと思います。あと、前庭は卵を置く場所としての例えだと思います。greatの訳は不明のため省略。)

Their physical resemblance must be a source of perpetual confusion to the gulls that fly overhead. To the wingless a more arresting phenomenon is their dissimilarity in every particular except shape and size.

二つの卵の物質的(外見的)類似性は、上空を飛ぶカモメたちにとって、毎回混乱の元となっているに違いない。羽のない者にとって、もっと人目をひく現象は、二つの卵が持つあらゆる点における非類似性だ、ただし形と大きさは除く(この2つは類似性あり)。

ウエストエッグ(とイーストエッグ)

I lived at West Egg, the -well, the less fashionable of the two, though this is a most superficial tag to express the bizarre and not a little sinister contrast between them.

わたし(ニック)はウエストエッグ、そう、二つのうちの、高級じゃない方に住んでいる。と言っても、これはもっとも表面的な表現、突拍子もなくかなり悪質な対比をしたものだけれど。

The Great Gatsby/グレート・ギャツビーのあらすじ

全体像の把握用に、グレート・ギャツビーのあらすじを、乱暴を覚悟の上で、1章を1行で、全9章分をまとめました。

1章1行 x 9章

  1. 西部出身の語り手ニックが、ニューヨークのウエストエッグに引っ越してくる。
  2. トム(&その愛人マートル)に連れられ参加したパーティーで、ニックが泥酔し朝帰りする(=バブリーなニューヨークで都会の洗礼を受ける)。
  3. 夏のある日、ニックは隣人ギャツビー邸のパーティーに招待され、ギャツビーと知り合う。
  4. ギャツビーがウエストエッグの大豪邸でパーティーをする目的が明らかになる〔対岸(イーストエッグ)に住む元カノ、デイジーに来てほしいから〕
  5. ニックの協力で、ギャツビーはデイジーと念願の再会を果たす。
  6. ギャツビーの本当の過去が明らかになる(貧しい農家の出身だが、金持ちに気に入られ、成り上がった)
  7. ギャツビーとトムがニューヨークで大げんかし、その帰り道、デイジーが運転する車(ギャツビーin助手席)がマートルをひき殺してしまう。
  8. マートルの夫はギャツビーが犯人と思い込みギャツビーを銃殺、自分も自殺する。
  9. ニックはニューヨークが(carelessな人々が)嫌になって西部に帰る。
もう少し詳しいあらすじは、以下に続きます。

エピグラフ

Then wear the gold hat, if that will move her;
If you can bounce high, bounce for her too,
Till she cry "Lover, gold-hatted, high-bouncing lover,
I must have you!"

—Thomas Parke D'Invilliers

もしそれが彼女を喜ばせるのであれば、黄金の帽子をかぶるがいい。
もし高く跳べるのであれば、彼女のために跳べばいい。
「愛しい人、黄金の帽子をかぶった、高く跳ぶ人、あなたを私のものにしなければ!」

―トーマス・パーク・ダンヴィリエ

エピグラフとは本の冒頭に置かれる詩や引用文のことで、The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの場合は上述のとおりとなっています。

フィッツジェラルドもギャツビーも、高く飛ぼうとして、実際に高く飛べたけど、それを維持できずに墜落・・・。私にはこのエピグラフが、ギリシャ神話のイカロス(蝋燭の翼が溶けて墜落)とも重なって、作者の人生とグレートギャツビーが神話のように感じられます。

フィッツジェラルドもギャツビーもすごくイノセントで、両者の結末も悲劇的で、現代人の私にはリアリティーがないのですが、それゆえに別格み、神話みを感じるため、個人的にはそこが良いと思っています。

第1〜3章のあらすじ

第1章のあらすじ

1行にまとめるなら

西部出身の語り手ニックが、ニューヨークのウエストエッグに引っ越してくる。

3行で補足

  • 語り手ニックの方針〔必要以上にものを言わない、判断を控える(原文/和訳は後述)〕が示される。
  • ニック、ギャツビー、デイジーなど、登場人物の紹介。
  • 舞台となるニューヨークのロングアイランドの紹介。
▼第1章のハイライト

The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの第1章、冒頭でニックが父からの忠告(この物語の方針)を語る

In my younger and more vulnerable years my father gave me some advice that I've been turning over in my mind ever since.

"Whenever you feel like criticising anyone," he told me, "just remember that all the people in this world haven't had the advantages you've had."

He didn't say any more, but we've always been unusually communicative in a reserved way, and I understood that he meant a great deal more than that. In consequence, I'm inclined to reserve all judgments, a habit that has opened up many curious natures to me and also made me the victim of not a few veteran bores.

私がまだ若く(心が)傷つきやすかったころ、父が私にアドバイスをくれた、そのことを、私はそれ以来ずっと心の中で思い返してきた。

「誰かを批判したくなった時は」と父は言った。「少し思い出すようにしなさい、全ての人々があなたほど恵まれているわけではないことを。」

彼(ニックの父)はそれ以上は言わなかった。しかし、私たちはいつも、多くを語らずとも、人並み以上にわかり合っていた。だから、彼がいつも以上のことを口にした(何か重要な意味がある)のだと、わたしは察した。その結果、わたしは全ての判断を控える(人のことをすぐに判断しない)ようになった。その習性のおかげで、多くの変わった性格の人たちと話したり、少なくない数の超退屈な人たちと話すことにもなった。

Sushi K
「必要以上にものを言わない。判断を控える。」これが語り手ニックの方針です
The Great Gatsby/グレート・ギャツビーの第1章、ニックは最初ギャツビーを軽蔑していたが、最終的には認めるようになる

Gatsby, who represented everything for which I have an unaffected scorn.(省略)No - Gastby turned out all right at the end; it is what preyed on Gatsby, what foul dust floated in the wake of his dreams that temporarily closed out my interest in the abortive sorrows and short-winded elations of men.

ギャツビー、わたしが無条件に(心から)軽蔑するもの全てを体現した男。(省略)いや、最終的に、ギャツビーは全てにおいて正しかった;ギャツビーを食い物にしたやつら、ギャツビーの夢の跡に浮かぶ薄汚い塵どもだった、わたしの目を一時的にふさぎ、人々の不成功に終わった悲しみや長続きしなかった高揚感への関心を持てなくしていたのは。

Sushi K
ニックは最初ギャツビーを軽蔑していましたが、最終的にはギャツビーを認めることになります。これはこの物語のクライマックス(第8章)とも関連します
グレートギャツビー(The Great Gatsby)緑の光(Green Light)

He stretched out his arms towards the dark waters in a curious way, and, far as I was from him, I could have sworn he was trembling. Involuntarily I glanced seaward - and distinguished nothing except a single green light, minute and far away, that might have been the end of a dock.

彼(ギャツビー)は奇妙な仕草で暗闇の湾の方へ腕を伸ばした。そして、わたしは彼から遠い距離にいたけれど、誓ってもいい、彼が震えているのがわかった。何気なく、わたしは海の方を見た - そして、一つの緑の光を見つけた。それは極めて小さく、とても遠くに見えた。それは(イーストエッグ側)桟橋の先端にある光だったかもしれない。

Sushi K
ギャツビーが緑の光をつかもうと腕を伸ばすシーンは、本作最後の場面とも関連する、とても重要な場面です。
アマソンキンドル ポピュラーハイライト

ポピュラーハイライトとは?

アマゾンキンドルの機能の1つで、世界中の読者がハイライトしている部分がわかるもの。そのハイライトに共感したり、意外なとこが人気ハイライトになっていて新たな視点に気づいたりできて、わたしも気に入っています。当ブログのアマゾンキンドル詳細記事はこちら。

"Whenever you feel like criticising anyone," he told me, "just remember that all the people in this world haven't had the advantages you've had."

「誰かを批判したくなった時は」と父は言った。「全ての人々があなたほど恵まれているわけではないことを、少しだけでも思い出してみなさい。」

(グレート・ギャツビー第1章、冒頭の名言・名文と同じ部分。ここはやっぱりハイライトされます。)

Reserving judgments is a matter of infinite hope. I am still a little afraid of missing something if I forget that, as my father snobbishly suggested, and I snobbishly repeat, a sense of the fundamental decencies is parceled out unequally at birth.

判断を保留するということは、希望を捨てないということだ。もしそのことを忘れてしまったらと思うと、わたしは今でも少し不安になる。何かを無くしてしまうのではないかと。わたしの父が偉そうに言ったように、そしてわたしが偉そうに繰り返すように、基本的な良識のセンスは生まれながらにして不平等に分配されるのだから。

If personality is an unbroken series of successful gestures, then there was something gorgeous about him, some heightened sensitivity to the promises of life, as if he were related to one of those intricate machines that register earthquakes ten thousand miles away.

もし人柄というものが、うまく演じられた素ぶりの、途切れない連続だとしたら、彼(ギャツビー)には何かゴージャスなものが、人生の希望に対する高度な感受性のようなものがあった。まるで、1万マイル彼方の地震を検知できる複雑な機械の1つと、彼がつながっているようだった。

Life is much more successfully looked at from a single window, after all.

人生は結局のところ、一つの窓からだけ見た方が、よく見える。

"I'm glad it's a girl. And I hope she'll be a fool - that's the best thing a girl can be in this world, a beautiful little fool."

「(生まれたばかりの自分の子が)女の子でうれしいわ。わたし(デイジー)は彼女にバカになってほしい。-かわいいおバカさんになることは、この世界で女の子ができる最高のことだから(もっとも賢い生き方だから)。」

(デイジーの紹介に使ったのと同じ部分です。)

第2章のあらすじ

1行にまとめるなら

トム(&その愛人マートル)に連れられ参加したパーティーで、ニックが泥酔し朝帰りする(=バブリーなニューヨークで都会の洗礼を受ける)。

3行で補足

  • 灰の谷という貧しい地域が、富裕層が住むロングアイランドとの対比として示される。
  • 全てを見ている神の目として、メガネをかけたエックルバーグ博士の看板が象徴的に書かれる。
  • 灰の谷に住むマートルは夫を軽蔑し、トムのような富裕層になることを夢見ている。
▼第2章のハイライト

About half way between West Egg and New York the motor road hastily joins the railroad and runs beside it for a quarter of a mile, so as to shrink away from a certain desolate area of land. This is a valley of ashes.

ウエストエッグとニューヨークの中間あたりで、自動車道路はあわてて線路に近寄り、約1/4マイル(約400メートル)ほど並走する。とある荒廃したエリアを避けるために。これが灰の谷だ。

The Great Gatsby/グレート・ギャツビーのエックルバーグ博士の看板

But above the gray land and the spasms of bleak dust which drift endlessly over it, you perceive, after a moment, the eyes of Doctor T.J. Eckleburg. The eyes of Doctor T. J. Eckleburg are blue and gigantic -their irises are one yard high.

しかし、灰色の土地と終わりなく湧き上がる荒涼とした塵の上に、やがてエッケルバーグ博士の目が見えてくる。エッケルバーグ博士の目は、青く、巨大で、網膜は縦に1ヤード(0.9144メートル)の高さがある。

"Neither of them can stand the person they're married to."(省略)"What I say is, why go on living with them if they can't stand them? If I was them I'd get a divorce and get married to each other right away."(省略)"It's really his wife that's keeping them apart. She's a Catholic, and they don't believe in divorce." Daisy was not a Catholic, and I was a little shocked at the elaborateness of the lie.

「彼等(トムとマートル)のどちらも、自分の結婚相手(それぞれデイジーとジョージ)に我慢ができないの。」(省略)「わたし(マートルの妹キャサリン)が言ってるのは、結婚相手に我慢ができないなら、なぜ一緒に生活を続けるの?ってこと。もしわたしが彼等なら、すぐに離婚して、二人で結婚する。」(省略)「彼等(トムとマートル)を阻んでいるのは、まさに彼の妻(デイジー)なの。彼女はカトリックだから、彼等(トムとマートル)は(トムとデイジー)が離婚するなんて考えられないの。」デイジーはカトリックじゃない(ニックはいとこだから知っている)。わたし(ニック)は少しショックを受けた、その嘘の緻密さに。

Sushi K
トムはマートルに、デイジーがカトリックだからなかなか離婚できないけど、できるだけ早く離婚できるようにがんばる、的なことを言って、マートルの体をキープしているのでしょう。でも、ニックはそこまで語りません。父からのアドバイスで「必要以上にものを言わない。判断を控える。」ようになったからです。

I have been drunk just twice in my life, and the second time was that afternoon(省略)Then I was lying half asleep in the cold lower level of the Pennsylvania Station, staring at the morning Tribune, and waiting for the four o'clock train.

わたしが泥酔したのは人生でたったの2回で、その2回目があの午後だった。(省略)それからわたしは、ペンシルバニア駅の寒い地下階で、半分寝ながら横たわっていた、トリビューンの朝刊を見つめながら、4時発の列車を待ちながら。

キンドルポピュラーハイライト

I was within and without, simultaneously enchanted and repelled by the inexhaustible variety of life.

わたしは室内と室外を行き来していた、人生の尽きることない多様性に魅了されると同時に反発しながら。

第3章のあらすじ

1行にまとめるなら

夏のある日、ニックは隣人ギャツビー邸のパーティーに招待され、ギャツビーと知り合う。

3行で補足

  • ニックの隣人ギャツビーは大豪邸に一人で住み、毎週末参加自由の、豪華なパーティーを開いている。
  • パーティー参加者の誰もギャツビーのことを知らず、ギャツビーの悪い噂話をしている人もいる。
  • ニックがジョーダンと恋仲になる。

▼第3章のハイライト

"Somebody told me they thought he killed a man once."

(パーティーの参加者の1人)「誰かに聞いたことがある。彼(ギャツビー)は人を殺したことがあるんじゃないかって。」

Sushi K
ギャツビーに群がる蛾たちは、本当のことを知りもしないくせに、好き勝手なことを言います。後述のcareless peopleです

He snatched the book from me and replaced it hastily on its shelf, muttering that if one brick was removed the whole library was liable to collapse.

彼(ギャツビー邸パーティー参加者の1人、ふくろう眼鏡の男)は、わたしから本を奪い取り、急いで本棚に戻した。もしレンガが1つ外れたら、ライブラリー全体が崩壊する、とブツブツ言いながら。

(ギャツビーの豪邸が、砂上の楼閣であることを示唆する表現だと、わたしは思います。)

(省略)explained to him that wheel and car were no longer joined by any physical bond. "Back out," he suggested after a moment. "Put her in reverse." "But the wheel's off!" He hesitated. "No harm in trying," he said.

(事故現場を見ていた人々は)彼(事故を起こした運転手)に説明した。車体から外れたタイヤは、もうどんな物理的結合によっても繋がっていないと。しばらくすると彼は「バックする(突っ込んだとこからバックして抜け出す)」と言った。「(彼)車を逆向きにする」「(人々)でもタイヤは外れてる!」彼はためらった。「試してみても損はない」と彼は言った。

(事故から立て直そうとする彼が、過去を取り戻そうとするギャツビーと重なります。)

"You're a a rotten driver," I protested. "Either you ought to be more careful, or you oughtn't to drive at all." "I'm careful." "No, you're not." "Well, other people are," she said lightly. "What's that got to do with it?" "They'll keep out of my way," she insisted. "It takes two to make an accident." "Suppose you met somebody just as careless as yourself." "I hope I never will," she answered. "I hate careless people. That's why I like you."

(車を運転するジョーダンが歩行者を轢きそうになったときの、同乗者ニックとの会話)「あなたはひどい運転手だ」とわたしは抗議した。「もっと気をつけるべきだ、じゃなければ、あなたは絶対に運転するべきじゃない。」「わたしは気をつけている」「いや、あなたは気をつけていない」「まあ、他の人々が気をつけるから大丈夫。」と彼女は軽々しく言った。「それとこれにはどういう関係があるんだ?」「彼らがわたしを避ける。」と彼女は言い張った。「事故を起こすには、不注意な人間が2人必要なのよ。」「自分と同じくらい不注意な人に出会ったときのことを考えてみろ。」「決して出会わないことを望むわ。」と彼女は答えた。「わたしは不注意な人々が嫌いなの。」「だからわたし(ジョーダン)は(注意深い)あなた(ニック)が好きなの。」

Sushi K
careful 注意深い(意訳すると誠実)、careless 不注意な(意訳すると不誠実) の二軸は、この物語の登場人物を分類するのに役立ちます。ほとんどが careless 、ニックとギャツビーだけが careful です。

キンドルポピュラーハイライト

Every one suspects himself of at least one of the cardinal virtues, and this is mine: I am one of the few honest people that I have ever known.

誰もが基本的な徳の1つくらいは自分にもあると思っている。わたしの場合はこれだ:今まで出会った数少ない誠実な人々の中の1人がこのわたしだ。

第4〜6章のあらすじ

第4章のあらすじ

1行にまとめるなら

ギャツビーがウエストエッグの大豪邸でパーティーをする目的が明らかになる〔対岸(イーストエッグ)に住む元カノ、デイジーに来てほしいから〕

3行で補足

  • ギャツビーは富裕層出身(ウソ)で、ワールドシリーズを買収したギャンブラー、ウルフシャイムの友人だった。
  • デイジーの家も富裕層で、男からの電話が鳴り止まないほどデイジーはモテモテだった。
  • ギャツビーが戦争に行っている間、デイジーはギャツビーに見切りをつけ、トムと結婚した。
▼第4章のハイライト

"I am the son of some wealthy people in the Middle West - all dead now. I was brought up in America but educated at Oxford, because all my ancestors have been educated there for many years. It is a family tradition.(省略)"What part of the Middle West?" I inquired casually. "San Francisco."

わたし(ギャツビー)は中西部の富裕層に生まれた - 今は家族全員死んでいる。わたしはアメリカで育ったが、(イギリスの)オックスフォード(大学)で教育を受けた。その理由は、先祖代々何年も、そこで教育を受けてきたからだ。それがわたしの家の伝統なんだ。(省略)「中西部のどこ?」とわたし(ニック)は何気なく聞いた。「サンフランシスコ」

Sushi K
サンフランシスコは西部の(太平洋に面している!)都市なので、明らかに「中西部」とつじつまが合いません。作者フィッツジェラルドは親切ですね、ギャツビーが嘘をついていることを匂わすため、読者にわかりやすいヒントをくれています 笑

"Then came the war,(省略)I was promoted to be a major, and every Allied government gave me a decoration - even Montenegro, little Montenegro down on the Adriatic Sea!

「その後、戦争がやってきた、(省略)わたし(ギャツビー)は少佐にまで昇進し、あらゆる連合国から勲章をもった。モンテネグロでさえ、アドリア海の下の方にある小さなモンテネグロでさえも!」

"No, he's a gambler." Gatsby hesitated, then added coolly: "He's the man who fixed the World Series back in 1919."

「いや、彼(ウルフシャイム)はギャンブラーだ。」ギャツビーはためらった、そして冷淡な口調で付け加えた:「彼は1919年のワールドシリーズを買収した男だ。」

グレートギャツビー(The Great Gatsby)緑の光(Green Light)

"Gatsby bought that house so that Daisy would be just across the bay." Then it had not been merely the stars to which he had aspired on that June night.(省略)

(ジョーダン)「ギャツビーがあの家を買ったのは、ちょうど対岸にデイジーがいるからよ。」それならば、あの6月の夜、彼(ギャツビー)が切望して(腕を伸ばしつかもうとして)いたものは、ただの星ではなかったのだ。

Sushi K
green lightは重要なので画像再掲。本作最後の場面と関連します。

"He wants to know," continued Jordan, "if you'll invite Daisy to your house some afternoon and then let him come over."

「彼(ギャツビー)は知りたがっている」とジョーダンは続けた「いつかの午後、あなた(ニック)がデイジーを自宅に誘い、そこに彼(ギャツビー)も呼んでくれるかを。」

"I think he half expected her to wander into one of his parties, some night," went on Jordan, "but she never did.

「わたし(ジョーダン)は思う、彼(ギャツビー)は彼女(デイジー)が、(毎週やっている)パーティーの1つに、ふらっとやって来ることを、心の半分で期待していたんだと。」ジョーダンは続けた「でも、彼女は1回も来なかった。」

(第4章はキンドル ポピュラーハイライトなし)

第5章のあらすじ

1行にまとめるなら

ニックの協力で、ギャツビーはデイジーと念願の再会を果たす。

3行で補足

  • ニックはデイジーを自宅でのお茶に招待し、そこにギャツビーも呼んであげた。
  • ギャツビーはガチガチに緊張していたけど、再会はうまく行き、デイジーと再びいい感じになる。
  • あの緑の光は、ギャツビーがデイジーに見立てていたものだった。
▼第5章のハイライト

He was pale, and there were dark signs of sleeplessness beneath his eyes.

彼(ギャツビー)は青ざめていた。彼の目の下には眠れなかったことによる暗い印があった。

Gatsby, pale as death, with his hands plunged like weights in his coat pockets, was standing in a puddle of water glaring tragically into my eyes.

ギャツビーは死人のように青白く、両手をおもりのようにコートのポケットにつっこみながら、わたし(ニック)の目に悲壮な光(目線)を突きさしてくる、水たまりの中に立っていた(映っていた)。

”I love it, but I don't see how you live there all alone." "I keep it always full of interesting people, night and day. People who do interesting things. Celebrated people."

「わたし(デイジー)はそれ(ギャツビーの豪邸)が好きよ。でも、あなた(ギャツビー)がどうしてそこ(あんな豪邸)に一人で住んでいるのか、全く理解できない。」「わたし(ギャツビー)はいつも、あの家をおもしろい(魅力的な)人々でいっぱいにしている、夜も昼も。おもしろいことをする人々で。セレブたちで。」

"If it wasn't for the mist we could see your home across the bay," said Gatsby. "You always have a green light that burns all night at the end of your dock."

「もし霧がなければ、あなた(デイジー)の家が対岸に見えるだろう。」とギャツビーは言った。「あなた(デイジー)の住む対岸にはいつも、桟橋の先に一晩中、緑の光が灯っている。」

キンドルポピュラーハイライト

No amount of fire or freshness can challenge what a man will store up in his ghostly heart.

どれだけの量の炎も、どれほどの新鮮さも、1人の男が幽霊のように心に溜め込む想いにはかなわない。

第6章のあらすじ

1行にまとめるなら

ギャツビーの本当の過去が明らかになる(貧しい農家の出身だが、金持ちに気に入られ、成り上がった)

3行で補足

  • ギャツビーの本名はジェイムス・ギャッツだけど、(貧しい生まれの自分を変えるため)ジェイ・ギャツビーと名前を変えた。
  • ギャツビーの成り上がりストーリーは、コディーという金持ちに気に入られたとこから始まった。
  • ギャツビーには野心があり、コディーはそこが気に入った。
▼第6章のハイライト

James Gatz - that was really, or at least legally, his name. He had changed it at the age of seventeen and at the specific moment that witnessed the beginning of his career - when he saw Dan Cody's yacht drop anchor over the most insidious flat on Lake Superior.

ジェームス・ギャッツ - これが本当の、いや、少なくとも法的な、彼(ギャツビー)の名前だった。彼は17歳のとき、彼のキャリアの始まりとなるその時に、名前を変えた。 - ダン・コディーのヨットが、スペリオル湖の油断できない浅瀬に錨を下ろしたのを、彼が見たときに。

It was James Gatz who had been loafing along the beach that afternoon in a torn green jersey and a pair of canvas pants, but it was already Jay Gatsby who borrowed a rowboat, pulled out to the Tuolomee, and informed Cody that a wind might catch him and break him up in half an hour.

破れた緑のジャージにデニムのパンツで、あの午後ビーチをうろついていたのは、ジェームス・ギャッツだった。しかし、こぎ舟を借り、ツオロミー号に寄って行き、30分経ったら風が吹いてヨットがやられてしまうとコディーに教えたのは、すでにジェイ・ギャツビーだった。

I suppose he’d had the name ready for a long time, even then.

わたし(ニック)は思う、彼(ギャツビー)は、そのときまでにすでに、長い間その名前を準備していたのだと。

At any rate Cody asked him a few questions (one of them elicited the brand new name) and found that he was quick and extravagantly ambitious.

何はともあれ、コディーは彼(ギャツビー)にいくつかの質問し(その中の1つで、新しい名前が引き出された)、彼は頭の回転が早く、度を超えて野心的であることを見つけた。

”You can't repeat the past." "Can't repeat the past?" he cried incredulously. "Why of course you can!" He looked around him wildly, as if the past were lurking here in the shadow of his house, just out of reach of his hand. "I'm going to fix everything just the way it was before," he said, nodding determinedly. "She'll see."

「(ニック)過去は繰り返せない。」「(ギャツビー)過去は繰り返せない?」彼は信じられないというように叫んだ。「なぜだ、もちろん繰り返せる!」彼は周囲を野性的に見回した。まるで、過去は彼の家の影に潜んでいて、ただ手を伸ばしても届かないだけであるかのように。「わたしはかつてそれがそうであったように、全てを元に戻す。」と彼は言った、決心したようにうなずきながら。「彼女(デイジー)もわかってくれるだろう。」

キンドルポピュラーハイライト

It is invariably saddening to look through new eyes at things upon which you have expended your own powers of adjustment.

労力を消費し(なんとか)順応してきた物事を、新しい目を通して見る(見直す)ことは、必ず悲しみを生むことになる。

第7〜9章のあらすじ

第7章のあらすじ

1行にまとめるなら

ギャツビーとトムがニューヨークで大げんかし、その帰り道、デイジーが運転する車(ギャツビーin助手席)がマートルをひき殺してしまう。

3行で補足

  • ギャツビーは「デイジーはトムを愛していない」ことを、デイジーの前でトムに言う(この瞬間はギャツビー優勢)。
  • トムは「ギャツビーは酒ビジネス(この時代は禁酒法=犯罪)で成り上がった犯罪者」だとデイジーにバラす(デイジーは引いてしまう=トムの勝利)
  • 事故を起こしたデイジーを、ギャツビーは最後までかばい、見守る。
▼第7章のハイライト

"Your wife doesn't love you," said Gatsby. "She never loved you. She loves me."(省略)"She never loved you, do you hear?" he cried. "She only married you because I was poor and she was tired of waiting for me. It was a terrible mistake, but in her heart she never loved any one except me!"

「あなた(トム)の妻(デイジー)はあなたを愛していない。」とギャツビーは言った。「彼女は少しもあなたを愛していない。彼女はわたし(ギャツビー)を愛している。」(省略)「彼女はあなたを全く愛していない、聞いているか?」彼は叫んだ。「彼女はただ、わたしが貧しく、わたしの(戦争からの)帰りを待ちきれなくなって、あなたと結婚しただけだ。それはひどい過ちだったが、彼女の心の中で、彼女はわたし以外の誰も、少しも愛してなどいなかったんだ!」

"Daisy, that's all over now," he said earnestly. "It doesn't matter any more. Just tell him the truth - that you never loved him - and it's all wiped out for ever." She looked at him blindly. "Why - how could I loved him - possibly?" "You never loved him."(省略)"I never loved him," she said, with perceptible reluctance.

「デイジー、これで全て終わりだ。」彼は真剣に言った。「もうどうでもいい。彼に真実を教えてやれ - あなたは全く彼を愛していないことを - それで、全てが永遠に片付く。」彼女は彼(ギャツビー)を疑わずに見た。「なぜ、-どうすればあの人を愛せたというの?(愛していない)- どうあがいても(ありえない)」「あなたは彼(トム)を一度も愛していない。」(省略)「わたしは彼を一度も愛していない。」と彼女は言った、仕方なしに言っているのがはっきりとわかる言い方で。

"I found out what your 'Drug-stores' were." He turned to us and spoke rapidly. "He and this Wolfsheim bought up a lot of side-street drug-stores here and in Chicago and sold grain alcohol over the counter. That's one of his little stunts.

「わたし(トム)はあなた(ギャツビー)のドラッグストアがどういうものか、探り出した。」彼(トム)はわたしたちの方を向き、早口で言った。「彼(ギャツビー)とウルフシャイムは、ここやシカゴのサイドストリートにあるドラッグストアをたくさん買って、穀物のアルコールを売っていたんだ。それが彼のちょっとした妙技(この文脈ではインチキ的な意味)の1つなんだ。」(当時は禁酒法時代なので違法)

"Was Daisy driving?" "Yes," he said after a moment, "but of course I'll say I was. You see, when we left New York she was very nervous and she thought it would steady her to drive - and this woman rushed out at us just as we were passing a car coming the other way. It all happened in a minute, but it seemed to me that she wanted to speak to us, thought we were somebody she knew.

(ニック)「デイジーが運転していたの?」(ギャツビー)「Yes」彼は少し間をおいて言った。「でも、もちろん、わたしがやったと言うつもりだ。あなたも知っているように、わたしとデイジーがニューヨークを出発したとき、彼女はとてもナーバスになっていて、運転することで落ち着けると彼女は思ったんだ。- そして、この女性(マートル)がわたしたちの車に突っ込んできた、ちょうど反対車線の車とすれ違う時に。全ては一瞬の間に起こった。でも、彼女(マートル)はわたしたちに話しかけようとしていたように、わたしたちが彼女の知り合いの誰かだと思っているように見えた。」

Sushi K
ロングアイランドからニューヨークに来る時、ギャツビーとトムがお互いの車を交換していたのが、不幸な事故の原因でした。マートルは、ギャツビーの黄色い車を運転するトム(往路)を見ていたので、デイジーが運転(復路)しているとは知らず、黄色い車をトムだと誤解してしまいました。

"I want to wait here till Daisy goes to bed. Good night, old sport."

「わたし(ギャツビー)はここ(デイジーの部屋が見える場所)で、デイジーが寝るまで待つ(見守る)つもりだ(狂ったトムがデイジーに危害を加えないように)。グッドナイト、オールドスポート(ギャツビーの口癖、「親友」的な意味)。」

(第7章はキンドル ポピュラーハイライトなし)

第8章のあらすじ

1行にまとめるなら

マートルの夫はギャツビーが犯人と思い込みギャツビーを銃殺、自分も自殺する。

3行で補足

  • 事故の翌夜ニックはギャツビーから過去を聞く。
  • エックルバーグ博士は全てを見ている。
  • ギャツビーはグレートであることを、ニックが認める。
▼第8章のハイライト

he let her believe that he was a person from much the same stratum as herself -that he was fully able to take care of her. As a matter of fact, he had no such facilities- he had no comfortable family standing behind him, and he was liable at the whim of an impersonal government to be blown anywhere about the world.

彼(ギャツビー)は彼女(デイジー)に、自分は彼女と同じ階層出身だと信じこませた - 彼女の面倒を完璧に見れる男だと。実際のところ、彼にそんな設備(器用さ)はなかった - 彼は裕福な家という後ろ盾もなく、彼は人間味のない政府の気まぐれで世界中のどこにでも飛ばされ得る身だった。

now he found that he had committed himself to the following of a grail.

このとき彼は気づいた、自分が聖杯探しにコミットしてることを。

Sushi K
聖杯伝説やキリスト教の知識がないので、なんとも言えないのですが、ギャツビーはデイジーを聖なる何かに見立てている?

I even hoped for a while that she'd throw me over, but she didn't, because she was in love with me too.

わたし(ギャツビー)は、しばらくの間、彼女(デイジー)に捨てられることさえ望んだ。しかし、彼女はそうしなかった、なぜなら彼女もわたしに恋をしていたから。

He came back from France when Tom and Daisy were still on their wedding trip, and made a miserable but irresistible journey to Louisville on the last of his army pay. He stayed there a week, walking the streets where their footsteps had clicked together through the November night and revisiting the out-of-the-way places to which they had driven in her white car.

彼(ギャツビー)がフランス(戦争)から帰ってきたとき、トムとデイジーはまだ新婚旅行の最中だった。ギャツビーは、みじめだが行かずにはいられない、ルーイビルへの旅に出た。軍人としての給料の残りを使って。彼はそこに1週間滞在し、デイジーと11月の夜に足音を立てた道や、デイジーの白い車でドライブした人里離れた場所を再訪した。

I said "God knows what you've been doing, everything you've been doing. You may fool me, but you can't fool God!" Standing behind him, Michaelis saw with a shock that he was looking at the eyes of Doctor T.J. Eckleburg, which had just emerged, pale and enormous, from the dissolving night.

わたし(マートルの夫)は言った「神はおまえ(マートル)がしてきたこと(不倫)を知っている、おまえがしてきたこと全てを。おまえはわたしを欺けるかもしれないけれど、神は欺けない!」彼の後ろに立ちながら、ミカエリス(事故の目撃者の一人)はショックとともに見た、エッケルバーグ博士の目を。それはちょうど夜(の闇)が溶解していくところから現れた、青く、巨大な目だった。

"They're a rotten crowd," I shouted across the lawn. "You're worth the whole damn bunch put together." I've always been glad I said that. It was the only compliment I ever gave him, because I disapproved of him from beginning to end.

「あいつらみんな腐ってる。」わたし(ニック)は芝生ごしに叫んだ。「腐った奴ら全員が束になって、ようやくあなた(ギャツビー)1人と同じ価値だ(それくらいギャツビーはグレートだ)」わたしはいつも、このことを言えて本当に良かったと思う。これはわたしが彼に送った唯一の賞賛だった。なぜ唯一かというと、わたしは彼を最初から最後まで認めていなかったから(でも最後の最後で認めた)。

Sushi K
このシーンがグレート・ギャツビーのクライマックス。タイトル『グレート・ギャツビー』のグレートの意味は「腐った奴ら全員が束になって、ようやくギャツビー1人と同じ価値」という意味です。なので『グレート・ギャツビー』を『華麗なるギャツビー』と訳すことに、わたしは同意しません。

(第8章はキンドル ポピュラーハイライトなし)

第9章のあらすじ

1行にまとめるなら

ニックはニューヨークが(carelessな人々が)嫌になって西部に帰る。

3行で補足

  • ニックはジョーダン(他の男と婚約していた)と別れる。
  • ギャツビーの葬儀に来たのは父、フクロウ眼鏡の男、ニック、召使いだけ〔トム、デイジー、ウルフシャィム、ジョーダン(全員careless)は来ない〕。
  • 西部出身のニックにとって、東部はエル・グレコの絵のように歪んでいた。

▼第9章のハイライト

He rose up to his position in the East.

彼(ギャツビー)は東部で成り上がった。

"Let us learn to show our friendship for a man when he is alive and not after he is dead," he suggested. "After that my own rule is to let everything alone."

「友情は、相手が死んだ後ではなく、生きている時に示すものだということを、学びましょう。」と彼は言った。「(人が死んだ)後は、全てをそっとしておくのがわたし(ウルフシャイム)のルールだ。」

"Jimmy was bound to get ahead. He always had some resolves like this or something.

(父)「ジミー(ギャツビーのこと)は前進する決心をしていた。彼はいつもこのような決意や何かを持っていた。」

Daisy hadn't sent a message or a flower.

デイジーはメッセージも花も(ギャツビーの葬儀に)送ってこなかった。

I see now that this has been a story of the West, after all - Tom and Gatsby, Daisy and Jordan and I, were all Westerners, and perhaps we possessed some deficiency in common which made us subtly unadaptable to Eastern life.

今思うと、これは西部の物語だった。- トムもギャツビーも、デイジーもジョーダンもわたし(ニック)も、みんな西部出身で、おそらくわたしたちはみな、東部の生活には微妙に適応できない、何らかの欠損を抱えていたのだと思う。

The Great Gatsby/グレート・ギャツビー_エル・グレコのトレド眺望 (メトロポリタン美術館)

エル・グレコの『トレド眺望 』@メトロポリタン美術館

even then it had always for me a quality of distortion. West Egg, especially, still figures in my more fantastic dreams. I see it as a night scene by El Greco

その時(ニックが東部にもっとも興奮していた時、東部の優位性をもっとも認識していた時)でさえ、わたし(ニック)にとって、東部にはいつも(何かしら)歪んだ質(ところ)があった(見えた)。特にウエストエッグは、今でもはっきりとした形で想い描くことができる、現実離れした夢の中で。わたしにはそれが、エル・グレコが描く夜景に見える

"I'm thirty," I said. "I'm five years too old to lie to myself and call it honor."

「わたしは(もう)30歳だ。」とわたし(ニック)は言った。「自分に嘘をついてそれを誇りとするには、5歳ほど歳をとりすぎている。」

They were careless people, Tom and Daisy - they smashed up things and creatures and then retreated back into their money or their vast carelessness, or whatever it was that kept them together, and let other people clean up the mess they had made....

彼らは不注意な人々だ、トムとデイジー - 彼らは物事も生物も粉々に破壊して、金、広大な不注意さ、またはそれが何であれ、彼らを結びつけているものの方へと身を引いていった。そして、彼らが作った残骸の後始末を他人に押し付ける。

Sushi K
ニックはcareless peopleに嫌気がさして、ニューヨークを去ります。

(green lightは2:30〜)

Gatsby believed in the green light, the orgastic future that year by year recedes before us. It eluded us then, but that's no matter -- to-morrow we will run faster, stretch out our arms farther ... And one fine morning --

So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past.

ギャツビーは緑の光を信じていた。私たちの前から年々遠ざかっていく、オルガスム的な未来を。それはあの時、私たちの手からすり抜けて行った、でもそれは大したことじゃない。明日はもっと早く走り、両腕をもっと先まで伸ばそう。・・・そしていつの日か、ある朝に。

このようにして私たちは前へと進み続ける。流れに逆らうボートのように、絶え間なく過去へ押し戻されながらも。

Sushi K
時の流れと、過去にこだわる気持ちを、川の流れに見立てた表現がせつないですよね。小説『The Great Gatsby/グレート・ギャツビー』はこうして幕を閉じます。

キンドルポピュラーハイライト

So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past.

このようにして私たちは前へと進み続ける。流れに逆らうボートのように、絶え間なく過去へ押し戻されながらも。

本記事は以上です。最後までお読みくださり、ありがとうございました。




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日系企業を3年未満で退職し、外資系10年以上(4社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEICは対策なしのぶっつけで915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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