私の趣味は読書で、英語の勉強も兼ねて、今までに100冊以上の洋書を読んできました。
一人の世界に浸れる、新しい学びがある、感動できる、ついでに英語の勉強にもなる。
本、ひいては洋書を好きになったことで、人生が豊かになったと本気で思っています。
この記事は、私のおすすめの他に、10名以上の洋書好きの方々から募ったおすすめも紹介しています。
つまりこの記事は「洋書大好き10名以上のおすすめリスト」です。
作品の概要とおすすめの理由を熱く語っていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
私は読書が趣味で、洋書は日常的に読んでいるので、新たにおすすめが見つかったときは、この記事を更新しています。
1冊読み終わり、次の洋書を探すときは、またこの記事に戻ってきて、最新のリストをチェックしてみてくださいね。
あなたと本が、ともにありますように!
May The Books Be With You!
この記事を書いた人
日本生まれ日本育ちの日本人。外資系歴10年以上、TOEICは対策なしで915(2019年)。英語学習や外資系での経験を、発信・共有しています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。
-
-
失敗しない英語学習法:基礎・独学・オンライン英会話・コーチング・アプリ x TOEIC
英語学習には、何年もの地道な努力が必要で、近道などない。 これは半分正しくて、半分間違っている、というのが私の考えです。 確かに英語学習には何年もの地道な努力が必要ですが、近道はあります。 今までに何 ...
続きを見る
これから洋書を読む方へ
洋書の選び方
1. 難易度で選ぶ
目安としては、わからない単語は1ページに5個くらいが適切かと思います。
その本に強い興味があって、どうしても読みたい場合はそれ以上でもいいんですけど、よほど強い興味がないと精神的に辛いかも。
Amazonの洋書はほぼすべて「試し読み」ができるので、購入ボタンをポチる前に、実際の中身を確認することをおすすめします。
※その他の目安に「TOEICスコア」と「Lexile指数」がありますが、私は以下の理由であまり信用していません。
2. ジャンルで選ぶ
洋書を大きく2つに大別すると、フィクション系とノンフィクション系に別れます。
フィクション系の特徴は、小説的・抽象的な表現が多いこと。つまり、読むハードルは上がりますが、より深みのある物語を味わえます。
ノンフィクション系の特徴は、実用的で直接的な言葉で書かれていること。つまり、読みやすく、現実世界でも使える表現をたくさん学べます。
どちらが良い悪いとかではないので、あなたの好みや、そのときの気分で読み分けていただければと思います。
洋書の読み方・読むコツ
1. 知らない単語を前後の文脈から推測する
どんなに英語を勉強しても、TOEIC満点になっても、知らない単語は必ずあります。
したがって、洋書を読むときは、どんな人でも、単語の意味を推測する必要性に迫られます。
推測力は練習で鍛えることができ、練習におすすめな作品は『Flowers for Algernon(アルジャーノンに花束を)』です。
その理由は、主人公の日記に誤記が多く、前後の文脈から意味を推測する練習になるためです。
本作品は、初級者向けの洋書(殿堂入り)でもおすすめしています!
-
-
初めての洋書には小説『アルジャーノンに花束を』がおすすめな5つの理由
洋書を読んでみたいけど、たくさんありすぎて、どれから読めばいいかわからない。 『アルジャーノンに花束を』って何? なぜそれがおすすめなの? この記事は、洋書が大好きで、今までに100冊以上の洋書を読ん ...
続きを見る
2. Amazon Kindleのワンタッチ辞書を使う
推測の答え合わせには、Amazon Kindleのワンタッチ辞書が最強に便利です。
文字どおりワンタッチで辞書が引けるので、読めない洋書がなくなると言っても過言ではないレベルです。
洋書を読む速度と精度が爆速でアップするので、初級者から上級者まで全員におすすめです!
-
-
Kindleの英語辞書最高!洋書多読中毒者のKindleレビュー【PaperwhiteとOasisも比較】
洋書多読は私の趣味の1つで、Kindleの英語辞書には大変お世話になっています。 もともと読書好き、英語好きだったところに、Kindleという神デバイスが加わり、完全に洋書中毒になりました。 ちなみに ...
続きを見る
洋書大好き!おすすめ80選
初級者向けのおすすめ30選

1. Klara and the Sun(2021年)
ジャンル:フィクション・小説・ベストセラー・Kindle・Audible
ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロさんの最新作。病弱な少女ジョジーとArtificial Friend (AF=人工親友)クララを中心に描かれるSF作品です。本作のテーマはAIで人間を再現できるかを問うこと。
一見難しそうな本と思うかもしれませんが、基本的な語彙ばかりで意外に読みやすいです。その理由は、AFクララの一人称語りで物語が進むからです。クララはAIロボットなので、世界を機械的に見て、処理して、語ります。結果的に、シンプルでわかりやすい言葉が多くなり、論理も明確な語りになります。
本作のキーワード「lift」について、作中での説明はないのですが、雰囲気から「病弱になり死ぬリスクが上がる代わりに各種能力が上がる遺伝子操作」といったところです。このliftは作者の独自用法なので和訳は辞書にのっていません。検索したら「向上処置」。この翻訳者さん凄いと思いました。
人間はすぐあきらめるけどクララは最後まであきらめないところ、廃棄されてもジョジーのことを想っているクララの一途さに、思わず涙腺が緩みました。
ここがおすすめ

▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

2. The Ickabog(2020年)
ジャンル:フィクション・児童書・ファンタジー・Kindle・Audible
『ハリーポッター』の著者J・K・ローリングの新作ファンタジーで、2021年The Brithish Book Awardsの最終選考に残った児童小説。英語圏の7~9歳の子供が自分で読める本ということで、英語学習中の大人の英語多読にも最適です。
世界一幸福な国コルヌコピア王国の北の辺境には、イッカボッグという怪物が住むという伝説がありました。人々はイッカボッグなんてただの伝説だと思っていましたが、王様の側近たちが自分勝手な都合でイッカボッグは本当にいると人々に信じさせようとします。
信じない人や邪魔をする人は牢獄に入れられ、豊かだったコルヌコピア王国は徐々に荒廃して行きます。嘘が嘘をよび、エスカレートする権力の濫用、人々は目に見えない恐怖を前にどのような行動に出るのか?
美しい表紙とストーリー、子ども達から募集したイラストで作られた挿絵など、子どものみならず多くの世代が楽しめる、おすすめの作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

3. No One Is Too Small to Make a Difference(2019年)
ジャンル:ノンフィクション・科学・スピーチ・ベストセラー・Kindle・Audible
スウェーデンのストックホルム出身の気候変動活動家、グレタさんのスピーチ集で、ニューヨークタイムズのベストセラーにもなりました。
グレタさんは2018年に学校ストライキを開始し、2019年には米国タイム誌のPerson of the Yearに選ばれました。スピーチの根拠はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告書で、グレタさんの個人的意見ではありません。
本作は短く、英語もシンプルで読みやすいです。内容は耳の痛い話ですが、スウェーデンという先進国からこういう若者が出てきたという事実を認識するうえで一読の価値があります。
洋書の良いところは世界を知れて視野が広がること。この本は正にその典型例だと思います。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら(英語版と1対1の翻訳本ではありません)
▼オーディブル版はこちら

4. Short Stories in English for Beginners(2018年)
ジャンル:フィクション・小説・短編集・Kindle・Audible
英語学習と読書の楽しさを両立した作品で、SFから歴史、スリラーまで、様々なジャンルの短編8つを収録。
出現頻度の高い上位1000語を含むよう初級者用にレベルを調節済みであることや、各章ごとの重要単語リスト、内容の要約、理解度クイズが、英語学習者に親切で感動しました。
先にクイズの問題を読んでから本文を読むと、TOEICのリーディング問題の練習になっておすすめです。TOEICの問題はつまらないので、このような楽しい作品で試験の練習ができるのは、本当にすばらしいと思います。
1作品あたり約20分、そのうちの1章あたり5~10分の短さなので、自分のペースで少しずつ読めます。個人的には、タイムトラベルをする『The Watch』が、初級者向けの短編とは思えないほどおもしろかったです!
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

5. Factfulness(2018年)
ジャンル:ノンフィクション・ビジネス・ベストセラー・Kindle・Audible
教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などをテーマに、世界の正しい見方をわかりやすく紹介します。
ビル・ゲイツやオバマ元大統領が以下のコメントとともに絶賛しており、アマゾンのベストセラーでも1位になりました。
ビル・ゲイツ「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」
バラック・オバマ「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」
個人的にはこの一文が刺さりました「Forming your worldview by relying on the media would be like forming your view about me by looking only at a picture of my foot. メディアに依存してあなたの世界観を形成することは、私の足の写真だけを見て私への見方を形成するようなものだ。」
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

6. Convenience Store Woman(2018年)
ジャンル:フィクション・小説・ベストセラー・Kindle・Audible
村田 沙耶香さんによる2016年の芥川賞受賞作『コンビニ人間』の英語版です。Publishers Weekly (書籍業界紙)でも星印を獲得し、欧米のメディアでも大々的に取り上げられました。有名文芸誌として知られるニューヨーカーの2018年のベストブックの1冊にも選出されています。
本作のテーマは「普通」や「常識」とは何かを問うことでしょうか。主人公の女性は30代後半で、就職や結婚もせず、長年コンビニでバイトを続けています。彼女は一般社会に馴染めず、普通になるために色々と試行錯誤をしますが、完璧にマニュアル化されたコンビニという世界の中で、機械的作業や希薄な人間関係に自身の居場所や存在価値を見つけていきます。
何が普通かは人それぞれ。自分の普通を他人に押し付けてくる人うざすぎるっていうところに共感した一方、仕事がアイデンティティーになってるところは共感できませんでした。けれどそれも人それぞれ。干渉しない、押し付けない。気をつけたいと思いました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

7. Nobu: A Memoir(2017年)
ジャンル:ノンフィクション・ビジネス・料理・Kindle
世界での評価の高さと、日本での知名度の低さのギャップが、最も大きいであろう日本人の一人、ノブ・マツヒサさんの物語です。
「NOBU」と「Matsuhisa」は世界5大陸30都市以上へ展開する日本発世界的和食レストラン。ロバート・デ・ニーロ、トム・クルーズ、ジョルジオ・アルマーニ、レオナルド・ディカプリオ、デビッド・ベッカム、マドンナなどなど、世界的なセレブ達からも愛されるグローバルレストランはいかにしてできたのか?ノブさんが綴る自伝的な半生から、その成功哲学が学べます。
個人的にNOBU TOKYOは世界一好きなレストランで、既存の枠にとらわれないクリエイティブな日本料理が最高です。まるで世界を旅しているみたいに新しい世界を見せてくれて、毎回感動しています。こんなの日本料理じゃないと言う人は、それがその人の限界なだけなのだと思います。
ちなみに、NOBU TOKYOは高級店なので頻繁には行けませんが、ディズニーランドに1回行くのとお値段はそんなに変わりません。ただ美味しいだけじゃなく、視野が広がると言うか、この世界に存在してるのにまだ知らなかった未知の扉を開けてもらえるような体験ができます!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
8. Ban This Book(2017年)
ジャンル:フィクション・児童書・感動・Kindle
ある日、本好きの少女Amy Anne(9才)が学校の図書館に行くと、お気に入りの本が棚から消えていました。なんとクラスメイトのママによって、子供が読むには内容が不適切とされ、図書館の禁書リスト入りとなってしまったのです。
Amy Anneは他の生徒の協力も得て、禁止されている本を集め、学校のロッカーで the B.B.L.L. (the Banned Books Locker Library)を始めます。子供達の発想や行動力に感心しワクワクさせられた一方、学校にバレるに決まっているわけで・・・子供達vsCensorship(検閲)の戦いはどんな結末を迎えるのか?
好きな本を禁止されてしまったAmy Anneの気持ちを思うと、同じ本好きとしてとても心が痛みます。本好きの方には刺さる設定、展開だと思います。私はまんまとハマってしまいました。
Amy Anneや子どもたちがかわいくて、おもしろくて、笑ってしまうシーンも多く、初級者から上級者まで楽しめる作品です。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
※オーディブル版はありません
9. The Paper Menagerie and Other Stories(2016年)
ジャンル:フィクション・小説・SF・感動・アジア文化・Kindle・Audible
世界で注目される作家ケン・リュウさんのSF短編集です。ネビュラ賞、ヒューゴー賞、世界幻想文学大賞の三大SF賞を受賞した表題作をはじめ、バラエティに富んだ物語が楽しめます。
洋書を読む目的は色々あると思いますが、海外の文化へ直に触れられるという部分も大きいのではないでしょうか?その意味で言うと、この本は少し違います。読み進めていく内に不思議と自分のことを見つめ直しているような感覚になりました。
作者のケン・リュウさんは中国で生まれ、子どもの頃アメリカに移住し英語で小説を書いている方です。この短編集の中では中国や日本の文化、漢字が多く取り上げられています。その書き方があまりに繊細かつリアルで、ふと「そうだ、私の考え方や物の受け取り方の背景にはこういう文化・慣習があったんだ」と感じることが多くありました。
近未来等のSF的な設定と英語で書かれているおかげもあってか、少し遠くから改めて自分たちの文化や背景を認識することができたように思います。普遍的な家族愛や思いやりの心にも感動できる、おすすめの1冊です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

10. Wonder(2013年)
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle
アマゾンのベストセラー1位、約30ヶ国語に翻訳され(映画化もされ)、世界中でWonder旋風を巻き起こした、スーパーベストセラーです。
主人公のオギーは遺伝性疾患で人とは違う顔に生まれ、顔の手術を27回経験しています。小学5年生になった時、勇気を出して学校にデビューしますが、人とは違う顔が原因でいじめにあってしまいます。しかしオギーは、家族の愛情や友達の友情を支えに、困難を乗り越えて行きます。
主人公のオギーはもちろん、オギーの父、母、姉、学校の先生や友達、すべての登場人物に味があるところがすばらしい作品です。誰が読んでも必ず誰かに共感でき、各登場人物の視点や感情が語られることで物語に深みが出ています。
映画版も良いのですが、映画だとオギー以外の登場人物にスポットが当たるシーンがカットされているので、できればこちらの洋書版がおすすめ。
「全軍躍動」とは正にこのことと言えるくらい、登場人物の全員がそれぞれの個性を発揮していて、本当にすばらしい作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません

11. Who Moved My Cheese?
ジャンル:フィクション・ビジネス・ベストセラー・Kindle・Audible
短く、おとぎ話風で、読みやすいこと、また、英語もそこまで難しくないことから、洋書デビューのど定番中のど定番的な作品。全世界で3000万部近く売れている大ベストセラーでもあります。
2匹のネズミと2人の小人がチーズを求めて迷路の中を探し回ります。チーズは私たちが人生で求めているものの比喩で、迷路は世界や社会など私たちがいる環境の比喩です。ある日、チーズがなくなった(環境が変化した)とき、彼らはどのような行動をとるのでしょうか?
この一行が有名です。「What would you do if you weren’t afraid? もし怖くなかったら、どうする?」
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

12. The Little Prince
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
こちらも短く、語彙も簡単で、内容が深いため、洋書デビューのど定番中のど定番的作品。全世界で1億4千万部以上売れている超ベストセラーでもあります。
主人公の僕はサハラ砂漠に不時着した飛行士です。ある日、星の王子さまが、6つの星を旅した後で、サハラ砂漠にやって来ます。王子さまの話を聞き一緒に時間を過ごす中で、僕にとって王子さまがかけがえのない存在になって行きますが、やがて別れの時がやってきます。
ちなみに、王子さまが旅した6つの星は、人が人生で溺れがちなものを象徴しています。
- 王様の星(権力)
- 大物気取りの男の星(人気)
- 酒びたりの男の星(快楽)
- 実業家の星(金)
- 規則に従うガス点灯人の星(労働)
- 地理学者の星(学問)
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

13. How Starbucks Saved My Life
ジャンル:ノンフィクション・仕事・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
エリート育ちで一流企業勤めの男性が、60代を前に突然会社をクビになった実話です。かつては傲慢な性格で、スターバックスの仕事を見下していたという筆者は、お金のためにスターバックスで働き始めます。予想外なことに、筆者はスターバックスで、本当の幸せを見つけることになりました。彼を変えることとなったスターバックスの働き方とは?
初級者向けの洋書を探しているけど、子供向けの本はイヤという人におすすめです。仕事や職場のことを考えさせられる深さや、ほっこり感動できる内容が、わかりやすい英語で書かれています。
スターバックスの宣伝?という疑いで、読まず嫌いするにはもったいない、感動の全米ベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

14. 50 Things Every Young Gentleman/Lady Should Know
ジャンル:一般常識・教養・ベストセラー・Kindle・Audible
紳士/淑女として知っておくべき50のことについて、やるべきこと、すべきでないこと、その理由を示した本です。アメリカで創業された世界最古の紳士服ブランドで、歴代の大統領にも愛されているブルックス・ブラザーズともコラボしているシリーズで、アマゾンベストセラーも第1位になりました。
平易な英語かつ短いページ数(約200ページ)で、紳士/淑女のたしなみを学べます。子供へのプレゼントとしてだけでなく、大人用、自分用としてもおすすめ。ブルックス・ブラザーズでも売っている本です。
自分にできていること、できていなかったことを確認でき、自分を客観視することの助けになりました(私は靴を磨こうと思いました)。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら


15. JUDY MOODY WAS IN A MOOD
ジャンル:フィクション・児童書・Kindle・Audible
アメリカの子供たちに大人気のJUDY MOODYシリーズの第1作目。
主人公のJudy はアメリカの小学3年生で、優しい両親・ちょっと生意気な弟・猫と暮らしている気分屋さんです。本作ではJudy の学校と家庭での出来事が描かれます。
日常生活で使う英語が盛りだくさんなので、生きた英語(特に会話)とアメリカ文化の両方を学ぶことができます。中でも子どもたちが英単語の綴りに苦しむ様子は、アメリカならではです(アメリカではSpelling bee というスペリングコンテストが盛んです)。
2011年には『Judy Moody And The Not Bummer Summer』のタイトルで映画化もされました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

16. Diary Of A Wimpy Kid
ジャンル:フィクション・児童書・Kindle・Audible
中学生男子・グレッグの日常が書かれた日記です。グレッグの学校生活・家庭での生活が書かれており、自分の子供時代を思い出して、あるある!と笑えます。
この本で使われている単語は初級レベルだと思いますが、教科書では学べない生きた英語に触れられる良書です。私も今まで出会ったことのないたくさんの表現や単語に出会いました。内容も気楽に楽しめますし、全てのページに絵が描かれているので、内容の理解を助けてくれます。
学校での出来事が多く書かれているので、アメリカの学校生活がどんなものかを垣間見れるのも魅力です(席の決め方など)。 オーディブル版もおすすめで、ペンで日記を書き込む音や、様々な効果音が満載で、飽きずに楽しめます!
全世界45の言語に翻訳され、世界の売上は2400万部、現在までに4度映画化されている大人気作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

17. iWoz: Computer Geek to Cult Icon
ジャンル:ノンフィクション・ビジネス・テクノロジー・Kindle・Audible
アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアクの自伝。平易な英語で書かれているので、初級者向けの中でも特に読みやすい本です。
アップルと言えばスティーブ・ジョブズが有名ですが、ジョブズは表舞台担当。裏でコードを書き、世界を変えるマシンを生み出したのは、こちらのスティーブ・ウォズニアクでした。アップルの物語を天才エンジニア、ウォズの視点で追体験できます。
この一行で天才ってかっこいいと思いました「Artists work best alone. Work alone.芸術家は一人の時に最高の仕事をする。一人でやれ。」
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
18. The Moomins and the Great Flood
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle
みんな大好きムーミンのシリーズ第1作目。ムーミンのすべてはここから始まった、Where It All Beganな作品です。
ムーミンとママが行方不明のパパを探す物語です。冒険の途中、ムーミンとママは様々な生きものと出会い、助けてあげたり、助けてもらったり。ムーミンとママは、パパと再会できるのでしょうか?
ムーミンたちの挿絵にも要注目です。なんと初期ムーミンは、みんなが知っている、あのかわいいムーミンとは微妙に違うんです。かわいくないところが、逆にかわいくて、キュン死しそうになりました!(笑)
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
19. A Bear Called Paddington
ジャンル:フィクション・児童書・ベストセラー・Kindle
『くまのパディントン』シリーズは10作品以上が出版されており、イギリス児童文学の人気作品のひとつ。こちらも世界で約3000万部売り上げているスーパーベストセラーです。
主人公はペルーからロンドンにやって来たくまのパディントン。イギリスの作品だからか、とても紳士的なくまです。このパディントンの目を通して、イギリスの暮らしや社会を垣間見ることができるほか、イギリスの英語表現にも触れられます。ロンドンを舞台にドタバタやるパディントンがかわいすぎて、何度もキュン死しそうになります(笑)
絵本を含めて日本語訳がたくさんある作品なので、洋書初級者でも読み始めやすいです。大ヒット映画『パディントン』、『パディントン2』もあるので、読了後の楽しみも広がる作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
20. The Complete Peanuts Vol. 1 (Snoopyシリーズ)
ジャンル:フィクション・ベストセラー・コミック・Kindle・Audible
あのSnoopyが登場する、全世界で4億部越えの大ヒットコミックの原作。
Snoopyは可愛らしい外見に反して、原作では女の子好き、食いしん坊、変装好き、などなど人間顔負けの濃いキャラクターが楽しめます。飼い主のCharlie Brown他、Sally Brown、Marcie、Linus等の個性的なキャラも勢ぞろいしています。
Snoopyは、可愛らしい外見の割に皮肉屋で、飼い主であるCharlie Brownの名前すら覚えていない始末。態度は横柄だし、すぐに妄想するし、食いしん坊だし…。しかし、その奔放な姿からは人生(犬生?)を気楽に、かつ最大限に楽しむ様子が見えます。くすっと笑えるシーンの中に、なかなか深いセリフもちりばめられています。
ここがおすすめ
※和訳版とオーディブル版はありません
21. FROZEN FEVER
ジャンル:フィクション・ディズニー・児童書
大ヒット映画『アナと雪の女王』の続編短編映画『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』を元に書かれた作品。
アレンデール王国のエルサ女王とアナ王女は仲の良い姉妹です。妹のアナ王女の誕生日を前に、エルサ女王は本人に内緒で誕生日パーティーを計画。友人のクリストフとスヴェン、オラフたちもみんながアナ王女をお祝いしようと頑張ります。
本人に見つからないように誕生日の準備を進めるエルサ女王やクリストフたちの様子など、誕生日を迎える前のみんなの行動や心情がわかり、映画の内容をより深く理解できます。
『アナと雪の女王』のシリーズは、この作品以外にもたくさんの洋書が発売されています。子供向けの読みやすい作品が多く、読書としてはもちろん、語学学習が目的で初めて洋書を読む方も手にとりやすい点がおすすめです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
22. The Lion, the Witch, and the Wardrobe: The Chronicles of Narnia
ジャンル:フィクション・小説・児童書・ベストセラー・Kindle・Audible
『The Lord of the Rings(指輪物語)』『Tales from Earthsea(ゲド戦記)』と並び、世界3大ファンタジー小説の1つに数えられる『The Chronicles of Narnia(ナルニア国ものがたり)』の第1巻。
疎開で地方の古屋敷にやってきた4人の兄弟姉妹が洋服ダンスの中から異世界に迷い込むファンタジーです。悪い魔女に支配されているナルニア国を救うため、子どもたちが正義のライオン「アスラン」とともに戦います。兄弟姉妹の性格や役割の違いに要注目です。
日常の一部(洋服ダンス)が異世界に繋がっている…というワクワクする設定から始まり、やがて正義と悪の戦いに巻き込まれていくスリリングな展開になる、ファンタジーの王道ストーリーが楽しめます。
本シリーズ累計の売上げは1億部以上で、2005年にはハリウッドで映画化もされました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら
23. The Curious Incident of the Dog in the Night-Time
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・Kindle・Audible
シャーロック・ホームズが好きな自閉症の15歳の少年クリストファーの一人称で進んでいく異色のミステリー。英国でウィットブレット賞、ガーディアン賞を受賞し、日本でも産経児童出版賞大賞を取った名作です。
ある日、近所の飼い犬が真夜中に殺されるという事件が発生し、その犯人を追っていく中で様々な真実が明らかになります。英国では児童書としてだけでなく、大人版としても出版され、ただの犯人当てではないヒューマンドラマになっています。
数学に特化した才能を持つ主人公なので、複雑なパズルや大学入試のような問題が挿入されますが、これは物語上の演出なので、読み飛ばしても特に本筋に影響はありません。逆に、論理パズルが好き、理系の人には一層おもしろく感じられるでしょう。
冒頭の犬殺しは表のテーマにすぎず、徐々に真の「謎」が現れていく演出にもびっくりします!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

24. Rich Dad Poor Dad
ジャンル:ビジネス・ベストセラー・Kindle・Audible
「金持ち父さん 貧乏父さん」の英語原書。初版から20年以上、50ヶ国語以上、100ヶ国以上で読み続けられているお金の教科書です。
終身雇用神話が崩壊した今、若い人はもちろん、大人も読んでおきたい本。平易な英語で書かれているので、洋書入門としてもおすすめ。私はこの一行が好きです「I’d rather welcome change than cling to the past. 私は過去に固執するよりも、むしろ変化を歓迎したい。」
シリーズ累計4000万部以上を売り上げているスーパーベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

25. Born on a Blue Day
ジャンル:ノンフィクション・脳・科学・Kindle
円周率22,500桁を暗唱し、10ヵ国語を操る、サヴァン症候群を有する筆者の手記。
サヴァン症候群患者は、アスペルガー症候群でありながら、数字や言語に突出した能力を持つことが多いそうです。サヴァン症候群によって失ったものと得たものとは?
数字が色と形で見える共感覚について、天才に見えている世界の片鱗を垣間見ることができます。筆者の誠実かつ優しい語り口と、人間の脳が持つ凄まじい可能性に感動しました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
26. Holes
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle
アメリカに、うっかり豚泥棒になってしまったひいひいじいさんの代から、ずっとツイていない家系があります。主人公の男子中学生スタンリーも例に漏れず、無実の罪で少年更生キャンプ送りになってしまいます。キャンプの服役生は毎日1つ大きな穴を掘らされ、建前は人格形成のためと言うけれど、本当の理由とは?
一家は不運が起こるたびに「あんぽんたんのへっぽこりんの豚泥棒のひいひいじいさん(no-good-dirty-rotten-pig-stealing-great-great-grandfather)」のせいにします(笑)
そんなマイナスのスタンリーは、矯正キャンプでもう一人のマイナス、頭が空っぽで、みんなにバカにされ、何も話さない、ゼロと親しくなります。マイナス×マイナスがプラスになるように、一人ずつではマイナスでも、二人が出会えたことはプラス。そう思える二人の友情と、不運が幸運に変わる大どんでん返しが気持ちいい作品です。
アマゾンのベストセラー第1位で、全米図書賞(児童文学部門)やニューベリー賞(アメリカで最も優れた児童文学の著者に与えられる賞)を受賞、ディズニーに映画化もされています。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
27. The Giver
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
近未来ディストピア小説といえば、ジョージ・オーウェルの『1984』が有名ですが、英語の難易度的に洋書初級者にはおすすめできません(上級者向けでおすすめしてます)。しかし、洋書初級者でも十分に読めて、楽しめる近未来ディストピア小説が、この『The Giver』です。
『The Giver』は児童向けとして一括りにするにはもったいないほど内容が深く、大人の私も本当に考えさせられました。例えば、舞台となるコミュニティーには色がありません(人々は色という概念を知らない)。色を知ると、肌の色の違いに気づき、差別につながる恐れがあるからです。
生活は保障されていますが、飛び抜けた金持ちも貧乏もいません。仕事も保障されているけれど、職業選択の自由はなく、コミュニティーの委員会に職業を任命されます。悲しみも失敗もないけれど、喜びも成功もありません。
マイナスがあるからプラスがある。マイナスを恐れてマイナスを排除するということは、プラスもなくなってしまうということ。人間や人生の核心をつく「コミュニティー」の設定が秀逸で、作者の発想とフィクションが持つ力に感銘を受けました。
アマゾンのベストセラーで第1位、アメリカの児童文学賞も受賞し、映画化もされています。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

28. Jonathan Livingston Seagull
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
かもめは群れをなし食べ物を確保するために飛びますが、主人公のジョナサンは毎日一人で飛行練習に明け暮れます。しかし、群れのルールを逸脱していたジョナサンは、規律を乱す危険分子と見なされ、群れを追放されてしまいます。ジョナサンはそれでも飛行訓練を辞めません。そして、2羽の光り輝くかもめが現れます。
よく「生き残るために、ナンタラカンタラ」みたいなことを言いますが、私はそういう話があまり好きではありません。なぜなら、別に生き残るために生きてるわけではないからです。ただ生きるだけなら、動物と同じ(こう言っては動物に失礼になってしまいますが)。
こう思っている私としては、ジョナサンには非常に共感してしまいます。と言っても、私にも生活があり、私も群れの中の一羽にすぎないのが現実なのですが、ジョナサンへの憧れは無くしたくないと思っています。
ニューヨークタイムズベストセラーリストの第一位を38週も維持し、世界で累計4千万部以上売れている世界文学史上に残る名作です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

29. The Alchemist
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
スペインで羊飼いをしている少年が、エジプトのピラミッドに宝物があるという不思議な夢を見ます。このまま羊飼い(現実)を続けるか、夢を信じて旅に出るか。少年は心の声に従って、後者を選択します。
Alchemy(錬金術)は金をつくることと思われがちですが、広義には「1つのものがより良いものに変わること」を意味します。つまり、錬金はAlchemyの一例でしかなく、Alchemy(何かがより良いものに変わること)自体は可能なんです。本当は可能なのに、やる前から不可能と決めつけることの象徴として「Alchemy」はぴったりだと気づいたとき、私は衝撃を受けました。
実際に鉛が金になることはありません。そんなことはわかっています。でも、フィクションならそれを書けるし、それに意味を持たすことができます。この作品でフィクションが持つ力を感じてください。私はこの一行が刺さりました「I wanted to show you that it was possible. わしはできるということをおまえに見せたかったのだよ。」
世界で累計1億5千万部売れている超ベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

30. Flowers for Algernon
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
アルジャーノンは、脳手術の動物実験で天才になったマウスです。主人公のチャーリィ・ゴードンは、知的障害を持ち、人間として初めてその脳手術を受けることになります。脳手術で突然天才になったアルジャーノンとチャーリィ。脳手術の効果と副作用とは?
個人的には以下の理由で、洋書初級者におすすめしたい作品のナンバーワンです。
- 主人公に知的障害がある設定のため、単語と文章がシンプルでわかりやすい。
- 主人公の日記に誤記が多いため、前後の文脈から意味を推測する練習になる。
- 主人公の誤記から、間違ってもいい場所がわかる(間違ってはいけない場所もわかる)。
- 物語の力に引っ張られ、多少わからない部分があっても、早く次を読みたくなる。
- 細部まで100%理解できなくても感動できる、という体験ができる。
世界中にファンを持つ世界的ベストセラーで、宇多田ヒカルさんが作者ダニエル・キイスさんと対談したことも話題になりました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

中級者向けのおすすめ30選

1. Reminders of Him(2022年)
ジャンル:フィクション・小説・恋愛・Kindle・Audible
作者のコリーン・フーヴァーさんは、自費出版作品がニューヨークタイムズ誌のベストセラーリスト入りし、2020年にはTikTokでもバズり、近年のベストセラーリストを席巻している、今が旬の超スター作家。本作は彼女の2022年最新作(5月時点)で、英語も平易で読みやすい作品です(レベルは中の下くらい)。
本作のテーマは許し=forgiveness。飲酒運転の事故で彼(Scotty)を死なせてしまったKennaと、彼の親友Ledgerの目線で、交互に話が進みます。事故当時Kennaは妊娠しており、刑務所でScottyの子(Diem)を出産。親権はScottyの両親に渡り、Ledgerとの3人にDiemは育てられます。
そこに5年の刑期を終えたKennaが、せめてDiemに会いたいと願い、街に戻ってきます。KennaとLedgerはお互いに誰かを知らないまま恋愛感情を抱きますが、お互いの背景を知った途端、好きだけど嫌いという関係になります。KennaにとってLedgerは子どもに会うのを妨害してくる敵。LedgerにとってKennaは親友を殺した敵。Scottyの両親もKennaを憎んでいて、KennaをDiemに近づけようとしません。彼らはKennaを許すのか?KennaはDiemに会えるのか?
最初はそんな都合のいい設定あるかよってつっこみましたが、そこが良いのだとすぐ思い直しました。宇宙での実験のように、特殊な環境だからこそわかることがあるわけで、そこが小説の良いところだと思います。しかも、最初は特殊と思っていた設定が、読み進めていくうちに、自分の人生もどこかで運が悪ければこうなっていたかもしれないと、自分事のように感じられたのは驚きました。伏線回収も見事で、細かな設定がズバズバはまっていく展開には本当にうなりました。
普通に考えれば絶対にKennaを許せないですが、彼女の人生の最悪だった瞬間だけを切り取り、彼女という人間をjudgeし続けていいのか?事故前までの彼女の生い立ちは?事故の日に本当は何が起こっていた?事故後の彼女はどんな思いで生きていた?これらを知った後で再考すると、一概に彼女を全否定することはできませんでした。
憎しみから許しへ、今をときめくスター作家がどんな橋をかけるのか?私はそこに注目して読みました。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

2. At the End of the Matinee(2021年)
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
平野啓一郎さんのベストセラー『マチネの終わりに』の英語版。福山雅治さん主演の映画版がヒットしたことも記憶に新しいです。
主人公の蒔野(Makino)は38歳の天才クラシックギタリスト、洋子(Yoko)は40歳のジャーナリストです。この2人が蒔野のコンサート後に出会い、互いに惹かれあって行きます。途中でとんでもない妨害が入るのですが、私は信じられなくて2回読み直しました(笑)
本作のテーマは「The future changes the past」。過去に起こった事実は変えられないけれど、過去が持つ意味は未来から変えることができる。人生思い通りに行く方が少ないわけで、多くの人を救う力のある作品だと思います(私も救われました)。
洋書好き(海外好き?)にとって、東京、パリ、バグダッド、ニューヨークなど舞台が様々変わる点も、楽しめる設定だと思います。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

3. Die With Zero(2020年)
ジャンル:お金・時間・健康・人生設計・Kindle
イソップ寓話のアリとキリギリスは、倹約と享楽を対比し、倹約の重要性を説きますが、アリはいつ人生を楽しむのでしょうか?
オーストラリアの看護師が末期患者の後悔をまとめた『Top Five Regrets of the Dying (Amazon)』によると、そのうち2つは「もっと自分らしく生きればよかった」「あんなに働かなければよかった」。
予想より長生きしてしまったら?子供への遺産は?私は仕事が好き!など、よくある否定的意見を、本書は論理的かつ合理的に解決します。
死ぬときに余ったお金は、人生の無駄が数値化されたもの。適切に稼ぎ、適切に使い、人生の充実度を最大化しよう。最近の私に最も刺さった本で、人生を後悔したくない人におすすめです。
ここがおすすめ

▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

4. Kim Jiyoung, Born 1982(2020年)
ジャンル:フィクション、ノンフィクション、社会問題・女性・ベストセラー・Kindle・Audible
韓国の女性が受ける性差別を、統計データを引用しながら描いた作品。韓国で社会現象を巻き起こし、世界的ベストセラーにもなりました。
キム・ジヨンは1982年生まれの女性に最も多い名前で、いわば一般女性代表。彼女はその人生を通じて一体どんな差別を受けるのか?
筆者はテレビの放送作家として社会派ドキュメンタリー番組などを10年間担当していた経歴があります。厳密にはフィクションなのかもしれませんが、実際の内容からはノンフィクション的な印象も強く受ける作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

5. Top Five Regrets of the Dying(2019年)
ジャンル:ノンフィクション・感動・ベストセラー・Kindle
オーストラリアの緩和ケア看護師さんが、死ぬ前の人間が語る後悔をまとめた本です。オーストラリアのブログ発で、世界中で大ヒットするベストセラーとなりました。
もっと自分に正直に生きればよかったとか、あんなに働かなきゃよかったとか、結論自体は一時期ネットでバズっていたので知っている人もいるかもしれません。本作には、結論だけでは知り得ない、過程の話が記されています。
筆者はもともと銀行で週5勤務だったところ、それが嫌で退職し、ヒッチハイクで旅したり、海外含めノマド的な生活をします。仕事は住み込みでできるパブや畜産農家を経て、緩和ケアの看護師に。筆者の人生がかなり特殊で、また、各エピソードにリアリティーがあり、最初から最後まで引き込まれました。
人生計画通りということはあまりなくて、ガンガン行動した結果、自分に合った仕事に巡り会えたというストーリーは、転職を考える人に参考になると思います。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
6. How to American(2018年)
ジャンル:ノンフィクション・コメディー・異文化・移住・Kindle・Audible
海外ドラマ『シリコンバレー』や映画『Crazy Rich Asians』への出演で有名な、スタンダップコメディアン・俳優、ジミー・O・ヤンの自伝。
ジミー・O・ヤンの両親は中国の上海出身で香港に移住しました。ジミーはその香港で生まれ13歳の時に家族でアメリカに移住します。10代前半という多感な時期にアメリカに移住し、適応することの難しさや、アメリカ文化と中国文化の違いがおもしろおかしく語られます。
さすがスタンダップコメディアンだけあって、惜しみなく散りばめられたユーモアが最高におもしろいです。
「The most important values in American culture are independence and freedom. The most important values in Chinese culture are family and obedience. アメリカ文化で最も重要な価値は独立と自由だ。中国文化で最も重要な価値は家族と従順だ。」の2文は、とても勉強になりました。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

7. Normal People(2018年)
ジャンル:フィクション・ラブストーリー・青春・Kindle・Audible
出版当時20代の若い著者が紡ぐ切ないラブストーリーで、ブッカー賞ロングリスト入りかつBBCでドラマ化もされたベストセラー小説です。
「Normal=ふつう」とは不安定なものです。マリアンは高校では裕福な家の出で、頭も良いのに人付き合いが下手なせいで「変わった子」として扱われます。ところが大学へ進むとマリアンくらい裕福な家庭も頭の良い子も、大勢いる「ふつうの子」になります。
それでも、家族から虐待を受け、高校で独りだったマリアンは自己肯定感が非常に低くなっていました。大学で友だちに囲まれていようがマリアンはどこか孤独を感じていたのでしょう。自分が「ふつうの人」になれれば愛されるのではないか、生きるのに苦しむこともないのではと思い悩みます。
この孤独感や絶望感の描写がとても切なく、大人になるにつれ忘れていた気持ちを思い出させてくれました。自分ではない何者かになりたい、誰かに自分を完全に理解してほしい。それを諦めるのが大人になることだと、半ば見ないようにしてきた気持ちでした。
一方で、どこか突き放した文章で綴られているのが印象的です。感情に寄り過ぎず客観的に描くことで、むしろ読者はマリアンの気持ちに自然と共感できるように思いました。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

8. Everybody Lies(2017年)
ジャンル:ビジネス・テクノロジー・ビッグデータ・ベストセラー・Kindle・Audible
元グーグルのデータサイエンティストによるニューヨークタイムズベストセラーです。
他人に良く見られたいという思いから、人はSNSやアンケートで嘘をつきますが、グーグルの検索ボックスにだけは真実を入力します。ビッグデータが暴く、社会の、人間の闇とは?人種差別、性的な悩み、名門校入学の効果など、倫理的、直感的に受け入れにくい説も、科学的に覆して行きます。
かつてポパーは科学の必要条件を反証可能性とし、フロイトの精神分析を反証不可能(科学ではない)と否定しました。ビッグデータにより、フロイトの精神分析は反証され(科学だった)、間違っていることが示されます。
世界的ベストセラー『ヤバい経済学(Freakonomics)』(2007年)にはいくつかの間違いがあり、入手可能なデータも限られていましたが、今なら膨大なデータがあり、未開拓の領域も解析できます。
過去の常識や人間の思い込みに対し、データを根拠に科学的に臨む姿勢に共感できました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら
9. The Queen’s Gambit(2016年)
ジャンル:フィクション・小説・ドラマ・Kindle・Audible
Netflixで大ヒットしたドラマの原作本(表紙がかっこいい!)原作は1983年発表の小説で、1950年代冷戦期を舞台にした、チェスの天才少女の物語です(2016年にリバイバルヒット)。クイーンズ・ギャンビットとはチェスの序盤戦法のことです(キングズ・ギャンビットもあります)。
チェスのルールや動きを知らなくても、問題なく楽しめるのでご安心ください(私もそうでした)。ベスの心情は、ドラマでは俳優の表情で表現していましたが、こちらの原作では言葉で表現されています。
主人公のベスは、幼い頃から児童養護施設で育ち、後に養子として引き取られます。施設には馴染めませんでしたが、黒人の同級生ジョリーンと親友になり、用務員からチェスを習います。ベスはチェスの天才少女として各大会で勝ちまくります。
しかし、チェス先進国ロシアのボルゴフに敗れ、前々からの薬物やアルコールへの依存症に落ちて行きます。そんなベスでしたが、親友ジョリーンやチェス仲間のサポートでなんとか立ち直り、ロシアのモスクワへ向かい、再び世界最強のボルゴフに挑んで行きます。
児童養護施設、薬物/アルコール依存症といった社会問題に加え、チェスは男性がするものという性差別にも一石を投じる社会性のある作品でもあります。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

10. Born a Crime(2016年)
ジャンル:ノンフィクション・ユーモア・エッセイ・ベストセラー・Kindle・Audible
アメリカの人気風刺番組『ザ・デイリー・ショー』のホストをつとめる、ガチのスーパースター、トレバー・ノアさんの南アフリカ時代の自伝です。
タイトルのBorn a Crimeは、アパルトヘイト下で、白人の父と黒人の母の間に、違法な子供として生まれたことを指します。政府の目から隠れて暮らした日々、不条理な差別と命の危機、悪友たちとの万引きや闇商売、モテなかった学生時代、母の離婚と再婚、義父のDVなどなど。
一見引いてしまう内容ですが、さすがはトップコメディアン、様々な逆境をユーモアを交えて綴って行くので、何度もお腹を抱えて笑えるほどおもしろい作品です。
特に刺さったのはラストシーン、DV夫に銃で撃たれた母が放ったユーモアです。これには震えました。母強すぎ。おもしろいを超えた、震える笑いを体験したのはこの本が初めてでした。
本書はあのビル・ゲイツも絶賛していて、2017年「夏のおすすめ5冊」にも選出されています。アマゾンでもニューヨークタイムズでも両方ベストセラー1位になったスーパーベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら


11. The Devil Wears Prada
ジャンル:フィクション・ファッション・映画・Kindle・Audible
アン・ハサウェイ主演で大ヒットした映画の原作本。
ジャーナリスト志望の主人公アンドレアが、悪魔のように厳しい、ファッション誌のカリスマ編集長の下で奮闘する物語です。「100万人の女の子が死ぬほどやりたい仕事」「ここで1年耐えれば経歴に箔がつく」という理由で、アンドレアは興味のないファッション業界で働き始めます。
しかし、上司ミランダの無茶振り(明らかにパワハラ)により、ワークライフバランスとメンタルがズタボロに。そして、恋人、親友、家族との関係が悪化してゆく中でのパリ出張。ついにアンドレアはブチ切れます。
ストレスで壊れていくアンドレアの描写が、初期のクスッと笑えるレベルから、徐々に深刻化していくところは、映画版にはない緊迫感がありました。いくら将来のためとは言え、好きでもない仕事に耐え続けると人間壊れてしまうのだなと、キャリアを考えるうえでも参考になりました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

12. The Never Ending Story
ジャンル:フィクション・小説・ファンタジー・感動・ベストセラー・Kindle
ドイツの国民的作家ミヒャエル・エンデによるファンタジー小説。
肥満で運動音痴でいじめられっ子のバスチアンは、ある日、古本屋で『はてしない物語』という本に出会います。その本の中では、ファンタージエン(人間の夢が生み出した世界)が虚無に覆い尽くされようとしていました。バスチアンは本の世界に入り、崩壊してしまったファンタージエンを再建して行きます。
エンデは『エンデの遺言(アマゾン)』の中で次のように書いています「ファンタジーとは現実から逃避したり、おとぎの国で空想的な冒険をすることではありません。ファンタジーによって、私たちはまだ見えない、将来起こる物事を眼前に思い浮かべることができるのです。」
ファンタージエンの危機とは、経済的合理性を追求するあまり、想像することを忘れてしまった、現代人への警鐘なのだと思います。大切に読み継いで行きたい名作中の名作であり、全人類の宝と言っても過言ではない世界文学の重要作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
13. Me Before You
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
主人公のルーはイギリスの田舎町に暮らす26歳の女性。失業をきっかけに6ヶ月限定の介護職に就きます。ルーの担当は元実業家で大富豪の青年ウィル。脊髄損傷による四肢麻痺を理由に、6ヶ月後に安楽死することを決意しています。2人は徐々に惹かれ合いますが、ウィルの決意は変わりそうにありません。ルーは期限内にウィルを変えることができるのでしょうか?
障害を理由に尊厳死を望むウィルと、その考えを変えようとするルー。死にたいvs生きてほしい、という対比構造が上手い設定です。五体満足側が諭す側かと思いきや、逆に教えられる展開も胸に刺さります。私は感動して泣きました。
その他にも、友情、愛情、姉妹の関係、親との関係、人間的成長、障害、尊厳死など、様々な要素が物語に深みを与えています。尊厳死が合法なスイスは真の先進国だと思いました。
ニューヨークタイムズベストセラーリストの第1位も獲得し、映画化もされたスーパーベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

14. The Kite Runner
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
出版は2003年のアメリカで、当時のアフガニスタン情勢もあり、時代とのタイミングはバッチリ。アフガニスタン出身の作家だからこそ書けるこの作品は、多くの人の心に刺さり、ニューヨークタイムズ誌のベストセラーリストでNo.1を獲得。その後も2年間ずっと同リストに残り続け、アメリカだけで800万部が売れ、世界中でも大ヒットしました(映画化もされました)。
本作には、主人公のアミールが、友人のハッサンがいじめられている現場を見て見ぬ振りをする場面があります。作者のホッセイニさんがインタビューで「そのシーンは、タリバンに苦しむアフガニスタンを見て見ぬ振りをする、国際社会に対する皮肉だ。」と言っているのを聞いたとき、ドキっとしたのを良く覚えています。
「For you, a thousands times over. 君のためなら千回でも。」この台詞は日本語版の小説及び映画の邦題にもなり、本作の中では二回登場する重要な一行です。これだけだと、何のことかわからないと思いますが、一回目のシーンが良い前振りとなり、二回目のシーンでは涙腺崩壊。「全米が泣いた」「全世界が泣いた」を地で行く感動の物語です。
アフガニスタンという自分にない視点をくれて、なおかつ泣くほど感動できた体験は、私が洋書および世界文学にハマって行く過程において、とても大きな影響を受けました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

15. The Da Vinci Code
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・サスペンス・ベストセラー・Kindle・Audible
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を聖杯伝説と結びつけたミステリー・サスペンス小説です。
聖杯伝説とは、処女マリアから生まれた神の子キリストは実は人間で、結婚して子孫を残し、その血脈は現在も続いている(聖杯とは磔刑時にキリストの血を受けたものとされていたが、実は女性の子宮のことだった、その女性とは娼婦マグダラのマリアだった)というもの。教会の権力はいつの世も絶大で、聖杯伝説を声高に叫ぶことはできなかったが、レオナルドは『最後の晩餐』の中で聖杯伝説を暗号として残していた。
聖杯伝説の真偽は別として、ミステリーの題材としてはとても興味深かったです。知的好奇心が刺激されページをどんどんめくりました。少なくともその意味において、筆者のダン・ブラウンは見事だと思います。
全世界で8,000万部以上売れている超ベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

16. Murder on the Orient Express
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・ベストセラー・Kindle・Audible
ミステリーの女王アガサ・クリスティの代表作かつ、映画化、ドラマ化多数の大人気作品。ベルギー人の名探偵「エルキュール・ポアロ」シリーズの8作目です。
イスタンブール(トルコ)発カレー(フランス)行きのオリエント急行は、オフシーズンにもかかわらず、なぜか満席となっていました。ポアロの乗った一等車両には、様々な国籍の客が乗り合わせ、途中、雪の影響で立ち往生となります。
そんな中、密室状態の一等車両で、アメリカ人の富豪が殺害されるものの乗客のアリバイは完璧。ポアロは犯人について2つの可能性を提示します。1つは外部の人間による犯行ですが、それはあり得そうにない。であるならば、もう1つの可能性とは?
その答えは意外であると同時に、個人的には共感できるものでした。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

17. The Fault in Our Stars
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
アメリカのタイム誌で「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている超人気作家ジョン・グリーンさんの青春小説。10代のがん患者同士の恋愛物語で、葬式のスピーチの練習をするところや、オーガスタスが童貞かどうかを簡単な絵で表現するところなどは、個人的に好きなシーンです。
タイトルの元ネタはシェイクスピアの「The fault is not in our stars, but in ourselves(星(運命)のせいじゃなく、自分達のせい)」。これを真逆の意味にしたのが 本作「The Fault in Our Stars 星(運命)のせい=私達のせいじゃない」。若くしてがんになるのは星のせいにしていいですよね。登場人物は悪くない。
「I am tasting the stars 星を味わっている」は、シャンパンの発見者ドン・ペリニヨンの言葉です。本作では星(運命)は理不尽の象徴なので、作中でこの言葉を使ったのは理不尽を飲むのが人生っていう暗喩なのかもしれません。
ニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリートジャーナル、USA TODAYなど、各種チャートでNo.1、『きっと、星のせいじゃない』というタイトルの映画もNo.1の大ヒット、世界各国の言語でも翻訳されている世界的ベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

18. The Catcher In The Rye
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle
主人公ホールデンは大人のPhony(インチキ)が大嫌い。Lie(嘘)への不満を一人称で語り続けます。
『The Catcher In The Rye』は、ただ高校生が社会にブーブー文句を言って、3日間ニューヨークをプラプラするだけの物語でしょ、何がおもしろいかわからない、って思っている人にこそ英語で『The Catcher In The Rye』を読んでみてほしいです。
なぜなら、本書最大の魅力は、唯一無二の文体だからです。どんな名翻訳者も、この文体までは翻訳できません。英語オリジナルの文体を感じれば、きっと主人公ホールデン・コールフィールドの魅力がわかるはずです。
英語の難易度は「中の下」くらいなので中学・高校レベルの単語・文法力があれば十分。一部のスラングには辞書が必要ですが、それは主人公ホールデンの口癖であり、それこそがホールデンの個性です。何度もそのスラングを読んでいると、それがホールデンのキャラとなり、愛着が湧いてきます。
全世界で6,500万部以上売れている超ベストセラーです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
19. West Side Story
ジャンル:フィクション・小説・感動・ミュージカル・古典・Kindle
ニューヨーク・ブロードウェイ・ミュージカルの古典的かつ超代表作の小説版。シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の構成を、ニューヨークの社会的背景に移植した物語です。
『ロミオとジュリエット』は、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットによる恋愛悲劇で、両家は対立し合う関係なので、これは禁断の恋、最終的に2人は自殺します。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は、対立し合う少年非行グループの物語で、ジェッツ(ポーランド系アメリカ人)のトニーがロミオ、シャークス(プエルトリコ系アメリカ人)のリーダーの妹マリアがジュリエットに相当します。
本人たちには何の罪もない禁断の恋、悲劇的結末が確定している運命型悲劇という設定は、よくある古典的なものとわかっていても、読んでいるとやっぱりグッときてしまいます。
レナード・バーンスタイン作曲のミュージカル音楽(Amazon Prime Music)も、読書中のBGMとして合わせておすすめです。
ここがおすすめ
20. Animal Farm
ジャンル:小説・政治・Kindle・Audible
イギリスの作家ジョージ・オーウェルの代表作。農場で飼われていた動物たちが一斉蜂起して農場主を追放、その後に訪れる豚による独裁・恐怖政治が作品の主題です。第二次世界大戦後に発表された政治風刺小説で、次作『1984年』(1949年発表)にも連なる作品です。
人間に搾取されない社会を!と「革命」を起こして農場主を追い出した動物たちは、「すべての動物が平等な」動物主義による理想の社会を築くはずでした。リーダーになった、「賢い」豚のナポレオンによる独裁が始まるまでは。
舞台は農場なので、物語には豚や犬、羊、馬、ロバ、雌鶏などが登場します。革命に参加し、搾取から逃れて「自由」になったはずの動物たちは、豚による恐怖政治の下、どんな状態に陥ったのでしょうか?
この小説が発表されたのが第二次世界大戦直後で、スターリン統治下のソビエト連邦を風刺していることを知ると、弁舌巧みに大衆を欺く権力者、洗脳されて権力の手先になる追従者、圧政に抗議して追放される抵抗者、無関心を決め込む傍観者はそれぞれ誰を指しているのだろうと、一層深い読み方もできます。私たちの地域や会社にも、似たような構図はないでしょうか?
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

21. Matilda
ジャンル:フィクション・児童書・Kindle・Audible
『チャーリーとチョコレート工場』など数々の名作児童文学を生み出したロアルド・ダールの痛快長編。
天才少女マチルダと、彼女の才能を理解しない大人たちとの戦いをコミカルに描いて行きます。肉親に恵まれず、校長にも抑圧を受けるマチルダですが、ハニー先生との血縁を超えた絆を育てていく様が微笑ましいです。子どもvs大人の観点に加え、女性蔑視への批判も見え隠れする点にも注目です。
大人が悪者に終始するのではなく、後半にMatildaを理解してくれる先生と出会えるところに救いがあります。児童文学としては、けっこう難しい単語がポンポン飛び出しますが、すべてを理解しようとせずに雰囲気を感じるのがこの本を楽しむポイントです。
ダール作品の中では比較的ボリュームがあり、読み終えたときの達成感が大きい作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

22. Watership Down
ジャンル:フィクション・児童文学・Kindle・Audible
イギリスの作家リチャード・アダムスによる児童文学。1973年カーネギー賞とガーディアン賞をダブル受賞した世界的ベストセラー。アニメ映画化、テレビアニメ化もされている大人気作品です。
英国ハンプシャー州の巣穴に棲む予知能力を持ったファイバーというウサギが村に迫る危険を感じ取ります。ファイバーの兄ヘイズルは長に避難を提案したが取り合ってもらえなかったため仲間を募って群れを離れ、行く先々で困難にあいながらも、やがて理想の地であるウォーターシップダウンにたどり着きます。しかし集落にはメスがいなかったため他の場所からメスを誘致し、それが集落同士の抗争に発展して行きます。
個性豊かなウサギたちのファンタジーですが、その習性や身体能力はほとんど擬人化されておらず、現実のウサギのように繊細に描かれています。それぞれの個性を活かした仲間たちとの役割分担や、それを束ねるヘイズルのリーダーシップには、人間が見習うべきところがたくさんあります。行く先々であう困難に立ち向かうウサギたちの冒険にハラハラ・ドキドキしっ放しで、ページをめくる手が止まらなくなるとともに、読みすすめるにつれて自分の推しウサギが見つかるはずです!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

23. And Then There Were None
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・ベストセラー・Kindle・Audible
アガサ・クリスティーの作品群の中でも人気の高い代表作。この作品には名探偵ポアロも、マープルも登場しませんが、時を超えたミステリー界のベストセラーとなり、発行部数は世界で1億部を超えています。
過去に何らかの罪を犯した10人の男女が孤島に集められ、不気味な童謡に見立てて次々と殺されて行きます。クローズド・サークル(孤島もの)の代表作として、後のミステリー作品に大きな影響を与えました。
過去の罪を背負った人々が1人ずつ殺されていく様は、ミステリーよりもホラーに近い恐ろしさがありますので、「怖い話が大好き」という人にも楽しんでもらえると思います。
一方で、クリスティーの十八番であるラストのどんでん返しは健在です。最後までハラハラドキドキしながら読めること、間違いなしです!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

24. The Murder of Roger Ackroyd
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・ベストセラー・Kindle・Audible
そのトリックが「フェアかアンフェアか」の議論を巻き起こしたアガサ・クリスティー代表作の一つ。エルキュール・ポアロシリーズの3作目にあたる作品です。
引退したポアロが越してきた村で、名士ロジャー・アクロイドが殺され、その真相を追うストーリーになっています。本作では1作目、2作目の相棒ヘイスティングスに変わり、村の医師ジェイムズ・シェパードが相棒を勤めます。
村の名士が殺される、名探偵とその助手、明らかに怪しい遺産相続人など、推理物のフォーマットをきっちり守っている分、最後のどんでん返しにはびっくりするはずです。
一人称で書かれているため比較的読みやすくなっています。アガサ・クリスティーの時を超えた名作を、どうぞ楽しんでください!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

25. Sherlock Holmes : Complete Collection
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・Kindle・Audible
『シャーロック・ホームズ』シリーズはイギリスの推理小説作家アーサー・コナン・ドイルの代表作。あの『名探偵コナン』は明らかにコナン・ドイルから名前をとっていますよね。
事実かどうかは不明ですが、『シャーロック・ホームズ』シリーズは聖書に次ぐベストセラーと称されることもあるほど、世界中で愛される大人気シリーズです。本作はそのシリーズ完全版をお手頃価格で購入できるお得な全集になっています。
当時の英語は現代的ではない部分もあることはお伝えしておく必要がありますが、日本でも馴染みのある作品ばかりなので、物語には入り込みやすいです。すでに知っている作品、あるいは好きな作品から読みはじめるのが良い入口になると思います。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

26. The Moon and Sixpence
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle
イギリスの作家サマセット・モームによる芸術家を扱った小説。画家のモデルはポール・ゴーギャンです。
ストリックランドは冴えない40代の夫ですが、仕事も家庭も何不自由ない生活を送っていました。しかし、ある日突然、ストリックランドは妻と子供を捨てて消えてしまいます。本当にやりたかったこと、絵を描くために、パリへ行ったのでした(やがて太平洋のタヒチ島へ)。物語は作家のわたし視点で、ストリックランドの半生を追いかけて行きます。
個人と社会の合う合わないを、釘と穴に例える表現が良いと思いました。四角い釘は、丸い穴には刺さらない。四角い穴はどこにあるのでしょうか?
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
27. Girl With a Pearl Earring
ジャンル:フィクション・小説・感動・歴史・アート・ベストセラー・Kindle・Audible
17世紀の画家フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』に着想を得た歴史小説。
モデルが誰だったのかは未だに謎のままなのですが、筆者はそれをチャンスと見てフィクションを書きました。「少女=フェルメール家のメイド」という設定と、それが真実だったと思えてくるような、説得力のある筆致が見事な作品です。
世界で500万部以上を売り上げたベストセラーで、映画化もされています。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

28. What I Talk About When I Talk About Running
ジャンル:ノンフィクション・回顧録・エッセイ・Kindle
「走ること」と自身の小説執筆の相関性を語るエッセイ。
走ること・書くこと(=続けること)について世界的作家の考え方が学べます。英語学習がなかなか続かない人は、続けるためのヒントが得られるかもしれません。ランニングやマラソンについての本ではない点はご注意ください。
タイトルはレイモンド・カーヴァーの短編小説『What I Talk About When I Talk About Love』に由来します。
個人的には、村上春樹さんは小説よりもエッセイが好きで、その中でもこの作品が一番好きです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
29. Investment Biker
ジャンル:ノンフィクション・旅行・経済・Kindle・Audible
筆者のジム・ロジャーズさんは、ウォーレン・バフェットさん、ジョージ・ソロスさんと共に、世界三大投資家に数えられるレジェンドです。そんなジム・ロジャーズさんは、投資で儲けまくり、早期リタイア。長年の夢だった、世界一周旅行に出ます。
移動手段はなんとバイク!22ヶ月、52ヶ国、モーターバイクの旅!走行距離65,065マイルはギネスブック記録です。
単に金にものを言わした豪華旅行というわけでもなく、命の危険があるゲリラ地域を通過したり、文字どおり命をかけた大冒険は、スリル満点です。陸路だからこそ得られる体験談は、飛行機の旅では得られない深みがあります。
人がうらやむほどの資産を手に入れながら、守りに入ることなく、死の危険を冒してまで、情熱のままに旅する姿勢は、とてもかっこいいです。ただの金持ちのお気軽旅行とは全然違って、情熱を持って旅した人の体験談からは、学ぶべきものが大いにあります。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

30. Trillion Dollar Coach
ジャンル:ビジネス・Kindle・Audible
スティーブ・ジョブス、グーグルの元会長兼CEOのエリック・シュミット、そしてグーグルの共同創業者のラリー・ペイジをはじめとするシリコンバレーの巨人たちの裏には、共通の師がいました。本書の主人公ビル・キャンベルです。
主人公のビル・キャンベルはもともとアメリカンフットボールのコーチでしたが、彼の教えはアメリカンフットボールだけではなく、ビジネスの世界にも通じることを誰もが知ることになります。
私はこの本を通して、マネージャーの大切さを知りました。一般的には、重要視されない仕事かもしれませんが、マネージャーの仕事は偉大なものです。天才の扱いは困難で、天才であるがゆえに理解されなかったり、傲慢だったりします。そこで、マネージャーの役割が重要になります。
私自身、起業をしたいと思っており、チームのまとめ方、そしてリーダーのあり方を知りたい人にはとても役立つ本としておすすめです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

上級者向けのおすすめ20選

1. The Hill We Climb(2021年)
ジャンル:フィクション・詩・ベストセラー・Kindle・Audible
アメリカの詩人アマンダ・ゴーマンさんを一躍時の人に押し上げることとなった自作詩に、オプラ・ウィンフリーさんの序文を加えた特別版です。
アマンダ・ゴーマンさんは奴隷を先祖に持つ黒人女性で、2021年のバイデン大統領就任式で自作詩のポエムリーディングを披露。他の世界的セレブのパフォーマンスを完全に食ってしまい、話題をかっさらいました。
この詩のメッセージは「分断から調和、団結へ」「疲労した国の再建」「民主主義は負けない」といった内容で、タイトルの「The Hill」は聖書やキング牧師のスピーチでも重要なキーワード「希望の満ちた場所」のこと、また、就任式が行われた”キャピトルヒル”(国議会議事堂がある丘)、つまりアメリカそのものを指し、直前に起こった議事堂襲撃事件への比喩的な意味もあります。
20世紀にはキング牧師の演説『I have a dream』が伝説になっていますが、21世紀はアマンダ・ゴーマンさんの『The Hill We Climb』が伝説として語り継がれるのかもしれません。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

2. Permanent Record(2019年)
ジャンル:ノンフィクション・自伝・ベストセラー・Kindle・Audible
2013年にアメリカの国家機密をリークして世界に衝撃を与えたスノーデンさんの自伝です。
アメリカの国家安全保障局(NSA)は全世界のインターネット・電話回線を秘密裏に傍受していました(あなたや私のスマホやPCでの行動は全てNSAに記録されていた。今もされているかも?)。まるでディストピア小説『1984』で怖すぎですよね。スノーデンさんはそこに対してNOという声を上げてくれたのです。
世界最強国家に対し、たった一人で、命を懸けた内部告発をする様(特に、データの持ち出しからロシアへの亡命まで)はスリル満点で、時間を忘れ、のめり込むように読みました。
日本のアニメが好きなこと、家族や恋人のことなど、スノーデンさんの人間性も伝わってくる点は親近感が湧き、難しいテーマの中でも感情移入しやすいです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

3. Where the Crawdads Sing(2018年)
ジャンル:フィクション・小説・感動・ミステリー・ベストセラー・Kindle・Audible
一流科学雑誌『Nature』にも論文が掲載されている動物行動学者による小説で、アマゾンレビュー数20万越えのWorldwide Sensationになっている作品です。
物語の冒頭、アメリカのノースカロライナ州の湿地で、男性の死体が発見されます。一方、主人公のカイアは6歳で親に捨てられ、湿地(大自然)のなかで孤独に生きています。物語は、カイアの人生と、死体の犯人探しを、交互に並べながら進んでいきます。
自然児カイアという設定には、動物や昆虫とも重なる、人間を遺伝子レベルから考察する深さがあります。孤独なカイアという設定には、コロナ渦や生涯未婚率の上昇など、1人で過ごす時間が増えている現代人も、自分を投影しやすいです。
幼少期に親に捨てられ、自然の中で生きる主人公。動物や昆虫とも共通する、人間の遺伝子に刻まれている、その野性に衝撃を受けました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

4. Brief Answers to the Big Questions(2018年)
ジャンル:ノンフィクション・科学・教養・Kindle・Audible
ロックスター並みの知名度を誇る英国の物理学者、スティーブン・ホーキングさん最後の著書。世界40カ国以上で発売されています。
ホーキングさんは車椅子の科学者として、また、著書『A Brief History of Time(初版1988年)』で有名な方です。そんな博士が、神の存在、宇宙の始まり、知的生命体(宇宙人)、ブラックホール、タイムトラベル、宇宙移住、人工知能など、10のビッグクエスチョンに答えて行きます。
科学というテーマゆえに上級としましたが、英語自体の難易度は中級くらいです。一般向けの本なので、科学に興味のある方なら楽しく読めると思います!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

5. Why Dylan Matters(2017年)
ジャンル:ノンフィクション・評論・ノーベル文学賞・Kindle・Audible
2016年にノーベル文学賞を受賞したアメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディランを学問に昇華したディラン学の本です。
ハーバード大学には、古代ギリシャやローマの詩人と一緒に、ボブ・ディランを扱う講義があり、ニューヨークタイムズ誌はその講義を「The coolest class on campus.(キャンパスでもっともクールな講義)」と評しています。
本書の作者はその講義の担当教授。なぜボブ・ディランがノーベル文学賞に値するのか、ハーバード大学の教授が、私たち一般読者向けに解説している本です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

6. Pachinko(2017年)
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
作者は韓国で生まれ幼少期に家族でアメリカに移住した方で、本作は2017年の全米ベストセラーになりました。物語の内容は、1900年代初頭から1980年代にかけての四世代に渡る、在日韓国人家族の波乱万丈な家族史です。
1910年から1945年の間、日本が韓国を併合していた間、多くの韓国人が日本に渡りました。韓国の釜山で生まれたヤンジンと娘のスンジャ、その夫ハンスも1930年代に大阪に移住した韓国人です。
スンジャは日本で息子を二人産みます。家族は日本での在日韓国人への熾烈な差別に苦しみながらもパチンコ業で生計を立てます。スンジャの息子ノアとモーゼスは日本で生まれ育ちながら、韓国人としてのアイデンティティに苦しみ、悲劇的な道へと向かって行きます。
在日コリアンの70年の家族史を在米韓国人が描くことで、移民者としての同質感に西洋の合理的・客観的な視線を織り交ぜ、人間の普遍的な性(さが)を鋭く描き出している秀逸な作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

7. The Box(2016年)
ジャンル:ノンフィクション・ビジネス・Kindle・Audible
ひろゆきさんが絶賛したことでも知られる『コンテナ物語』の英語原本です(ビルゲイツもおすすめ)。日本国内を陸路で輸送するより、海外から日本に輸送した方がコストが安いなんて不思議ですが、なぜそんなことになるのでしょうか?
本書の内容を簡潔にまとめると、世界をグローバル化したのはインターネットだけではなく、コンテナも決定的な役割を担っていたという話です。コンテナというただの箱、地味な箱が、これほどまでに世界経済を激変させたのか!というギャップに驚きました。
コンテナの可能性を見誤ってしまい港としてのポジションを失ったニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンのエピソードや、既得権益を守ろうとして必死に抵抗する労働者や政府のエピソードは、あまりにも人間的で、読んでいておもしろかったです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

8. Absolutely on Music(2016年)
ジャンル:ノンフィクション・音楽・教養・Kindle・Audible
世界的作家の村上春樹さんが、世界的指揮者の小澤征爾さんにインタビューして、その内容を丁寧にまとめた作品です。
クラシック音楽の知識が豊富な村上さんが、小澤さんから深い話を引き出して行きます。さすが世界的指揮者、普通の人が知らないことを語ってくれます。さすが世界的作家、文章の流れがスムーズでとても読みやすいです。
まるで小澤征爾さん、村上春樹さんと一緒に音楽を聴いているような、贅沢な時間が過ごせます。クラシック音楽に詳しくない人も、本書で取り上げられている曲をきっかけにすれば、クラシック音楽の世界に入って行きやすいと思います!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
9. Six of Crows(2015年)
ジャンル:フィクション・YA(ヤングアダルト)ファンタジー・Kindle・Audible
『Shadow and Bone』三部作で人気作家となったリー・バドューゴによる、新二部作の一作目です。両シリーズをミックスしてドラマ化したNetflixの『Shadow and Bone』も世界的に大ヒット。原作シリーズの全5作すべてがAmazonのレビュー万単位という熱狂ぶりで、私もそこに加担しているファンの一人です。
本作は、新二部作ですが、先の三部作を読んでいなくても十分楽しめるのでご安心ください(映画『スターウォーズ』を4~6→1~3で観ても、1~3→4~6で観てもおもしろいのと同じです)。
『Six of Crows』も『Shadow and Bone』と同じく、Grishaという魔法使いがいる設定です。本作では、Grishaの力を増幅させ世界を支配できる薬を巡り、各国の思惑が交錯します。政府が表立ってできない案件を、街で一番の極悪人カズが巨額の報酬で引き受けることになります。それは薬を発明した科学者が囚われている難攻不落の要塞に侵入して彼を救出することでした。
ほぼ自殺行為の究極のミッションをコンプリートするために、性格、特技、目的も違う6人が集結して力を合わせます。悪人にならざるを得なかった過去、チーム内の信頼と絆、無駄な殺しはしない倫理観など、みんな真っ当な善人ではないのになぜか好きになってしまう不思議な魅力があるチームです。主要人物たちのやりとりや、彼らのダークユーモアもおもしろく、思わずクスリと笑ってしまうシーンも多い作品です。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

▼初期三部作『Shadow and Bone』の一作目はこちら
10. Crazy Rich Asians(2013年)
ジャンル:セミフィクション・小説・感動・恋愛・ベストセラー・Kindle・Audible
筆者の実体験をベースに小説化したセミフィクションで、同名映画も大ヒットした世界的ベストセラーです。
アメリカ生まれの中国人(ABC=American Born Chinese)レイチェルと、シンガポールの名家の御曹司ニックは、ニューヨークで暮らし、出会い、付き合うことになりますが、レイチェルはニックの家系がクレイジーなほどリッチであることを知りません。
ある夏、ニックの友人の結婚式に参加するため、ニックはレイチェルをシンガポールの実家に連れて行きます。何も知らないレイチェルは、家柄を重視するニックの家族や、ニックを狙う女性達の嫉妬・妨害・イジメに巻き込まれて行きます。
表面は、華僑セレブのクレイジーリッチぶりと、バチェラーを巡る女性達のドタバタ劇。裏面は、人種差別、移民のアイデンティティー、中国やシンガポール等アジアの勃興など、時代の流れを汲んだ現在性。
「表面はおもしろく、裏面は深く」という、良い作品のゴールデンルールをしっかり守っている秀逸な作品です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら


11. Harry Potter and the Philosopher's Stone
ジャンル:フィクション・小説・ファンタジー・ベストセラー・Kindle・Audible
イギリスの作家J・K・ローリングによるファンタジー小説、全7巻中の第1巻。本作のみで1.7億部、シリーズ全7巻で5億部以上の売り上げで、言わずと知れた世界的スーパーベストセラーです。
主人公の少年ハリー・ポッターは、幼い頃に両親を亡くし、親戚の家で冷遇される日々を送っていました。ハリーは11歳の誕生日に、ホグワーツ魔法魔術学校への招待状を受け取り、自分が魔法使いであることを知ります。ハリーは魔法界で友人、先生、両親の知人などと知り合うとともに、両親を殺害した闇の魔法使いヴォルデモート卿との因縁を知り、対決して行きます。
英語の難易度はかなり高めなので、和訳版を片手に、又は、ワンタッチ辞書のあるキンドル(公式サイト、当ブログ詳細記事)で読むのがおすすめです。難しいけれど、物語のワクワクと読み切ったときの充実感は最高です!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

12. Shadow and Bone
ジャンル:フィクション・小説・ファンタジー・Kindle・Audible
『Shadow and Bone』三部作の1作目。シリーズすべてがアマゾンのレビュー万単位という大ヒットぶりで、Netflixが黙っておらずドラマ化もされました。
Grisha(グリーシャ)という魔法使い、Volcra(ヴォルクラ)という怪物、The Shadow Fold(影溜まり)という暗黒領域、The Darkling(ダークリング)という世界征服を企む悪役など、ファンタジックな設定のフィクションです。
主人公のアリーナはある日、自分がGrishaで、太陽を召喚する能力があることを知ります。太陽召喚は、世界を救うことができる唯一の能力として、周囲から期待されるのですが、突然そんなことを言われても・・・
アリーナは自分を信じられなかったり、うまく能力を使えず苛立ったり、周囲からの期待をプレッシャーに感じてしまいます。幼馴染のマルと会いたくても会えない日々が続き、やっと会えても喧嘩してしまったり、2人の恋の行方にも要注目です。
ここがおすすめ
※和訳版はありません
▼オーディブル版はこちら

13. My Name is Red
ジャンル:フィクション・小説・歴史・ミステリー・ノーベル文学賞・ベストセラー・Kindle・Audible
トルコのイスタンブール出身のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクさんの代表作。
トルコの首都イスタンブールは、物語のネタとしての質と量がワールドクラスです。歴史的には東ローマ帝国とオスマン帝国の首都であり、したがって宗教的にはキリスト教とイスラム教、地理的には東洋と西洋の接点。
16世紀イスタンブールを舞台に、世界の二大文明、西洋とイスラムの価値観が、正面衝突します。題材の絵画はあくまでも媒体であり、本質は二大文明の衝突。絵画を通じて、両文明の価値観の違いが浮き彫りになって、とても興味深く読めました。
この場所とテーマ設定で、おもしろくないわけがない。読んでいる時、読み終わった時、自分の感覚が根底からぶっ壊されるような衝撃がありました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

14. Never Let Me Go
ジャンル:フィクション・小説・感動・ノーベル文学賞・ベストセラー・Kindle
ノーベル文学賞作家、カズオ・イシグロさんの代表作。
前提として、1997年に世界で初めてのクローン動物、羊のドリーが発表されたことがあり、本作では臓器を提供するためだけに生まれ、死んでいく、クローン人間がいる世界を描きます(クローン人間との対比によって人間をより深く描くためであり、クローン人間や臓器提供について問題提起している訳ではありません)。
こういう作家がノーベル文学賞を受賞するんだなと、一つのラインを感じることができました。ただ売れたとか、共感したとかいう次元を超えて、人間の根源的な何かに迫ってくる凄みを感じました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
※オーディブル版はありません
15. Nineteen Eighty-Four 1984
ジャンル:フィクション・小説・SF・Kindle・Audible
イギリスの作家ジョージ・オーウェルの代表作で、全体主義国家に統治される近未来の恐怖を描きました(発表は1949年)。アップルの有名な1984CMを始め、後世の社会や思想へ今なお多大な影響を与え続けている世界的、古典的名著です。
私は『1984』を読んで、疑うことの大切さと、鵜呑みにすることの愚かさを痛感しました。よく「自分の頭で考えよう」と言いますが、そのためにはまず、疑う能力を身につける必要がありますね。すべてはそこから始まると思いました。
平和省(Ministry of Peace)が戦争をして、真理省(Ministry of Truth)が嘘をついて、愛情省(Ministry of Love)が殺人をする、という設定が見事。フィクションだからできることだし、そこにこそフィクションの存在意義を感じました。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

16. Breakfast at Tiffany’s
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
1950年代のアメリカ、ニューヨークで、作家志望の青年(僕)が、同じアパートに住む女優の卵(ホリー)に恋をします。しかしそのホリーは病的なまでに自由奔放で束縛が大嫌い。僕はホリーに振り回されまくります。
本作のおすすめの読み方は、とにかくヒロインのホリーの言動を楽しむこと。ぶっちゃけ、物語の筋とかはどうでもいいんです。自由奔放なホリーが動くことで、物語が動いて行くので、私たち読者はホリーに思いっきり振り回されることが、この小説をもっとも楽しむ方法だと思います。
ところで、『ティファニーで朝食を』って、何の比喩なんでしょうね?私は「ティファニー=安らげる場所の比喩」、「朝食=そこを見つけたことの比喩(安らかに寝れる→起きた後そこで朝食が食べれる)」と解釈しています。
ホリーを動かしているのは「安らげる場所を見つけたい」という想い。物語を動かす力が凝縮された、良いタイトルだと思います!
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

17. The Great Gatsby
ジャンル:フィクション・小説・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
舞台は狂騒の1920年代(Roaring Twenties)、アメリカ、ニューヨーク。ギャツビーという青年が元カノを取り戻すために成り上がるが、不運な事故に巻き込まれ死亡。ギャツビーは過去をやり直せると信じていたけれどやり直せなかった、という悲劇です。
「アメリカ文学史上最大のアメリカンドリームと、その危うさとの対比」、「バブルに群がる蛾どもと、誰よりもイノセントなギャツビーの対比」これらの対比を意識しながら読むと、内容が理解しやすくおすすめです。
ところで、ギャツビーの何がグレートなのでしょうか?お金持ちなところをグレートと解釈している人もいるかもしれませんが、私としては次のセリフが答えだと思っています。
“They’re a rotten crowd,” I shouted across the lawn. “You’re worth the whole damn bunch put together.”
「あいつらみんな腐ってる」私は芝生ごしに叫んだ「腐った奴ら全員が束になって、ようやく君1人と同じ価値だ(それくらいギャツビーはグレートだ)」
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

18. The Long Goodbye
ジャンル:フィクション・小説・ミステリー・ハードボイルド・Kindle・Audible
私立探偵フィリップ・マーロウがメキシコに送り届けた友人は、妻の殺人容疑で警察に追われていました。私立探偵フィリップ・マーロウは独自に捜査を進めるうちに、さまざまな人物と対峙します。犯人は友人なのか?複雑な人間関係を鋭い観察で読み解くマーロウがたどり着いた結末とは?
日本でもファンの多いアメリカの推理小説で、筋書きの面白さだけでなく、タフでクールな探偵フィリップ・マーロウに魅了される人も多数。フィリップ・マーロウのシリーズ中、国内外のミステリ作家による評価も高い作品です。村上春樹さんの新訳が出たことでも話題になりました。
作者チャンドラーは名文家として知られた存在で、文体を手本にした作家が何人もいるほどです。人物や情景が思い浮かぶ映像的な文章なのは、チャンドラーがハリウッドで映画のシナリオを書いていたことと関係がありそうです。
「日本のマーロウ・ファンを増やした」と言われるほどの評価を得た清水俊二さんの訳と、2007年に新訳を出した村上春樹さんの訳文と、訳出のニュアンスの違いを比べるのもファンにはこたえられない楽しみです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
(清水訳)
▼オーディブル版はこちら

19. Into The Wild
ジャンル:ノンフィクション・旅・感動・ベストセラー・Kindle・Audible
1992年にアラスカの荒野で死亡した、裕福なエリート青年の実話です。
彼は約2年間アメリカ大陸をヒッチハイクと労働をくり返しながら旅をして、様々な人々との出会いと別れをくり返します。最終的にはアラスカの荒野へ入って行き、4ヶ月後に死体となって発見されます。死因は餓死でした。旅と荒野の果てに彼が見つけた答えとは?
1人の青年が懸命に生きて出した答えに、自分の生き方を考えさせられる良書です。私はこの本を理由の1つとして、仕事を辞め、世界一周の旅に出ました。良くも悪くも今まで真面目に良い子として生きてきた人の(私のことです)、胸をかき乱してくる本です。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら
▼オーディブル版はこちら

20. Neuromancer
ジャンル:フィクション・小説・サイバーパンク・SF・ベストセラー・Kindle・Audible
本作の主人公は元凄腕のハッカーだったケイス。依頼主との契約違反を理由に脳神経を焼かれ、ジャックイン能力を失い、電脳都市チバ・シティで落ちぶれています。ある日、謎の男アーミテージから、ジャックイン能力の回復を条件に、ヤバい案件を依頼され、ケイスは陰謀が渦巻く電脳空間に再び戻って行きます。
『Neuromancer』の世界観は、時を経ても色褪せず、今読んでも最高にワクワクします。映画『マトリックス』が『Neuromancer』なしでは存在しなかったと考えると、『1984』と同じく、大人の教養と言っても過言ではないレベルの作品だと思います。
タイトルの由来は、脳神経NEURONと死霊使いNECROMANCERの合成語で、NEW ROMANCEの意味も含みます。サイバーパンクとは、サイバー=生命と機械の融合サイバネティクス、パンク=権力や体制への反抗で、脳を機械に繋ぎ電脳空間で巨大組織と戦う系の作品のことを指します。「マトリックス」という言葉やサイバースペース(電脳空間)という世界観は、このニューロマンサーが生み出したものです。
ここがおすすめ
▼和訳版はこちら

▼オーディブル版はこちら

洋書大好き!その他のおすすめ:多読(Kindle)・多聴(Audible)
洋書多読:Kindle(キンドル)
洋書を読むときは、ワンタッチ辞書機能のあるKindle(キンドル)が便利です。
特にこだわりがなければ、もっとも標準的な↑のPaperwhiteモデルがおすすめです。
他モデルとの違いなど細かなことは、アマゾン公式サイト内 (中段にスペック比較表あり)をご覧ください。
参考までに、当ブログのKindle(キンドル)レビュー記事はこちらです。
-
-
Kindleの英語辞書最高!洋書多読中毒者のKindleレビュー【PaperwhiteとOasisも比較】
洋書多読は私の趣味の1つで、Kindleの英語辞書には大変お世話になっています。 もともと読書好き、英語好きだったところに、Kindleという神デバイスが加わり、完全に洋書中毒になりました。 ちなみに ...
続きを見る
洋書多聴:Audible(オーディブル)
最近は洋書を聴く楽しみ方もあって、新しい世界が広がっています。
- 耳を使えば、読書はもっと自由になる!
- ついでに英語力もアップ!
詳しくは、公式サイトまたは詳細記事をご覧ください。
-
-
英語×Audibleおすすめ洋書50選!作品の選び方&勉強法【初心者/中級者/上級者レベル別】オーディブル大好き!
洋書&読書大好き人間だった私は、最近は完全に、活字派からAudible(オーディブル)派になりました。 この変化には自分でも驚いていて、Audible(オーディブル)が大好きすぎて、正直、活字を読むの ...
続きを見る
この記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
改めまして、あなたと本が、ともにありますように!
May The Books Be With You!
■英語TOPページ
-
-
失敗しない英語学習法:基礎・独学・オンライン英会話・コーチング・アプリ x TOEIC
英語学習には、何年もの地道な努力が必要で、近道などない。 これは半分正しくて、半分間違っている、というのが私の考えです。 確かに英語学習には何年もの地道な努力が必要ですが、近道はあります。 今までに何 ...
続きを見る
■転職TOPページ
-
-
【脱・失敗】転職・退職の注意点と解決方法
5回転職してわかった10のこと 人生は転職で本当に変わる。 転職先は意外な程たくさんある。 ホワイト企業は普通に存在する。 ダメな会社は優秀な人から辞めて行く。 転職に罪悪感は不要。社員に辞められる会 ...
続きを見る