外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得は法律で強制すべきだ

更新日:

外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得を法律で強制すべきだ



男性の昇進と女性の産休

外資系企業は男女平等?

この問いに対する私の回答はyesです。

少なくとも私の経験からはyes。


外資系企業には必ずequal opportunity policyという男女平等をうたったポリシーがあって、女性の管理職も多い。

実際、私の直近の上司3人は女性です。


さて、今回は、「男性の昇進と女性の産休」について、書きたいことがあって、今キーボードを叩いています。

きっかけは「東京医大の女子受験生一律減点」でした。

(当時から少し時間が経ってしまいましたが)



この2つは、厳密には違うトピックですが、女性が不利な条件にある/あった、という点では共通点があります。


これから私が書くことは、私が勤めていた外資系グローバル企業での話です。

私はあの時、「男性の昇進と女性の産休」に、初めて自分事として直面しました。

決して気持ちの良い経験ではなかったけれど、自分の中に完全に欠落していた視点に気がついた、

という意味では、世界観の変わる経験ができて、結果的には良い経験になったと思っています。

当時の状況

最初に、当時の状況を紹介します。

舞台は世界約50カ国にオフィスがあるグローバル企業。

主な登場人物は以下の3人で、私たちはAsiaPacificリージョンの部門に所属していました。

  • 私(男性。東京オフィスの日本人。)
  • 後輩(女性。中国オフィスの中国人。以下Aとします。)
  • 上司(女性。オーストラリアオフィスのオーストラリア人。以下Eとします。)

AsiaPacificリージョンとは?

グローバル企業は、主にGlobal, Regional, Localの3つのレベルで構成されています。

  • Global:文字どおり全世界レベルの大きな方針を打ち出すところで、いわゆる偉い人たちの集まり。
  • Regional:North America, South America, Europe, Middle-East, AsiaPacificなど、これくらいの規模感でのグループ分け。私たちがいたのはAsiaPacificで、中国、韓国、香港、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリア、日本を担当していました。
  • Local:各国現地で現地特有のもっと細かい業務を担当します。

グローバル企業なので、社内の公用語は英語です。

また、お互いに物理的距離があるので、コミュニケーションは電話、メール、チャットのみ。

Face to Faceでは一度も会ったことはありません。

しかし、不思議なことに、私たちは、家族のような一体感のある、良いチームでした。


私たち3人のタイトル(職位)は次のとおりです。

  • レベルI
  • レベルII←私はここで2年目。後輩Aはここで1年目。
  • シニア
  • マネージャー←上司E

他のメンバーは、韓国、台湾、マレーシア、オーストラリアに散らばっていて、全員が女性。

その内4人がシニアで、レベルⅠが4人、レベルIIが私やAを含む5人。

次にシニアになれるのは、この5人の中の誰かです。


上司Eは私のことを評価してくれていて、半年ごとにやってる電話面談では、次の昇進の時期(これも半年おき)に、私をシニアに上げてくれる、と言われていました。


一方、後輩Aも優秀でした。

いちおう、私の方が先輩なので、Aから私に質問してくることも少なくなく、私は先輩として彼女にアドバイスをしていました。

でも、彼女の質問は、どれも的を得ていて、私自身が気づかされること、学ぶことも多かった。

彼女と数回やりとりしただけで、「この子はできる。」とすぐにわかりました。

初めて経験した、自分事としての、女性の産休

楽しみにしていた昇進まで、あと1ヶ月くらいのころ、上司からチーム全体に1通のメールが。

後輩のAが産休に入る、と言う連絡でした。


Congratulation!


・・・


・・・


・・・


あ、あれ、何だろうこの違和感???


その数秒後、私はあることに気づき、愕然となりました。

今まで考えたこともなかった視点に気づき、目の前に新しい世界が広がるような感覚。

私はこの時、初めて、女性の産休を、当事者として経験したのだと思います。


ここから先は仮定の話です。


私は次のシニアに上司と口頭で内定していました。私は私なりにがんばったし、次に私がシニアになることには、何の引け目を感じる必要もありません。

一方、Aがとても優秀だったのも事実で、私はそのことが引っかかりました。

私の方がAより1年長くキャリアを積んでいたから、当時の実力から言えば、私の方がAより上だったと思います。

でももし、私とAが同時にこのチームでスタートしていたら、私がAに勝てたという保証はどこにもない。

女性は産休がある分、キャリアアップにおいてハンデを背負っている。

同時スタートのパターンを想像した時、私はそのことを、初めて、リアリティーを持って理解することができました。


女性、男性にかかわらず、誰もがバリバリ働いて、キャリアアップを目指しているわけでもない。

仕事はほどほどで、プライベートの時間を重視したいという人もいる。

Aがどっちだったかは、わかりません。

ただ、もし、Aがバリキャリ路線を目指していたのだとしたら、出産というライフイベントは、女性にとって明らかなハンデ。

その分、男性の自分は有利な立場にあった。

男性の育休取得は法律で強制にすべきだ

この経験から、私は「男性の育休休暇取得を法律で強制にすべき」と考えるようになりました。

逆に、なぜ男性の育児休暇取得が任意になっているのか、理解に苦しみます。


なぜなら、男女のキャリアの公平性うんぬんの前に、育児というライフイベントは、男性と女性の2人で協力してやるものだからです。


女性は出産で強制的にキャリアがストップする。

男性に出産することはできないけど、育児ならできる。

少なくとも育児の期間は男性も強制的にキャリアストップで良いはずだ。


そうすることで、この問題を「男性vs女性」ではなく、「出産を選択する人orしない人」へ変えることができると思うのです。


前者は本人に選択権のない問題。後者は本人の選択の問題。

前者のように、本人にはどうすることもできない問題で、キャリアに有利不利が生まれるのは如何なものか。

逆に、産まない選択をした人がキャリアで有利になるのならOKでしょう。

本人の選択によって、キャリアに有利不利が生まれるのなら、納得感が得られます。

メモ : Just an Idea

ふと思ったのですが、独身の方、既婚だけど産まない選択をした方も、キャリアのどこかで、最低一回、育児休暇と同期間の休暇を取得しなければならない、という法律があってもいいのかもしれません。

その間に、世界を旅して見聞を広めたり、読みたかった本を読んだり、やりたかった勉強をしたりと、各自が自由に過ごすんです。

人生がより豊かになるだろうし、産む選択をした人とギャップも縮められるだろうし。

ついでに書かせてもらうと、私はイクメンが評価されることの意味がわからないです。

夫婦のことなんだから、2人で協力するのが当たり前なはずで、なぜそれを男性がやるとプラスの評価になるのか?

男性もやって当然。そこがプラスマイナス0の地点。やらないとマイナス。これが普通だと思うけど。。。


さて、今回が11回目の外資K物語ですが、次の12回目が最終回となります。

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。
外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

ある意味では、夢を叶えたのかもしれない AsiaPacificリージョンでシニアへと昇進した私のキャリアは順調でした。 学生時代に想像していたできる自分像、 「外資系企業で、英語を使って、世界中の人と ...

続きを見る

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

2019/12/1

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

ある意味では、夢を叶えたのかもしれない AsiaPacificリージョンでシニアへと昇進した私のキャリアは順調でした。 学生時代に想像していたできる自分像、 「外資系企業で、英語を使って、世界中の人と、ダイナミックに仕事をしている。」 「オフィスはキレイで、オシャレで、たまに海外出張なんかもあったりする。」 みたいなものは、全て実現。 さらに、シニアになった私は、AsiaPacificリージョンの仕事だけでなく、グローバルレベルの仕事も任せてもらえるようになりました。 エグゼクティブとか上には上があるけれ ...

ReadMore

外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得を法律で強制すべきだ

2019/12/1

外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得は法律で強制すべきだ

男性の昇進と女性の産休 外資系企業は男女平等? この問いに対する私の回答はyesです。 少なくとも私の経験からはyes。 外資系企業には必ずequal opportunity policyという男女平等をうたったポリシーがあって、女性の管理職も多い。 実際、私の直近の上司3人は女性です。 さて、今回は、「男性の昇進と女性の産休」について、書きたいことがあって、今キーボードを叩いています。 きっかけは「東京医大の女子受験生一律減点」でした。 (当時から少し時間が経ってしまいましたが) この2つは、厳密には違 ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第10話:台湾で働いて、海外で働くという幻想から目が覚めた

隣の芝は青く見える、海外へのあこがれ 海外で働くって、カッコよさそうで、あこがれますよね。 海外在住者のSNS投稿はキラキラして見えるし。 それに対して日本は、謎のおっさん支配、満員の通勤電車、長時間労働。。。 じゃあ、海外に出れば、自分らしく生きられる? 私の答えは「必ずしもそうとは限らない」です。 問題の本質は場所じゃない、という考え方です。 なぜそう思うのか、私の経験を以下に書いていきます。 台湾オフィスで働いてわかったこと 前回記事に書いたとおり、私は台湾で2週間、台湾オフィスに勤務していました。 ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第9話:【台湾で育児体験】在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった。

在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった 「在宅勤務じゃないと育児は無理。一瞬でわかった。」 これは私が台湾で2週間、育児体験をした時、心からそう思った感想です。 今日は5pmに子供のお迎えがあるから4:30pmには会社を出ないと。 そういう時に限って、4pm頃に至急の仕事が来たり。 なぜ今それが来るのか?どんなタイミングだよ。。。 R君、遅くなってごめんね。 やっと仕事が終わっても、どんなに疲れていても、親の仕事は終わらない。 家に帰ったらすぐ家事育児。 食事や洗濯はもちろん、一緒に絵本を読んだり ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第8話:AsiaPacificリージョンで働き、学び、今も大切にしていること

みんな英語非ネイティブ 外資系企業へ転職してから4年目、私はAsiaPacificリージョンの部門へ移動を希望し、それが実現しました。 AsiaPacificリージョンとは? グローバル企業は、主にGlobal, Regional, Localの3つのレベルで構成されています。 Global:文字どおり全世界レベルの大きな方針を打ち出すところで、いわゆる偉い人たちの集まり。 Regional:North America, South America, Europe, Middle-East, AsiaPa ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第7話:外資系グローバル企業に転職して良かったことと、今も残る罪悪感

外資系グローバル企業に転職して良かったこと 東日本大震災後の海外エグゼクティブからのメッセージに感動した 東日本大震災は2011年3月11日金曜日のことでした。 翌営業日は2011年3月14日月曜日。 まだ地震後の混乱も残り、交通機関も正常に機能していません。 にもかかわらず、多くの日本人が出社。 その映像や画像を見て違和感を覚えた人も多かったと思います。 当時私が勤めていた外資系グローバル企業(世界50カ国にオフィスあり)では、会社からすぐ「翌1週間は自宅待機」の指令が出て、業務は完全にオフとなりました ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第6話:外国人と恋愛したら、英語力が上がった

初めての外国人彼女 外国人との恋愛も、外資系企業に転職してから経験したことの一つでした。 なので "I love you."という言葉を、人生で何回か言ったことがあります。 初めての外国人彼女は韓国人で、私たちは(前々回記事の)シンガポール研修で出会い、付き合うことになりました。 彼女と私は、研修中から、なんとなく、お互いに意識しあっていたと思います。 落ちたらクビという試験に備え、夜のスタバ(Raffles City店)で試験勉強をしていた時も、心のどこかでは密かに、Eに会えないかな、と期待していました ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第5話:ネガティブ思考に墜ちていた頃 - テレカン(電話会議)でのトラウマ、削除した録音

ネガティブ思考へと堕ちていく 「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」 「ちなみにオレもKくんと同じ、普通の日本人。」 「Mさん、Nさん、Oさんみたいな帰国子女じゃないし、SさんやIさんみたいな留学経験もない。」 「それでも、努力すれば必ずできるようになるから。」 (ウソだ・・・100歩ゆずってそうだったとしても、それはあなたの地頭がいいからで、自分みたいな普通の人間には無理だ・・・) 英語に自信をなくし、弱気になっていた時、私はつい、日本人のSさんに弱音を吐いてしまいました。 上記は ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第4話:二週間缶詰の海外研修を香港/韓国/インド/フィリピン/シンガポール/オーストラリア人と過ごして学んだこと

シンガポールでの入社研修 with AsiaPacificリージョンの同期 私が転職した外資系企業は、入社直後に海外研修を行うことが恒例となっていました。 AsiaPacificリージョン各国の同期と、一緒に、二週間缶詰。 楽しみな一方で、私はあることを恐れていました。 それは、オファーレターに記載されていた「研修の修了試験に落ちたらクビ。」という合意事項です。 オファーレターとは? 内定通知のようなもの。職位、責務、給与等の諸条件が記載されてる。会社とこちらの双方が署名することでこれらに合意するための文 ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第3話:テレカン(電話会議)の、英語の、人としての基本

入社初日、いきなり海外とのテレカン(電話会議) 「今日8pmからUKとテレカン(電話会議)があるから、minutes(議事録)お願い。」 外資系転職後の出社初日、私はいきなりこう言われました。 UKとテレカンって、いきなり言われても。。。 イギリス英語は苦手なんだけど、大丈夫だろうか。。。 日中ドキドキしながら、入社関連のオリエンテーション、トレーニング(全て英語)をこなした後で、いよいよその時が。 私はリスニングに自信がなかったので、リーダーの許可を得た上で、iPhoneのvoice memoでテレカン ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第2話:外資系企業への転職 with ロバート・ウォルターズ ( Robert Walters )

外資系転職エージェント、ロバート・ウォルターズ(Robert Walters) 私の人生を変えることになるメッセージが、LinkedIn(リンクトイン)に届いた複数のメッセージの中に含まれていました。 それはグローバル転職エージェント、ロバート・ウォルターズのMからのものでした。 ロバート・ウォルターズとは?英語を活かした転職に強い、転職エージェント。本社はイギリスのロンドンで、世界28ヶ国の主要都市にオフィスを構える。日本では英語を活かせる求人だけに特化。ラグビー日本代表のオフィシャルスポンサー。 &# ...

ReadMore

2019/12/1

外資K物語 第1話:今までに言われて一番悔しかった言葉「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」

今までに言われて一番悔しかった言葉 「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」 クライアントのお偉いさんが、ウチのリーダーにこう言った。 つまり、リーダーの能力は評価された一方で、ウチの会社と、そこにいる全ての人たちは、侮辱されたわけです。 そのお偉いさんから見たら、ウチの会社はただの下請け企業。 彼はそういう意味で 「こんなところ」と言ったのです。 私がいるのは「こんなところ」なんだ。。。 今までの人生で言われて、一番くやしかった言葉です。 その日は、両社で開始するプロジェクトのキックオフミーティング ...

ReadMore

地上から空を見上げると、高層ビル、水色の空、輝く太陽が見える。

2019/12/1

【外資K物語】第0話:外資系に転職して人生が変わった。全12話のまとめ

外資系企業に転職して私の人生が変わったことは、プロフィール記事でも少し書きました。 しかし、決して全てが順調に行ったわけではなく、その過程で多くの困難を経験したのも事実です。 この記事では、まず、外資系へ転職して良かったこと、大変だったことの両面を紹介し、その後、全12話『外資K物語』の概要をまとめます。 こんな方に読んでほしい 英語や海外に興味のある方 日系企業に不満のある方 外資系企業への転職に興味がある方 外資系へ転職して良かったこと、大変だったこと 良かったこと 年収は最大で400万円アップ(日系 ...

ReadMore

ロバート・ウォルターズ
  • この記事を書いた人

K

日系企業を3年未満で退職し、外資系9年目(3社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEIC 915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

-外資K物語, 転職

Copyright© 外資系9年目、英語とか転職とか , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.