洋書:三体 第3部『死神永生』英語版Death’s Endの感想・あらすじ・登場人物などを整理

洋書:三体 第3部『死神永生』英語版Death’s Endの感想・あらすじ・登場人物などを整理

最高に面白いSF小説!三体シリーズ英語版の感想(難易度,一部ネタバレ)【三体 黒暗森林 死神永生 洋書
最高に面白いSF小説!三体シリーズ英語版の感想など(英語の難易度,一部ネタバレ含む)【三体 黒暗森林 死神永生 洋書】

三体シリーズ3部作(三体、黒暗森林、死神永生)は、ここ最近の読書で一番面白いと思った作品でした。 第1部『三体』は今振り返ると前振りでしかないのに、最初から異次元の面白さですぐにハマりました。 第2部 ...

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この記事は上記の総括記事を補うための個別記事です。

三体シリーズはここ最近で一番はまった小説なのですが、ストーリーが壮大で、読んでいる途中で迷子になってしまうこともあったので、いったん情報を整理したくて、この記事を書きました。

三体シリーズの全体は上記の総括記事を、第3部『死神永生(Death's End)』の詳細は本記事をご覧ください。

これらの記事がこれから三体(第3部『死神永生』)を読む人、読んだけどおさらいしたい人のお役に立てば幸いです。

この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの日本人。外資系歴10年以上、TOEICは対策なしで915(2019年)。英語学習や外資系での経験を、発信・共有しています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。

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死神永生(Death’s End)のあらすじ

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終末決戦(Doomsday Battle)から半世紀後、黒暗森林理論の抑止力によって、地球文明は三体文明と難しいバランスを保ちながら共存していた。地球文明は三体文明から科学技術を、三体文明は地球文明から文化芸術から学び、両文明は繁栄していく。地球文明はかつてないほどの黄金時代を謳歌し、相互破滅の脅迫無しに、三体文明と平和的に共存できる日がやがて訪れるかに思われた。しかしそれは地球文明の自己満足でしかなかった。

三体第3部『死神永生』の主人公は21世紀生まれの航空宇宙エンジニア、程心(Cheng Xin)。23世紀の抑止時代に冬眠から目覚め、過去の危機時代から現在に古い知識を持ち込む。それは面壁計画(Wallfacer Project)と同時期に極秘に進められていた階梯計画(Staircase Project)だった。それは人類のスパイを三体文明に送り込むというものだったが、三体文明に到達するためには光の速さの1%で移動する必要があり、そのためには人間の体は重すぎる。そこで、末期患者で安楽死した人の脳だけを宇宙に送り出すこととなった(三体文明ほど科学技術が進歩していれば、脳だけ送っておけば後は三体星人がなんとかしてくれるだろう)。

一方、程心(Cheng Xin)の大学時代の同級生、雲天明(Yun Tianming)は、社会に馴染めず、末期癌も患い、未来に何の希望も持てず、安楽死すること決意。雲天明(Yun Tianming)はとあるきっかけで大金持ちになるが、癌はどうにもならない、どうせ死ぬならその前にということで、学生時代に好きだった程心(Cheng Xin)に星を買って(匿名で)プレゼントする。そんな中、階梯計画(Staircase Project)の中心人物だった程心(Cheng Xin)は、安楽死候補者のリストの中に雲天明(Yun Tianming)を見つけ、彼の病室にやってくる。人類のために安楽死して、脳だけになって、宇宙に飛び立ってほしい。

雲天明(Yun Tianming)は好きな女性に「死んでくれ」と言われショックを受けるが、そのオファーを受諾。ただしこんなに酷い仕打ちをする人類社会に対して忠誠心というものはない。三体文明に潜り込んだ後、どちらの味方をするかは三体星人のことを知った後、地球人とどちらの味方をしたくなるか、比較検討して決める。

第2部の主人公の逻辑(Luo Ji)は、第3部でも重要な役割を担う。三体文明が地球文明を裏切った場合、太陽系の座標を全宇宙に発信し、お互いを滅亡させるためのスイッチを管理する執剣者(Swordholder)に任命される。しかし逻辑(Luo Ji)も100歳を超え、さらには時代が女性的になったこともあり、この大役は程心(Cheng Xin)に引き継がれる。しかし母性本能が強く愛を軸に判断する程心(Cheng Xin)の存在が、この2文明の繊細なバランス関係を揺るがすことになる。

死神永生(Death’s End)の登場人物

  • 程心(Cheng Xin):大学院で航空宇宙工学を学んだのち、国連惑星防衛理事会(Planetary Defence Committee)の戦略情報局(Strategic Intelligence Agency = PDC + SIA で PIA)にアシスタントとして就職。階梯計画(Staircase Project)の中心人物。
  • 雲天明(Yun Tianming):程心(Cheng Xin)の大学時代の同級生。モテない陰キャだけど、程心(Cheng Xin)だけは優しく接してくれて(みんなに優しいだけ)、密かに恋心を抱く。社会に馴染めず、末期癌も患い、安楽死を決意。とあるきっかけで莫大な資産を得たため、死ぬ前に匿名で星(恒星DX3906)を程心(Cheng Xin)にプレゼントする。
  • 艾AA(Ai AA):恒星DX3906の中に地球型惑星を発見した大学院生。惑星の売却で巨額の資産を得た程心(Cheng Xin)のアシスタントとなり、地球屈指の大企業〔Halo Group(宇宙建設会社)〕を経営する。
  • トマス・ウェイド(Thomas Wade):PIAの長官、程心(Cheng Xin)の上司。三体文明に脳を送り込むことを発案。鉄の意志を持ち口癖は「We’re going to advance! Advance! We’ll stop at nothing to advance!」。
  • 逻辑(Luo Ji):黒暗森林理論の発見者。100歳を超えるまで約半世紀も執剣者(Swordholder)を務める。その後は冥王星(Pluto)に移住し、人類の遺産を集めた墓を作る。役割の変遷:面壁者(Wallfacer)→執剣者(Swordholder)→最後の墓の管理人(final grave keeper)
  • 関一帆(Guan Yifan):宇宙戦艦「万有引力(Gravity)」に乗船していた科学者。次元削減攻撃を逃れてS74390E2(DX3906の新しい名前)にやってきた程心(Cheng Xin)と艾AA(Ai AA)を出迎える。
  • 智子(Sophon):三体文明が遠隔操作する女性型AI。日本の着物を着ていて、茶室を持ち、茶道でゲストをもてなす。智子(Sophon)、程心(Cheng Xin)、逻辑(Luo Ji)の3人は、この茶室で語り合う仲になる。戦う時の武器は刀。

恒星DX3906

  • 恒星とは:ガスでできていて自力で光を発する天体(太陽も恒星)。
  • 地球から286光年離れた場所にある(太陽系は半径数光年の規模)。
  • 地球から肉眼で見え、Dark Redに光る。
Sushi K
物語は主人公の程心(Cheng Xin)とそのサポート役の艾AA(Ai AA)を中心に進んでいきます(どちらも女性)。一方、雲天明(Yun Tianming)とトマス・ウェイド(Thomas Wade)の男性キャラも、登場頻度では劣りますが重要な役割を担っているので注目です。

死神永生(Death’s End)のその他のポイント

階梯計画(Staircase Project)

面壁計画(Wallfacer Project)と同時期に裏で動いていた計画。核爆弾を探索機のルートに配置し、順次爆発させ、探索機を加速することで、光速の1%を達成する。発案者は程心(Cheng Xin)。

だたし、光速の1%を達成するためには人間の体重は重すぎる。人間の脳だけを送るアイデアを出したのはトマス・ウェイド(Thomas Wade)。

地球軍の宇宙戦艦の行方

第2部 黒暗森林(The Dark Forest)の復習

  • 最終的に、藍色空間(Blue Space)は他の4隻を、青銅時代(Bronze Age)は量子(Quantum)を滅ぼして生存。
  • 地球からは非難轟々となっていた。
  • 両者は太陽系のほぼ逆方向に進んでいる。

死神永生(Death’s End)の展開

  • 青銅時代(Bronze Age):三体星人の危機も去り人類の英雄として地球に帰還するが、全員逮捕で有罪(地球の罠)。戦艦を明け渡す直前、藍色空間(Blue Space)に歓迎ムードは罠だと警告を送る。
  • New→万有引力(Gravituy):2機の水滴(the Droplets )と共に藍色空間(Blue Space)を追跡する。
  • 藍色空間(Blue Space):万有引力(Gravituy)とは全く違い、軍事的で厳格な規律を持つ(宇宙で孤立したら人間は一瞬で全体主義になる)。四次元のかけらから四次元空間に入れることを発見。四次元から水滴を破壊し、万有引力(Gravituy)をも支配する。

三体シリーズの時代を整理

共通紀元(Common Era)現在-201X

Sushi K
第1部『三体』の時代です。

地球文明と三体文明がお互いの存在を知った時代。人類に絶望していた葉文潔(Ye Wenjie)等は地球三体協会を設立し、三体文明と内通する。

危機紀元(Crisis Era)201X-2208

Sushi K
ここからが第2部『黒暗森林』です。

前半は抑圧的な軍事的統一性の、後半は楽観と浪漫の時代。

  • 前半:面壁者(Wallfacer)の時代。三体文明対策に予算を使ったため、緊縮財政で世界経済が縮小した暗黒時代〔大峡谷(The Great Ravine):約半世紀余り続き、人口は83億人から35億人に減少〕。未来は楽園ではなく地獄という世界観。
  • 後半:やがて楽観論が台頭。世界の都市の過半数以上は地下に移動。科学技術が発展し未来的/理想的な世界に。インターフェイスはシンプルだけど、その奥には高度な技術が隠されている=三体のVRゲームの様。
  • 終末決戦(Doomsday Battle)で危機を迎えるが、逻辑(Luo Ji)の黒暗森林理論によって地球の滅亡を回避する。
Sushi K
後半=未来の世界観を興味深く読みました。英語と中国語が融合して世界最強の言語になっていたり、家族という概念が崩壊していたり、エネルギーは全てワイヤレスで供給できたり。未来を想像するのは楽しいですね。

抑止紀元(Deterrence Era)2208-2270

Sushi K
ここからが第3部『死神永生』です。
  • 快楽主義的な自由と怠惰の時代。
  • 執剣者(Swordholder)による抑止力で平和を維持。
  • 地球文明は三体文明から科学技術を学んで発展、三体文明は地球文明から文化、芸術、嘘、策略、騙しを学ぶ。
  • 地球三体協会は消滅し、代わりに「人類が至高、三体文明は滅亡させるべき」という別の過激派組織が登場。
  • 執剣者(Swordholder)が逻辑(Luo Ji)から程心(Cheng Xin)に引き継がれるタイミングで、三体文明が奇襲を仕掛ける。

ポスト抑止紀元(Post-Deterrence Era)2270-2272

  • 三体星人に地球を支配される地獄の時代。
  • 三体星人が遠隔操作する智子(Sophon)により、全人類がオーストラリアへ強制移住(the Great Resettlement)。一部は火星移住の計画もあり。
  • 国連本部もシドニーに移動。このような危機下では独裁政治より民主主義の方が恐ろしい。
  • The Earth Security Force:移住プロセスをモニターする人間。智子(Sophon)が募集。移住完了後は三体文明で自由に生きれる。何十億人もが応募する。

广播紀元(Broadcast Era)2272-2332

  • 万有引力(Gravity)が全宇宙に三体星と太陽系の座標を発信したことにより、三体文明が地球から退避していく。
  • 逻辑(Luo Ji)と程心(Cheng Xin)は智子(Sophon)の茶室に招待される。語り合う中で、地球存続のヒント教えてもらう。
  • 程心(Cheng Xin)と雲天明(Yun Tianming)が三体星人の監視下で再会。雲天明(Yun Tianming)は地球存続のヒントを込めた3つの物語を語る。いつかあの星(DX3906)で会う約束をして別れる。

掩体紀元(Bunker Era)2333-2400

  • 黒暗森林攻撃を避けるために、地球文明が木星(Jupiter)、土星(Saturn)、天王星(Uranus)、海王星(Neptune)の裏側に避難していた時代。地球には500万人だけが残っている。
  • 人類はSolar System Human(従来の地球人)とGalactic humans〔藍色空間(Blue Space)に乗って宇宙を開拓していた地球人〕に分かれる。
  • 白Iceや高Wayなど、中国語と英語をミックスした名前が現代的とされる。
  • 異星人の紙切れ(クレジットカードより少しだけ大きい)による次元削減攻撃で、太陽系の二次元化=滅亡が迫る。
  • 逻辑(Luo Ji)は冥王星(Pluto)に住み、地球文明の墓を作ることになる。
Sushi K
「ゴッホのStarry Nightは宇宙の2次元化」「モナリザの微笑は死神のよう」という描写が印象に残りました。

銀河紀元(Galaxy Era)2273-unknown

  • 異星人(歌い手文明)の次元削減攻撃で太陽系が二次元となり滅亡。
  • 人類の一部のみが太陽系の外側に逃亡することに成功し、新たな生活拠点を築く(Galactic humans)。
  • 程心(Cheng Xin)と艾AA(Ai AA)は光速を出せる宇宙船HaloでDX3906に移動。万有引力(Gravity)の科学者、関一帆(Guan Yifan)と出会う。
  • 宇宙は最初は十次元で光の速さは無限、そこから次元が減るにつれ光速も減速、最終的にゼロ次元になると光速もゼロになり、そこがDEAD ENDとなる〔関一帆(Guan Yifan)の推測〕。
  • 雲天明(Yun Tianming)もやってくるが、そのとき異星人の行動を探索しに行っていた関一帆(Guan Yifan)と程心(Cheng Xin)がデスライン(光速船の轍 = 曲率推進による空間の歪み = 低光速ブラックホール)に取り込まれてしまう。

DX3906星系黒域紀元(Black Domain Era for DX3906 system)2678-18,906,416

  • 光速が遅いと時間の流れが早い(相対性理論)ため、関一帆(Guan Yifan)と程心(Cheng Xin)の2人が戻って来たとき、DX3906では約1,900万年が経過していた。
  • その間、雲天明(Yun Tianming)と艾AA(Ai AA)は幸せに暮らし、「WE LIVED A HAPPY LIFE TOGETHER~」というメッセージを石に彫って残していた。
  • 雲天明(Yun Tianming)は程心(Cheng Xin)へ新たなプレゼント、ミニ宇宙(647番宇宙)を残していた。
Sushi K
ミニ宇宙は時間の外にあるという設定で、ここで過ごせば宇宙の終わりまで生きることができます(笑)

647番宇宙時間線(Timeline for Universe 647)18,906,416-unknown

  • 雲天明(Yun Tianming)がミニ宇宙(647番宇宙)を残した意図:ここに避難してビッグクランチ(宇宙の収縮)を回避し、次のビッグバン後の新しい宇宙に行けるようにすること。
  • ミニ宇宙には智子(Sophon)がいて、程心(Cheng Xin)と感動の再会を果たす。智子(Sophon)が地球で言ったとおりになる(The universe is grand, but life is grander. Perhaps fate will direct us to meet again.)
  • 一方の普通の宇宙では、帰零者〔the Zero-Homers、別名は回帰者(the Returnes)〕という知的な個人または文明が、宇宙の次元をゼロに進め、宇宙をリセットしようとしていた。
  • 回帰者はミニ宇宙の建設に反対している。理由は、ミニ宇宙に現宇宙の質量を持ち込むと、現宇宙の質量が不足し、宇宙の収縮ができず、宇宙のすべてが死んだまま永遠に膨張が続くと考えているから(Dearth would be eternal = 死神永生)。
  • 普通の宇宙で少なくとも100億年が経過したとき、ミニ宇宙にいる関一帆(Guan Yifan)と程心(Cheng Xin)は決断を迫られる。ミニ宇宙に残って自分達だけでも新しい宇宙に行ける方に賭けるか、普通の宇宙に戻り=質量を返し、自分達の死と引き換えに宇宙の存続を優先するか。

死神永生(Death's End)の感想

宇宙は地球に置き換えれる

三体第3部『死神永生』は、全シリーズ中で最も宇宙戦争が活発化し「生存」することがテーマになっていると思います。

そこでふと、第2部『黒暗森林』の冒頭で示される宇宙社会学の公理って、地球に置き換えれるのでは?と思いました。

宇宙社会学の公理

  1. 文明は生き残ることを最優先とする。
  2. 文明は成長し拡大するが、宇宙の総質量は一定である。

作中で各文明や各個人は「生存」を優先した行動をとるわけですが、長期的な目線で考えて、回帰者(the Returnes)のロジックが正しいとすると〔自分の都合でミニ宇宙に質量を持ち出し、自分だけ次の宇宙に行こうとすると(利己的に振る舞うと)、今の宇宙がぶっ壊れて、取り返しがつかなくなる(死神永生)〕、作中の宇宙が、現実の地球のように思えて来ないでしょうか?

宇宙の(地球の)運命は誰か1人の責任で決まるわけではないけれど、1人1人が少しずつ小さな責任を負っている、だから自分の小さな担当ぶんをちゃんとしようね、って言われているような気がしました。

時代と共に価値観は変わる

作中で大衆の価値観がコロコロ変わっていくところが、面白いなと(怖いなとも)思いました。

  • 逻辑(Luo Ji):面壁者(Wallfacer)として呪文が成功したときは神のように崇められたけど、時代が変わると、(生命がいたかもしれない)遠くの星を滅ぼした疑いで逮捕される。執剣者(Swordholder)のときは、絶対権力を有する独裁者のように思われる。
  • 面壁計画(Wallfacer Project):危機時代は受け入れられていたけど、時代が変わると、合理的な選択ではなく絶望の中でもがいて出した愚策だったと評価が一変。
  • 章北海(Zhang Beihai):自然選択(Natural Selection)で逃亡したときは人類の裏切り者だったけど、水滴(the Droplets)に地球艦隊が瞬殺されると、あの逃亡は英断だったと絶賛される。
  • 藍色空間(Blue Space):過去にやった他戦艦への攻撃を非難されていたが、万有引力(Gravity)と共に三体文明の座標を全宇宙に送信すると一転スーパーヒーローになり、過去の行いは正当防衛とみなされる。三体滅亡後は再び悪魔の扱い〔万有引力(Gravity)をハイジャックして邪悪な呪文を発した〕。
  • 程心(Cheng Xin):執剣者(Swordholder)に相応しい人類代表の女性→執剣者(Swordholder)の務めを果たせなかった無能な女性→再びGreat womanに。
  • The Earth Security Force(移住プロセスをモニターする人間):みんな応募したくせに、三体星人が去った後、多くは処刑される。
  • 英語と中国語の融合、家族という概念の崩壊、良心と義務のどちらかが過剰であれば精神疾患と見なされる、共通時代の男性は失礼、野蛮、汚い、十分に進化しておらず女性的な美しさが美徳とされるなど。
  • 三体星人のイメージ:危機紀元は悪魔、抑止紀元は神、ポスト抑止紀元は侵略者、广播紀元(Universal Broadcast後)は犠牲者。

覚えている限りピックアップしてみましたが、他にもあるかもしれません。

新しい事実を得ることで評価が変わることは全然いいと思うんですけど、後出しジャンケンで偉そうにあれこれ言うのはずるいなと思います。

大事なのは、そのときの手持ちの情報から、ちゃんとした判断が下せていたかどうかで、それができていればそのことは誇っていいこと、しっかり評価されるべきことなんじゃないかと思いました。

程心(Cheng Xin)にイライラしつつも、感動もした

三体第3部『死神永生(Death's End)』程心(Cheng Xin)の名前の意味

第3部主人公の程心(Cheng Xin)の「程」は、第2部主人公の逻辑(Luo Ji = logic)に近い意味の漢字で、そこに心が加わることで、プログラムが機能しないっていう意味の名前、キャラ設定と推測しました。大事な場面でグズるのは心があるから。

そんな程心(Cheng Xin)にはイライラもさせられましたが、最後まで自分を貫いて戦争回避したとこはグッと来ました。

逻辑(Luo Ji)やトマス・ウェイド(Thomas Wade)みたいな男性の重要キャラは、タカ派的に描かれていて危険だなと思いました。彼らが程心(Cheng Xin)の立場だったら、もっと簡単に戦争になっていたかも?程心(Cheng Xin)にイライラした自分も同じく危険だなと反省しました。

安易な発想ではありますが、世界各国のリーダーが女性になったら、今より戦争が減ったり、戦争勃発のリスクが下がったりするのかな?などと思いました。

Sushi K
この記事は以上です。ここまでお読みくださりありがとうございました。三体関連記事は他にもあるので、ぜひそちらもご覧ください!

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Sushi K

日系企業を3年未満で退職し、外資系10年以上(4社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEICは対策なしのぶっつけで915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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