洋書大好き!私のおすすめ厳選ベスト10(難易度・ジャンル付)May The Books Be With You!

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洋書大好き!私のおすすめ厳選ベスト10(難易度・ジャンル付)May The Books Be With You!

私の趣味は読書で、英語の勉強も兼ねて、今までに何十冊と洋書を読んできました。

一人の世界に浸れる、新しい学びがある、感動できる、ついでに英語の勉強にもなる。

本、ひいては洋書を好きになったことで、人生が豊かになったと本気で思っています。

この記事は、そんな体験が、少しでも誰かの役に立てたらいいなと思い、書いてみました。

私が読んできた何十冊という洋書の中から、おすすめ中のおすすめを、10冊に厳選。

作品の概要と、おすすめの理由も添えましたので、参考になれば幸いです。

本好き、洋書好きとして、心を込めて。

あなたと本が、ともにありますように!

May The Books Be With You!



洋書の選び方

フィクションとノンフィクション

  • フィクション▶︎想像の世界の話なので、現実世界での使用頻度が低い、小説的な単語、表現が多い。
  • ノンフィクション▶︎現実の世界の話なので、現実世界でよく使う単語、表現が多い。
  • 読みやすさ+実利の観点では、ノンフィクションがおすすめ

洋書が大好きで、今までに何十冊と洋書を読んできた経験から、私はこのような結論に至りました。

どちらが良い、悪い、とかではなく、人それぞれの好み、ニーズ、その時の気分で、どちらかを選べば良いと思います。

洋書を選ぶ時の、一つの参考になれば幸いです。

おすすめの洋書ベスト10

難易度:初心者レベル(2冊)

ジャンル:ビジネス

おすすめ1:Who Moved My Cheese?(チーズはどこへ消えた?) by Spencer Johnson(スペンサー・ジョンソン)

ここがおすすめ

短く、読みやすい = まず最初に1冊読み切って、洋書を読めるという自信を持とう。

ざっくり紹介

  • 設定=2匹のネズミと2人の小人がチーズを求めて迷路の中を探し回る
  • チーズ=私たちが人生で求めているものの比喩、迷路=世界や社会など私たちがいる環境の比喩
  • 要点:ある日、チーズがなくなった(環境が変化した)、その時、彼らはどのような行動をとるか?

『Who Moved My Cheese?(チーズはどこへ消えた? )』は、洋書デビューのど定番中のど定番です。

その理由は、

  • 全世界で3000万部近く売れている大ベストセラー
  • 短く、おとぎ話風で、読みやすい
  • 英語もそこまで難しくない

この一行が有名です。

What would you do if you weren’t afraid?
もし怖くなかったら、どうする?

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チーズはどこへ消えた? (Spencer Johnson)
created by Rinker

ジャンル:小説・感動

おすすめ2:Flowers for Algernon(アルジャーノンに花束を)by Daniel Keyes(ダニエル・キイス)

ここがおすすめ

6歳児レベルの文章 x 世界文学最高峰の感動

ざっくり紹介

  • アルジャーノン=脳手術の動物実験で天才になったマウス。
  • チャーリィ・ゴードン=知的障害を持ち、人間として初めてその脳手術を受ける。
  • 脳手術で、突然、天才になったアルジャーノンとチャーリィ。脳手術の効果と副作用とは?

当ブログでは、『Flowers for Algernon(アルジャーノンに花束を)』を、初めての洋書としておすすめしています。

その理由は下記の5つです。

  1. 主人公に知的障害がある設定のため、単語と文章がシンプルでわかりやすい。
  2. 主人公の日記に誤記が多いため、前後の文脈から意味を推測する練習になる。
  3. 主人公の誤記から、間違ってもいい場所がわかる(間違ってはいけない場所もわかる)。
  4. 物語の力に引っ張られ、多少わからない部分があっても、早く次を読みたくなる。
  5. 細部まで100%理解できなくても感動できる、という体験ができる。

(『Who Moved My Cheese?(チーズはどこへ消えた? )』は、社会的評価が大きすぎて、無視できず、本記事の1冊目に紹介しました。私の本当のおすすめは、『Flowers for Algernon(アルジャーノンに花束を)』です!)

初めての洋書には小説『アルジャーノンに花束を』がおすすめな5つの理由
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難易度:中級者レベル(4冊)

ジャンル:小説・感動

おすすめ3:The Kite Runner(君のためなら千回でも) by Khaled Hosseini(カーレド・ホッセイニ)

ここがおすすめ

欧米に向きがちな意識が、中東に向き、視野が広がる(+涙腺崩壊します)。

ざっくり紹介

  • アフガニスタンのカブール出身の作家、カーレド・ホッセイニさんによる作品。
  • 出版は2003年のアメリカ。当時のアフガニスタン情勢もあり、時代とのタイミングはバッチリ。
  • アフガニスタン出身の作家だからこそ書けるこの作品は、多くの人の心に刺さり、ニューヨークタイムズ誌のベストセラーリストでNo.1を獲得。その後も2年間ずっと同リストに残り続け、アメリカだけで800万部が売れた。もちろん世界中で大ヒット。

(本作単独での全世界売り上げ部数は見つけられなかったのですが、本作と次作『A Thousand Splendid Suns』を合わせて、全世界で3800万部が売れているとのこと(khaledhosseini.com/book-facts)。)

本作には、主人公のアミールが、友人のハッサンがいじめられている現場を見て見ぬ振りをする場面があります。

作者のホッセイニさんがインタビューで

「そのシーンは、タリバンに苦しむアフガニスタンを見て見ぬ振りをする、国際社会に対する皮肉だ。」

と言っているのを聞いたとき、ドキっとすると同時に、文学の持つ力を感じたことを良く覚えています。

For you, a thousands times over.

君のためなら千回でも。

これは、日本語版の小説及び映画の邦題にもなり、本作の中では二回登場する重要な一行です。

これだけだと、何のことかわからないと思いますが、一回目のシーンが良い前振りとなり、二回目のシーンでは涙腺崩壊。

「全米が泣いた」「全世界が泣いた」を地で行く感動の物語です。

アフガニスタンという自分にない視点をくれて、なおかつ泣くほど感動できた体験は、私が洋書および世界文学にハマって行く過程において、とても大きな影響を受けました。

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ジャンル:旅行・経済

おすすめ4:Investment Biker(冒険投資家ジム・ロジャーズ世界バイク紀行) by Jim Rogers(ジム・ロジャーズ)

ここがおすすめ

筆者と一緒に世界を旅し、世界のこと+伝説の投資家の視点を学べる。

ざっくり紹介

  • 筆者のジム・ロジャーズさんは、ウォーレン・バフェットさん、ジョージ・ソロスさんと共に、世界三大投資家に数えられるレジェンド。
  • ジム・ロジャーズさんは、投資で儲けまくり、早期リタイア。長年の夢だった、世界一周旅行に出ます。
  • 移動手段はなんとバイク。陸路だからこそ得られる体験談は、飛行機の旅では得られない深みがあります。

単純に、金にものを言わした豪華旅行というわけでもなく、命の危険があるゲリラ地域を通過したり、文字どおり命をかけた大冒険は、スリル満点です。

人がうらやむほどの資産を手に入れながら、死の危険を冒してまで、情熱のままに旅する姿勢は、ちょっと普通じゃない。

ただの金持ちの、お気軽旅行とは全然違って、情熱を持って旅した人の体験談からは、学ぶべきものが大いにあります。

ちなみに、ジム・ロジャーズさんは、今度はベンツ(車)で世界2周目をしていて、そのことは『Adventure Capitalist』という本になっています。こちらもおすすめです。

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ジャンル:ミステリー・サスペンス

おすすめ5:The Da Vinci Code(ダヴィンチコード) by Dan Brown(ダン・ブラウン)

ここがおすすめ

全世界で8000万部売れている超ベストセラーを、英語で読みきれば、自分の英語力が世界と同等のレベルに達したという自信が得られる。(仮に読めなかったとしても、世界レベルとの距離感がわかる)

ざっくり紹介

  • レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を聖杯伝説と結びつけたミステリー・サスペンス小説。
  • 登場するダ・ヴィンチ作品▶︎『ウィトルウィウス的人体図』、『モナ・リザ』、『岩窟の聖母マリア』、『最後の晩餐』
  • 聖杯伝説▶︎処女マリアから生まれた神の子キリストは実は人間で、結婚して子孫を残し、その血脈は現在も続いている(聖杯とは磔刑時にキリストの血を受けたものとされていたが、実は女性の子宮のことだった、その女性とは娼婦マグダラのマリアだった。)

聖杯伝説が真実だと仮定すると、2つの立場から利害が正面衝突します。

一方は、バチカンの教会。神の子キリストが実は人間だったとなると、キリストの神性が失われて困る。マグダラのマリアがキリストの妻だったとなると、女性の地位が向上して困る。キリストとマリアがセックスしていたとなると、セックスという行為が肯定されて困る。教会はキリストの死後ずっと歴史を捏造し、証拠を隠滅しようとしてきた、というストーリーが描ける。

もう一方は、シオン修道会。この組織は聖杯伝説の証拠が消されないように守り続けてきた秘密結社で、リーダーにはレオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ヴィクトル・ユーゴー等の歴史的人物が名を連ねている。教会の権力はいつの世も絶大で、聖杯伝説を声高に叫ぶことはできなかったが、レオナルドは『最後の晩餐』の中で聖杯伝説を暗号として残していた、というストーリーが描ける。

聖杯伝説の真偽は別として、ミステリーの題材としてはとても興味深かったです。知的好奇心が刺激され、ページをどんどんめくりました。少なくともその意味においては、確実に、筆者のダン・ブラウンは見事だと思います。

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ジャンル:テクノロジー・ビジネス

おすすめ6:Deep Thinking(ディープ・シンキング 人工知能の思考を読む) by Garry Kasparov(ガルリ・カスパロフ)

ここがおすすめ

今後、人工知能(AI)とどう向き合っていくべきなのか、AIに負けた先輩から学べる。

ざっくり紹介

  • 1997年、筆者のガルリ・カスパロフさん(当時のチェス世界チャンピオン)は、IBMのスーパーコンピューター『ディープ・ブルー』に負けました。
  • カスパロフさんはその後、企業(例:Google, Facebook)、ヘッジファンド、銀行、オックスフォード大学などに招かれ、人間とマシンの関係についての対話を続けてきました。
  • 本書では、一般社会に先がけてAIと戦い、敗れ、その後も世界トップの知性と対話を重ねてきた筆者の考え方を、学ぶことができます。

人類の歴史をマクロ的視点で見ると、21世紀は、人工知能(AI)が人間の知能を超えていく時代なのかもしれません。

具体的には、2045年、AIの知能がシンギュラリティーに到達=人間の知能を越える、と言われています。


ところで、今は当たり前の無人エレベーターは、技術自体は1900年にあったものの、人々が怖がって、1950年代までは人が操作していたそうです。

自動化→恐怖→受け入れ。

車の自動運転も、同じパターンになるのでしょうね。


AIに奪われる職業、残る職業、みたいな話は、誰もが一度は目に、耳にしたことがあると思います。

シンギュラリティーの2045年から数えると、カスパロフさんは1997年に、つまり私たちより48年先に、AIへの敗北を経験していることになります(多くの職業は、2045年前に、AIに負けることになるのだと思います)。

そんな先人が、AIと戦い、負け、何を思ったのか? 人々に何を伝えたいのか?

本書には、私たちが未来に備える上で、学びになることが詰まっています。

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難易度:上級者レベル(4冊)

ジャンル:小説・歴史・ノーベル文学賞

おすすめ7:My Name is Red(私の名は赤) by Orhan Pamuk(オルハン・パムク)

ここがおすすめ

イスラムの価値観を学べ、自分の感覚が根底からぶっ壊されるような衝撃を体験できる。

ざっくり紹介

  • トルコのイスタンブール出身のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクさんの代表作。
  • 国際IMPACダブリン文学賞(アイルランド)、最優秀海外文学賞(フランス)、グリンザーネ・カヴール賞(イタリア)受賞。
  • 舞台は16世紀のイスタンブール。絵画を題材に、西洋とイスラムの文明の衝突を描きます。

トルコの首都イスタンブールは、物語のネタとしての質と量がワールドクラスです。

歴史的には、東ローマ帝国とオスマン帝国の首都であり、したがって宗教的には、キリスト教とイスラム教。地理的には、東洋と西洋の接点。

地球のへそと言えば、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が全てある、イスラエルのエルサレムが思い浮かびますが、トルコの首都=イスタンブールには、それに匹敵する場所の力があると思います。


本作は、そのイスタンブールを舞台に、世界の二大文明、西洋とイスラムの価値観が、正面衝突します。

題材の絵画はあくまでも媒体であり、本質は二大文明の衝突。

絵画を通じて、両文明の価値観の違いが浮き彫りになって、とても興味深く読めました。


この場所とテーマ設定で、おもしろくないわけがない。

本記事の10冊はすでに何十冊から厳選した10冊ですが、その中から、さらに1冊に厳選するなら、『My Name is Red』。

読んでいる時、読み終わった時、自分の感覚が根底からぶっ壊されるような衝撃がありました。

Highly recommendedです。

21世紀的必読書

2001年9月11日、ニューヨークでのテロで、21世紀は幕を開けました。それはまるで、21世紀の大きなテーマの1つが、西洋vsイスラムの文明の衝突であることを、象徴しているようでもあったと思います。『My Name is Red』は、「21世紀を生きる」という意味においても、学びのある作品としておすすめです。

参考までに、読了直後の衝撃を、ありのままに書きなぐった当時のメモが残っていたので、以下に折りたたんでおきます。

ネタバレが嫌な人は開けずにスルーしてください。

本物または平凡な細密画家を分かつ3つの要素
イスラム教の世界感がすごい、その発想はなかった、これが本当なら東と西は解り合えない。

1. Style & Signature

スタイルとは不完全であること。完璧な絵に署名は不要。欠陥のある作品について、あつかましく、愚かに、自画自賛することがスタイルと署名。

本物の細密画家は伝統的手法を用いて過去のマスター達と全く同じ作品を描く。画家本人の個性やオリジナリティは悪。

2. Time

作品を完璧にするのは作者じゃなくて時間。最高レベルの技術を通じてしか、時間からは逃れられない。あつかましくも完璧を目指す輩には死が待っている。

最高レベルの技術で描かれ、スタイルも署名もない作品だけが、画家の有限の時間を逃れ、アッラーの永遠の時間に入る。

3. Blindness

失明すると暗闇の中に記憶が浮かぶ。それはアッラーが見ているものと同じ。その状態は幸福。

本物の画家は失明できる。凡庸な画家は失明できない。

本物の画家は、人間ではなくアッラーが見てるものを描く。人間の視点を意味する西洋の遠近法や写実的な絵は、アッラーへの冒涜。

偶像崇拝も禁止。目に見えている通りに似せて描いてはいけない。本物の画家は、写実的に本人には似ていないけど、誰が見ても本人とわかるような作品を描く。それはアッラーが見ている、唯一無二で、完璧な姿。

1, 2, 3をまとめると、ブルーモスクで貰ったイスラム教の資料に書いてあった、イスラム教で一番重要なことと、同じ結論になる。 【アッラー以外に神はいない。アッラーが最も偉大。アッラーは完璧で絶対。】 そして、コーランにはこんな一文があるらしい。

To God belongs the East and the West.

イスラム教のアッラーを絶対視する感じが怖い、傲慢。けど、それはさておき、イスラム教を理解するための、基本中の基本なのかも。イスラム教がこうであるなら(逆にいうなら、西洋がこうであるなら)、東と西は解り合えない気がする。

『My Name is Red』めちゃおもしろい、けど、イスラム教って本当にこんな感じなのだろうか?普通のイスラム教徒はもっと普通で、過激派と呼ばれる人達がこんな感じなのだろうか?

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ジャンル:小説・感動・ノーベル文学賞

おすすめ8:Never Let Me Go(私を離さないで) by Kazuo Ishiguro(カズオ・イシグロ)

ここがおすすめ

人間とは何か?本質を浮き上がらせる手法が秀逸。小説および小説家の存在意義が明確にわかります。

ざっくり紹介

  • 前提として、1997年に、世界で初めてのクローン動物、羊のドリーが発表されたことがあります。
  • 本作では、臓器を提供するためだけに生まれ、死んでいく、クローン人間がいる世界を描きます。
  • テーマは人間とは何か?に迫ることであり、クローン人間や臓器提供について問題提起している訳ではありません。

一般的に、小説には作家の表現したい主張があるはずで、その主張は数行にまとめられるはずです。

でも小説家はみんな長い物語を書きます。これはなぜでしょう?自分の主張があるなら、数行で直接表現すればよいのでは?

理由はいくつかあるのでしょうが、私はその理由の1つが、本書にあると思っています。


例えば、一つの主張を表現するために、もしわざと主張と逆の内容を書き続けたらどうなるでしょう?

本来の主張が逆の内容の中から浮き上がってくる。つまり、写真のポジとネガみたいな関係。言い換えるなら、光が強ければ強いほと影がくっきりとできる、みたいな。


本書で言うなら、クローン人間を描くことで、人間のことが鮮明に浮かび上がってくる、というわけです。

その手法は見事だなと思いますし、小説や小説家の存在意義みたいなものを、私は本書に感じました。


作者のカズオ・イシグロさんは、2017年にノーベル文学賞を受賞。

こういう作家がノーベル文学賞を受賞するんだな、と、一つのラインを感じることができるのも、私が本書をおすすめする理由の一つです。

ノーベル賞作家の作品はやっぱりすごい。ただ売れたとか、共感したとかいう次元を超えて、人間の根源的な何かに迫ってくる凄みがあります。

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おすすめ9:Way to Paradise(楽園への道) by Mario Vargas Llosa(マリオ・バルガス・リョサ)

ここがおすすめ

読了後、茫然自失するような、最高レベルの読書体験が味わえる。

ざっくり紹介

  • ペルー出身のノーベル文学賞作家、マリオ・バルガス・リョサさんの代表作。
  • 二人の反逆者、ゴーギャンとトリスタンの生涯を、交互に描き進めることで、二人の生き様が重なり、読者の心に2倍の強さで迫ってくるように設計されている。
  • ポール・ゴーギャン(画家)▶︎文明社会に反逆し、南太平洋のフランス領、タヒチ島で原始的な生活を送りながら、今日の私たちが知る原始的な作品を製作した。
  • フローラ・トリスタン(その祖母かつ社会革命家)▶︎ブルジョア社会に反逆し、女性および労働者の権利を訴えた。

率直な感想は「ゴーギャンめちゃくちゃやりすぎ」。

ゴッホをthe mad Duchmanと呼ぶ資格はない。ゴーギャンも十分にmad、というかmore mad。完全に頭がおかしい。

でも、なぜ、私はゴーギャンがmadだと思ったのか?

それは私が常識や先入観に毒されてる証拠。私が本当にゼロベースで考えられていない証拠。これこそゴーギャンが戦っていたものだったんじゃないか。

ゴーギャンは完全に頭がおかしい、と同時に、誰よりも正しい。そんなことを思いました。


一方、ゴーギャンの祖母トリスタンのことは、本書で初めて知りました。

この時代は女性と労働者の権利がめちゃくちゃだったようで、読んでいて本当に辛かったです。トリスタン達ががんばったから今があるのだなと、先人たちに感謝したくなりました。

確認すると、トリスタンが活動した1840年前後は、私の好きな音楽家ショパンのパリ時代=つまり全盛期と一致していました。

ごく一部のブルジョアジーと、大多数の奴隷のような女性と労働者。これこそが、トリスタンが戦っていたものだったようです。


二人の生き様が壮絶すぎて、また、筆者の文体(ゴーギャンとトリスタンを、我が子のように、二人称で呼ぶ)が絶妙で、読了後は文字どおり茫然自失。

こんな読書体験はなかなかできるものじゃない。こんな体験ができる本に、人生であと何冊出会えるだろう?

こういう作品を書く作家が、ノーベル文学賞を受賞するんだな。

『My Name is Red』や『Never Let Me Go』のこともあり、ノーベル文学賞ってすごいんだなと思った作品です。

繰り返しになりますが、ただ売れたとか、共感したとかだけでなく、人間の権利や、根源的な何かに訴えかける、強さや凄みのようなものが、ノーベル文学賞作家の作品にはあるなと思いました。

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おすすめ10:One Hundred Years of Solitude(百年の孤独)by Gabriel García Márquez(ガブリエル・ガルシア・マルケス)

ここがおすすめ

小説という手法で表現できることの、一つの最高到達点を体験できる。

ざっくり紹介

  • 南米コロンビア出身のノーベル文学賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスさんの代表作。
  • 舞台はコロンビアの架空の村=蜃気楼の村マコンド。ブエンディア一族の草創、繁栄、滅亡の100年を描いた。
  • ざっくりは説明できない深さと複雑さがあるので、続きの説明をお読みください。

洋書を読む時は、当然知らない単語に出会うわけですが、それをいちいち辞書で調べていたら読書スピードが落ちて、気持ちが萎えてしまいます。

なので、洋書を読むコツは、知らない単語の意味を、文脈から推測すること(アマゾンキンドルのワンタッチ辞書があれば、すぐに答えあわせできます)

とは言うものの、洋書の単語レベルはピンキリで、本書はそのレベルが高くてキツかったです。推測可能な範囲を超えていて、まるで暗号を解読しているようでした。


なぜこんな話をしたかというと、本書内の、サンスクリット語で書かれ、さらに二重の暗号がかけられた物語を解読するところが、英語を解読しようとしている自分と重なるように感じたためです。

つまり、もしかしたら、本書は、日本語よりも不自由な英語で読んだ方が、逆に、リアリティーのある読書体験ができるのかもしれないなと、一見めちゃくちゃな発想ですが、そんなことを思ったわけです。


本書の理解が難しかったのは、英語の問題の他に、①登場人物の名前が似てる、②出来事が時系列になっていない、③死んだはずの人間が普通に再登場する、といった要素もあります。

100年分の名前、時系列、生と死がぐちゃぐちゃに入り乱れて、最後は突然来る停電みたいに、突然バッサリと断ち切れて終わる。

不思議なことに、その突然に、強引さは感じませんでした。

なぜなら、物語の舞台マコンドは蜃気楼の村だから。ここでは全てが蜃気楼のように出現と消失を繰り返し、そこに実態は残らないから。

アマゾンのレビューに書いてあったように(2015年、そんなレビューがあった記憶があるのですが、今確認しに行ったら、そのレビューが消えていた?見つけられませんでした。)、小説は、特にこの物語は、読んでる瞬間にしか実態がない。であるならば、名前、時系列、生と死など、どうでもいい。全てがぐちゃぐちゃに入り乱れ、100年という期間内に同時にパッケージされる。

もちろん最後は消失して終わり。そこに実態は残らない。それが蜃気楼の村マコンド。


読了後の私には何も残ってない。ただ蜃気楼のような、微かな残像があるだけ。

書くという行為で、小説という形式で、こんなことが表現できるなんて。

作者のガブリエル・ガルシア・マルケスすごすぎる。これがノーベル文学賞作家の実力か。

英語的にも、内容的にも、最高峰の難易度ではあるけれど、得られる読書体験もまた最高峰のもの。


少なくとも英語は上級者向けで読むのが大変だと思いますが、心からおすすめできる世界文学最高峰の小説です。

私が『One Hundred Years of Solitude』を紙の本で読んだのは、今から4年も前のこと。私の英語力もあれから上がっているはずなので、いつか時間を作り、再読したいと思っています。

今度はワンタッチ辞書機能のある、アマゾンキンドルで。

▼和訳版はこちら

洋書にはAmazon Kindle(アマゾンキンドル)のワンタッチ辞書が便利

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洋書を読むときは、ワンタッチ辞書機能のあるAmazon Kindle(アマゾンキンドル)が便利です。

特にこだわりがなければ、もっとも標準的な↑のPaperwhiteモデルがおすすめです(私が使ってるのもこれです)。

他モデルとの違いなど細かなことは、アマゾン公式サイト内の比較表をご覧ください。

参考までに、当ブログの Amazon Kindle(アマゾンキンドル)レビュー記事はこちらです。

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ワンタッチ辞書が便利!アマゾンキンドルがあれば洋書が読めるようになる Amazon Kindle

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

改めまして、

あなたと本が、ともにありますように!

May The Books Be With You!

  • この記事を書いた人

K

日系企業を3年未満で退職し、外資系9年目(3社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEIC 915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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