ブラック企業から転職する為に知っておくべき心理学【認知的不協和の実験(フェスティンガー )】

ブラック企業から転職する為に知っておくべき心理学:認知的不協和の実験【フェスティンガー】

とんかつ
少ない月給、長時間労働だけど、やりがいと自己成長は感じられる。
今の仕事は悪くない。むしろ楽しい。
やきとり
れおん
え?ちょっと待って、それ、本当?
自分に嘘をついてない?
うなぎ


ブラック企業にいる人ほど、自分に嘘をつき、現状維持の罠にはまってしまいます。

そう言い切れる根拠として、この現象は「認知的不協和」と呼ばれ、フェスティンガーとカールスミスの実験(1959年、スタンフォード大学)で、科学的に証明されていることがあります。

この記事では、この有名かつ古典的な実験を紹介し、やりがい搾取の罠をあばきます。

もしあなたが今、ブラック企業の罠にはまっているのであれば、

現実を正しく認識し、現実を変える一歩を踏み出し、より良い未来に向かって行ける、

そんなきっかけに、この記事がなれればと思います。

この記事を読んでわかること

  • ブラック企業にいる人ほど、自分に嘘をついてしまう罠をあばく。
  • 認知的不協和とは?フェスティンガーとカールスミスの実験で説明。
  • ブラック企業のやりがい搾取に気をつけて!

この記事を書いた人

今年で外資系歴9年目、日本生まれ日本育ちの日本人です。TOEICスコア915(2019年)。独学でここまできた経験を、日本人英語学習者のために共有しています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。

ブラック企業にいる人ほど、自分に嘘をついてしまう罠をあばく。

認知的不協和とは?

認知的不協和とは?

  • 本心と現実に矛盾があるとき、あなたが感じる不快感。
  • 例:ブラック企業には勤めたくないけど、現実に今、勤めている。

解消する2つの方法

  • 自分を変える:自分の本心に嘘をつく(例:仕事は大変だけど、やりがいがある、成長できる)
  • 現実を変える:そのための行動を起こす(例:転職する)。


要は、本心と現実に矛盾があるとき、そのままでは自分の心が壊れてしまうので、本心か現実のどちらかを変えることでバランスを取ろうとする、っていう人間の性のことです。

そして、大抵の場合、現実を変えるのは大変なので、多くの人は自分の本心に嘘をつく方を選んでしまいます。

その方が楽なので、短期的にはいいのかもしれませんが、長期的に、本質的に、何の解決にもなっていないですよね。

フェスティンガーとカールスミスの実験




認知的不協和は、フェスティンガーとカールスミスの実験が有名です(二人ともアメリカのスタンフォード大学の心理学者)。

英語ではありますが、実際の実験を3分半にまとめた動画があるので貼っておきます↑。

この実験を要約すると、下記のとおりです。


実験方法

  • 手順1:被験者につまらない作業をやってもらう(例:ボード上の何十個もの留め金を1/4だけ時計回りに回していく)。
  • 手順2:被験者に報酬(1ドルor20ドル)を与え、次の被験者に「楽しい作業だった」と嘘をついてもらう。
  • 手順3:その後、被験者に、作業は楽しかったか?またこの実験に参加したいか?と聞く。
  • 検証すること:1ドル(明らかに少ない報酬)と20ドル(十分な報酬)をもらった被験者で、答えはどう変わるか?

実験結果

  • 1ドルグループ:「作業は楽しかった。」「この実験にまた参加したい。」
  • 20ドルグループ:「作業はつまらなかった。」「この実験にはもう参加したくない。」

実際の論文



▼1ドルグループの結果の解釈


認知的不協和(フェスティンガーとカールスミスの実験)報酬1ドル


この画像は、1ドルグループの人が、

  • Yes, I enjoyed it. (はい、私は作業を楽しみました。)
  • Yes, I think I would like to (participate again)(はい、また参加したいと思います。)

と、答えた時のものです。

3:20~3:32までの12秒を見るとわかるのですが、

  • Yesと言う前に下を向いて悲しそうな顔をしているところ
  • 無理やり笑顔を作っている感
  • "I would like to ~" と直接的に言い切らず、"I think"を入れて言い切りを避けている(言い切れない)ところ


私はここを見た時ドキッとして、悲しい気持ちになりました。

私も含め、過去や現在、こういう気持ちになったことがある人、今まさになっている人は、多いんじゃないかと思います。


彼女はなぜ「Yes(=楽しかった/また参加したい)」と嘘をついたのでしょうか?

認知的不協和を解消する2つの方法を思い出してみてください。

  • 自分を変える:自分の本心に嘘をつく。
  • 現実を変える:そのための行動を起こす。

フェスティンガーとカールスミスの実験の場合、選択肢は1つ「自分を変える=自分に嘘をつく」しかありません。

なぜなら、たった1ドルしかもらっていないという現実は、もう変えようがないからです。

現実は変えられないから、自分を変えるしかない。

自分に嘘をつかないと、自分の心が壊れてしまう。

自分の心を守るために、自分に嘘をつかざるを得ない。

認知的不協和って、悲しいですよね。。。


▼20ドルグループの解釈


認知的不協和(フェスティンガーとカールスミスの実験)報酬20ドル


こちらは20ドルグループの人の画像で、動画の2:47~2:51で次のように回答しています。

  • It really wasn’t enjoyable.(まったく楽しくなかった。)
  • In fact, it was rather boring.(実際、かなり退屈だった。)

彼は「つまらないものはつまらない」と正直に回答できています。

つまらない作業をつまらないと感じた↔︎「楽しかった」と次の被験者に嘘をつく行為

この2つは矛盾していますが、彼は20ドルという十分な報酬をもらっているので、心にストレスはありません。

お金をもらったからやった。その金額も十分だった。

という言い訳ができるからです。

つまり、20ドルグループに、認知的不協和は起こっていない、ということです。


一方、1ドルグループは、この言い訳ができませんから、認知的不協和が起こっています。

この認知的不協和を解消する為には、つまらなかった作業を「楽しかった」と自分に嘘をつくしかありません。

なぜなら、1ドルしかもらっていないという事実は、もう変えることができないからです。

さらには、「つまらない作業をたった1ドルでやった」ことを認めてしまうと、自分がみじめになるからです。

それを認めてしまうと、自分で自分を傷つけてしまう。自分の心が壊れてしまう。

自分の心を守る為に、現実から目を背け、自分に嘘をつく必要があるわけです。

ブラック企業のやりがい搾取に気をつけて!

ブラック企業のやりがい搾取に気をつけて!


この記事を書いていて、自分でも辛いですし、あなたに伝えるべきか正直悩むところではあります。

でも、辛い事実ではあるけれど、事実から目をそらしてはいけないと思います。


仕事が大変でも、20ドルグループにいると思えるなら問題ないのですが、

もしあなたが1ドルグループにいるかもしれない、という心当たりがある場合は、

認知的不協和を意識して、改めて状況を冷静に分析してみてほしいです。


ブラック企業ほど、やりがいとか自己成長とか、耳に聞こえの良い綺麗事を持ち出してくるのでしょうけれど、それこそが認知的不協和を誘導する罠ですので、気をつけてください。

まとめ

まとめ

  • ブラック企業にいる人ほど、自分に嘘をついてしまう。
  • 認知的不協和はフェスティンガー等の実験で証明されている。
  • ブラック企業のやりがい搾取に気をつけて!

フェスティンガーとカールスミスの実験では、「1ドルしかもらっていない」という現実は変えることができませんでした。

しかし、現実は違います。あなたには転職するという選択肢があります。

ブラック企業から抜け出したい人は、下記の転職関連記事も参考にしてみてください。


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JAC Recruitment
  • この記事を書いた人

れおん

日系企業を3年未満で退職し、外資系10年目(3社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEIC 915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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