外資K物語 第5話:ネガティブ思考に墜ちていた頃 - テレカン(電話会議)でのトラウマ、削除した録音

更新日:



ネガティブ思考へと堕ちていく

「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」

「ちなみにオレもKくんと同じ、普通の日本人。」

「Mさん、Nさん、Oさんみたいな帰国子女じゃないし、SさんやIさんみたいな留学経験もない。」

「それでも、努力すれば必ずできるようになるから。」


(ウソだ・・・100歩ゆずってそうだったとしても、それはあなたの地頭がいいからで、自分みたいな普通の人間には無理だ・・・)


英語に自信をなくし、弱気になっていた時、私はつい、日本人のSさんに弱音を吐いてしまいました。

上記は、それに対する彼の言葉と、私の心の声です。


Sさんも日本で生まれ、日本で育ち、帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人。

条件は私と同じです。


なぜ私はここまでネガティブになっていたのか?

シンガポールでの研修から帰国した後、いよいよ本格的に業務が始まり、その中で私は自信を失っていました。


とにかく、周りのみんなの英語がめちゃくちゃ上手い。

帰国子女、留学経験者、とても太刀打ちできない。


彼女たちと私の間には、圧倒的な差がありました。

それは、努力してどうにかなるものではない、根本的に何かが違う、圧倒的な差に思えました。


私は、自分の下手くそな英語が恥ずかしくて、自席で電話する時、自然と声が小さくなっていました。

そのうち私は、海外と電話会議をする時は、会議室を使うように。

みんなに自分の英語を聞かれたくないから、誰にも聞かれない個室に逃げていたのです。

UKからのため息がトラウマになる

ある日、クライアントも含めたグローバルのテレカン(電話会議)がありました。

このテレカンの参加者は、私と、日本人のクライアントHさんと、クライアントUKオフィスの担当者と、あと他にクライアントの外国人が、EUのどこかの国に何人か。


会議の議論が複雑になって、私はすぐについていけなくなりました。

外国人が聞いているのを承知の上で、日本語でHさんに状況を確認してみると、Hさんもよくわからないとのこと。


Hさんも英語はそこまで得意ではなかったので、状況的に、私がなんとかしなければなりませんでした。

私は必死に考え、自分の考えを、たどたどしい英語で、しゃべってみたものの、UKの担当者には伝わらなかったようで。


すると、スピーカーから、UK担当者のため息が。。。


私はこれには、ひどく傷つきました。

みんな忙しい中、日本とヨーロッパの時差も考慮し、せっかく予定を合わせて開催した会議だったのに、

私の英語力があまりにも低く、忙しいみんなの時間を無駄にしていた。


UKのため息が、そのことに対するため息なのは明らかでした。

スピーカー越しに、イライラしているのが伝わってくる。


せっかく関係者の予定を合わせたのに、このテレカンは中止となり、続きはメールでやることになりました。


いつものとおり、iPhoneのボイスメモを聞いてみると、自分の英語があまりにも酷くて。

こ、これがオレ???

と、私は現実を疑いました。


ただ英語が下手なだけじゃなくて、子供っぽいというか、プロフェッショナルにはほど遠いもので。

聞くに耐えられない。

もちろん、あのため息もしっかりと録音されています。

そのため息を聞いた時は、さっき負ったばかりの傷が、ナイフでえぐられるようで、本当に辛かったです。


普段は、テレカンのボイスメモをリスニング教材にして、通勤中に何度も聞き直していたものですが、この日の録音だけは、これ以上聞くことができませんでした。


ここから学ばなきゃ、と自分に言い聞かせ、ボイスメモを聞いてみるのですが、聞く度に心の傷がえぐられて。。。

結局、私はその録音をiPhoneから削除してしまいました。


Sさんの「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」に対し、

私の心が(ウソだ・・・100歩ゆずってそうだったとしても、それはあなたの地頭がいいからで、自分みたいな普通の人間には無理だ・・・)と反応していたのには、このような背景がありました。

傷つきながら、本番の中で学んでいく

「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」

結論から言うと、Sさんのこの言葉は本当でした。

今では私も、普通にテレカンに対応できるようになっています。


その過程を振り返ると「傷つきながら、本番の中で学んでいく。」ことにポイントがあったように思います。


私は経験上、いくら英語を勉強しても、不安が消えることはありませんでした。

どんなに勉強しても、その実力を本番で試さない限り、その実力が通用するかはわからないからです。


通用するかわからないから不安になる、自信が持てない。

通用すると知るためには、本番で試してみるしかない。


私がラッキーだったのは、日々の業務が本番として、問答無用で目の前にあったことです。

傷つくのが怖いから、チャレンジしないで保留する、という選択肢は最初からありませんでした。

私に拒否権はなく、否応無しに本番の連続。


苦手なテレカンで、何度も失敗し、恥をかき、傷つきました。

でも、少しずつ通用する部分が増えて、英語力と自信が身についていきました。

自分の中で『これくらいの力がついたらこれくらいの仕事をしよう』と 思ってもその仕事は来ない。
必ず実力よりも高めの仕事が来る。
それはチャンスだから、絶対怯んじゃだめ。
Togetterタモリさんの言葉

タモリさんのこの言葉には、100% agreeです。

勉強するのは大切なことだけど、勉強はチャレンジを先延ばしにすることの、都合の良い言い訳になりがちな点には注意が必要です。


勉強、勉強、勉強って、

いつまで勉強すれば十分なのでしょうか?

勉強ばかりしていたら、勉強してるうちに人生が終わってしまいます。

最短で英語を身につけたいのであれば、本番の中で学ぶことが最も効率的。

私は自分の経験からそう思うようになりました。

自信を身につけるステップを逆算して考える

逆算してみましょう。

もう英語の勉強はやめてもいい

★本番での成功体験=自分には十分な英語力が身についた

本番に挑む=プレゼン、テレカン、面接、旅行、恋愛など

勉強する


上記のとおり、本番での成功体験がないと「勉強をやめていい」いう判断ができないため、いつまでもズルズルと勉強し続けることになります。

本番での成功体験をつかむためには、本番に挑むしかありません。


しかし、本番が未来のことである以上、上手く行くかは、やってみないとわからない。

なので、本番は誰にとっても、多かれ少なかれ、バクチ的な要素、「えいや」という踏み込みが必要になる。


そして、人間である以上、勝率100%の人は絶対にいない。

誰もが必ず、失敗し、傷つくことになる。

無傷で英語ができるようになった人はいない。

英語ができるあの人も、この人も、みんな必ず、英語で傷ついた経験がある。

PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ

本番がどうなるかは、やってみないとわからない。

やってみたら、意外と行けるかも。

ダメだったら、また次にやり直せばいい。


傷つくという結果は、本番にチャレンジしたことの裏返し。

チャレンジを続ける限り、英語は絶対に話せるようになります。

「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」

by サッカー元イタリア代表ロベルト・バッジョ


「傷つきながら、本番の中で学んでいく。」

英語を話せるようになりたいのであれば、これが最短の道だと、私は確信しています。


今回は以上です。次回に続きます。

外資K物語 第6話:外国人と恋愛したら、英語力が上がった

初めての外国人彼女 外国人との恋愛も、外資系企業に転職してから経験したことの一つでした。 なので "I love you."という言葉を、人生で何回か言ったことがあります。 初めての外国人彼女は韓国人 ...

続きを見る

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

2019/8/26

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

ある意味では、夢を叶えたのかもしれない AsiaPacificリージョンでシニアへと昇進した私のキャリアは順調でした。 学生時代に想像していたできる自分像、 「外資系企業で、英語を使って、世界中の人と、ダイナミックに仕事をしている。」 「オフィスはキレイで、オシャレで、たまに海外出張なんかもあったりする。」 みたいなものは、全て実現。 さらに、シニアになった私は、AsiaPacificリージョンの仕事だけでなく、グローバルレベルの仕事も任せてもらえるようになりました。 エグゼクティブとか上には上があるけれ ...

ReadMore

外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得を法律で強制すべきだ

2019/6/18

外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得は法律で強制すべきだ

男性の昇進と女性の産休 外資系企業は男女平等? この問いに対する私の回答はyesです。 少なくとも私の経験からはyes。 外資系企業には必ずequal opportunity policyという男女平等をうたったポリシーがあって、女性の管理職も多い。 実際、私の直近の上司3人は女性です。 さて、今回は、「男性の昇進と女性の産休」について、書きたいことがあって、今キーボードを叩いています。 きっかけは「東京医大の女子受験生一律減点」でした。 (当時から少し時間が経ってしまいましたが) この2つは、厳密には違 ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第10話:台湾で働いて、海外で働くという幻想から目が覚めた

隣の芝は青く見える、海外へのあこがれ 海外で働くって、カッコよさそうで、あこがれますよね。 海外在住者のSNS投稿はキラキラして見えるし。 それに対して日本は、謎のおっさん支配、満員の通勤電車、長時間労働。。。 じゃあ、海外に出れば、自分らしく生きられる? 私の答えは「必ずしもそうとは限らない」です。 問題の本質は場所じゃない、という考え方です。 なぜそう思うのか、私の経験を以下に書いていきます。 台湾オフィスで働いてわかったこと 前回記事に書いたとおり、私は台湾で2週間、台湾オフィスに勤務していました。 ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第9話:【台湾で育児体験】在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった。

在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった 「在宅勤務じゃないと育児は無理。一瞬でわかった。」 これは私が台湾で2週間、育児体験をした時、心からそう思った感想です。 今日は5pmに子供のお迎えがあるから4:30pmには会社を出ないと。 そういう時に限って、4pm頃に至急の仕事が来たり。 なぜ今それが来るのか?どんなタイミングだよ。。。 R君、遅くなってごめんね。 やっと仕事が終わっても、どんなに疲れていても、親の仕事は終わらない。 家に帰ったらすぐ家事育児。 食事や洗濯はもちろん、一緒に絵本を読んだり ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第8話:AsiaPacificリージョンで働き、学び、今も大切にしていること

みんな英語非ネイティブ 外資系企業へ転職してから4年目、私はAsiaPacificリージョンの部門へ移動を希望し、それが実現しました。 AsiaPacificリージョンとは? グローバル企業は、主にGlobal, Regional, Localの3つのレベルで構成されています。 Global:文字どおり全世界レベルの大きな方針を打ち出すところで、いわゆる偉い人たちの集まり。 Regional:North America, South America, Europe, Middle-East, AsiaPa ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第7話:外資系グローバル企業に転職して良かったことと、今も残る罪悪感

外資系グローバル企業に転職して良かったこと 東日本大震災後の海外エグゼクティブからのメッセージに感動した 東日本大震災は2011年3月11日金曜日のことでした。 翌営業日は2011年3月14日月曜日。 まだ地震後の混乱も残り、交通機関も正常に機能していません。 にもかかわらず、多くの日本人が出社。 その映像や画像を見て違和感を覚えた人も多かったと思います。 当時私が勤めていた外資系グローバル企業(世界50カ国にオフィスあり)では、会社からすぐ「翌1週間は自宅待機」の指令が出て、業務は完全にオフとなりました ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第6話:外国人と恋愛したら、英語力が上がった

初めての外国人彼女 外国人との恋愛も、外資系企業に転職してから経験したことの一つでした。 なので "I love you."という言葉を、人生で何回か言ったことがあります。 初めての外国人彼女は韓国人で、私たちは(前々回記事の)シンガポール研修で出会い、付き合うことになりました。 彼女と私は、研修中から、なんとなく、お互いに意識しあっていたと思います。 落ちたらクビという試験に備え、夜のスタバ(Raffles City店)で試験勉強をしていた時も、心のどこかでは密かに、Eに会えないかな、と期待していました ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第5話:ネガティブ思考に墜ちていた頃 - テレカン(電話会議)でのトラウマ、削除した録音

ネガティブ思考へと堕ちていく 「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」 「ちなみにオレもKくんと同じ、普通の日本人。」 「Mさん、Nさん、Oさんみたいな帰国子女じゃないし、SさんやIさんみたいな留学経験もない。」 「それでも、努力すれば必ずできるようになるから。」 (ウソだ・・・100歩ゆずってそうだったとしても、それはあなたの地頭がいいからで、自分みたいな普通の人間には無理だ・・・) 英語に自信をなくし、弱気になっていた時、私はつい、日本人のSさんに弱音を吐いてしまいました。 上記は ...

ReadMore

2019/6/23

外資K物語 第4話:二週間缶詰の海外研修を香港/韓国/インド/フィリピン/シンガポール/オーストラリア人と過ごして学んだこと

シンガポールでの入社研修 with AsiaPacificリージョンの同期 私が転職した外資系企業は、入社直後に海外研修を行うことが恒例となっていました。 AsiaPacificリージョン各国の同期と、一緒に、二週間缶詰。 楽しみな一方で、私はあることを恐れていました。 それは、オファーレターに記載されていた「研修の修了試験に落ちたらクビ。」という合意事項です。 オファーレターとは? 内定通知のようなもの。職位、責務、給与等の諸条件が記載されてる。会社とこちらの双方が署名することでこれらに合意するための文 ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第3話:テレカン(電話会議)の、英語の、人としての基本

入社初日、いきなり海外とのテレカン(電話会議) 「今日8pmからUKとテレカン(電話会議)があるから、minutes(議事録)お願い。」 外資系転職後の出社初日、私はいきなりこう言われました。 UKとテレカンって、いきなり言われても。。。 イギリス英語は苦手なんだけど、大丈夫だろうか。。。 日中ドキドキしながら、入社関連のオリエンテーション、トレーニング(全て英語)をこなした後で、いよいよその時が。 私はリスニングに自信がなかったので、リーダーの許可を得た上で、iPhoneのvoice memoでテレカン ...

ReadMore

2019/6/18

外資K物語 第2話:外資系企業への転職 with ロバート・ウォルターズ ( Robert Walters )

外資系転職エージェント、ロバート・ウォルターズ(Robert Walters) 私の人生を変えることになるメッセージが、LinkedIn(リンクトイン)に届いた複数のメッセージの中に含まれていました。 それはグローバル転職エージェント、ロバート・ウォルターズのMからのものでした。 ロバート・ウォルターズとは?英語を活かした転職に強い、転職エージェント。本社はイギリスのロンドンで、世界28ヶ国の主要都市にオフィスを構える。日本では英語を活かせる求人だけに特化。ラグビー日本代表のオフィシャルスポンサー。 &# ...

ReadMore

2019/11/17

外資K物語 第1話:今までに言われて一番悔しかった言葉「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」

今までに言われて一番悔しかった言葉 「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」 クライアントのお偉いさんが、ウチのリーダーにこう言った。 つまり、リーダーの能力は評価された一方で、ウチの会社と、そこにいる全ての人たちは、侮辱されたわけです。 そのお偉いさんから見たら、ウチの会社はただの下請け企業。 彼はそういう意味で 「こんなところ」と言ったのです。 私がいるのは「こんなところ」なんだ。。。 今までの人生で言われて、一番くやしかった言葉です。 その日は、両社で開始するプロジェクトのキックオフミーティング ...

ReadMore

地上から空を見上げると、高層ビル、水色の空、輝く太陽が見える。

2019/7/1

【外資K物語】第0話:外資系に転職して人生が変わった。全12話のまとめ

外資系企業に転職して私の人生が変わったことは、プロフィール記事でも少し書きました。 しかし、決して全てが順調に行ったわけではなく、その過程で多くの困難を経験したのも事実です。 この記事では、まず、外資系へ転職して良かったこと、大変だったことの両面を紹介し、その後、全12話『外資K物語』の概要をまとめます。 こんな方に読んでほしい 英語や海外に興味のある方 日系企業に不満のある方 外資系企業への転職に興味がある方 外資系へ転職して良かったこと、大変だったこと 良かったこと 年収は最大で400万円アップ(日系 ...

ReadMore

ロバート・ウォルターズ
  • この記事を書いた人

K

日系企業を3年未満で退職し、外資系9年目(3社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

-外資K物語

Copyright© 外資系9年目、英語とか転職とか , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.