
「プログラミングを学びプログラマーとして働けるようになれば煩わしい会社の人間関係から逃れられ、カフェや家で仕事をしながら今よりも沢山稼げる!」
その様な思いを胸に、プログラマーを目指しプログラミングスクールに入学される方が最近多くいます。
実際に、かつて私もそんな夢を持った中の一人でしたが、残念ながらプログラミングスクール選びで失敗してしまったせいかその夢は叶いませんでした。
「失敗した」なんて聞いてしまうと、「やっぱりプログラマーとして活躍してお金を稼ぐなんて所詮夢物語なの?」と思う方もきっといますよね。
いいえ。失敗した私が言うのもなんですが、スクール選びをきちんとしてそこで一生懸命学び、その後の転職や仕事の請負を注意深く行えば上記に書かれた生活も夢なんかでは決してありません。
今回は、私の失敗を教訓に、プログラミングスクールを選ぶ際、また仕事をする際に気を付けてほしいことをお伝えしたいと思います。スクールを選ぶ際のヒントにしていただければ幸いです。
プログラミングスクールのタイプ
私の失敗談を単刀直入にお伝えしたいところですが、まずはプログラミングスクールのタイプから説明させてください。
その理由は、これが後々、私の失敗談の中で重要な意味を持ってくるからです。
基本的なことに思えるかもしれませんが、プログラミングスクールのタイプは非常に重要だと、私自身の経験から痛感しています。
学ぶ場所 - オンライン or 通学
スクールの学ぶ場所は、オンラインか通学かに分けられます。
私が選んだスクールはオンライン型で、スクールから送られてきた資料を自分で読んで、課題に取り組みながらプログラミングを学ぶというスタイルでした。
オンラインスクールは自宅で学べることが利点ですが、通学と違って先生のプログラミングをする過程を見ながら学ぶということはできません。
自分で答えを見つける努力、試行錯誤する努力、そして分からない時はメールなど文章でそれを伝えて先生の回答を待つという忍耐が不可欠です。
それに対して通学型は、通う時間はとられますが、先生がそばにいて直接分からないところを質問できますし、きちんと決まった時間に他の場所で学びメリハリもつけられるというメリットがあります。
卒業後の仕事 - 転職サポート or 案件単位の紹介
プログラミングスクールは、卒業後のサポートにおいて「転職サポート型」と「案件単位の紹介型」に分けることができます。転職サポートも案件紹介も両方するというスクールもあります。
転職サポートというのはプログラミングスクールからIT企業など就職のできる会社を紹介してくれるサービスです。最終的にはその会社の面接やテストを受けて合格し、会社員として働くことを目指します。
未経験でのIT企業への就職は難しいこともあるのですが、学校での成績や熱心さなど、スクール側が企業にアピールしてくれて就職が決まる場合もあります。アピールポイントが乏しい未経験者にとってこれはとてもありがたいですよね。
案件単位の紹介というのは、まずスクールがプログラミング会社を別運営していて、そこに依頼される仕事の一部を、スクールを卒業した生徒さんに委託して仕事をしてもらうというのが基本スタイルです。
メリットとしては、卒業後のプログラミングスキルに自信のない時期でも、スクールが基本になっている会社からの案件のため、分からないところを質問できる安心感や、自分一人で営業をする必要がないこと。また、業務委託ということで卒業直後から在宅での勤務が可能ということが挙げられます。
もちろんデメリットもありますが、これは後程、私の経験談としてお話しします。
プログラミングの業界は人手不足のため、能力やスキル、経験さえあれば企業への転職も、業務委託の仕事を得ることも、苦労することはありません。
給与も他の職種より格段に高く、在宅で高収入を稼いでいる人も珍しくないです。
ただし、私のように初めから「在宅勤務」を希望している場合は、スクール選びに注意するなど自分を守るための努力が必要です。
プログラミングスクールの闇と現実
私の体験談
●オンライン型スクールで学び卒業
当時私は、日本での会社通勤ができない事情があり、在宅ワーカーとして働くことができる、かつ高収入の仕事を探していました。
どうしても生活をするうえで十分なお金が必要で、それを得るためならどんな努力しようと思い、インターネットを検索していると、とあるオンライン型のプログラミングスクールのサイトを見つけました。
そのサイトには、たしか「未経験から在宅ワーカーを育成する」といったような意味の言葉が書いてあったと思います。
「そっか、この学校でプログラミングのスキルを習得すれば在宅でも働けるんだ!」そう思い、なけなしのお金をはたいてそのプログラミングスクールに入学しました。
プログラミングスクールのカリキュラムや課題は初めてのことばかりで大変でしたが、とにかく早く働かなくてはと思い、夜もあまり寝ずに頑張り、かなりの速さでスクールを卒業しました。
●卒業後の転職活動の現実・プログラミングスクールからの案件
早く収入を得なければと、卒業後すぐ転職活動をしたのですが、プログラマー未経験かつ在宅ワーク希望の私を雇用してくれる企業は一つもありませんでした。
スクールを卒業すれば仕事があると思っていたのに現実は違う・・・失望しました。
そんな時、プログラミングスクールが運営する会社からの案件を業務委託としてやってみないかとスクール側が勧めてくれたのです。
本当にありがたいと思いました。
●業務委託された仕事への疑問
でも、実際に仕事をしてみてすぐに一つの疑問がわきました。
仕事をするときには、どんなときも契約書にサインしてから仕事を始めるというのが基本的なルールのはずですが、会社がスクールからの延長線上にあるからでしょうか、ビジネスとして案件を請け負うにもかからわず、契約書を交わすことが一切ありません。
「契約書なんてなくたって、きちんと働いて働いた分のお金をもらえればそれでいいのでは?」という意見もありますよね。
私も最初はそう思って仕事を始めました。
とにかく仕事が欲しかったですし、不要なことを言って仕事を失いたくはないという気持ちが強かったというのが正直なところです。
しかし、実際に契約なしで仕事をするということは、案件がいつスタートするのかが正式に決まっていない、つまりいつから仕事が始まるのか分からないことでもあります。
ここが私が一番苦しんだところでした。
●業務委託された仕事で私が一番つらかったこと
例えば、仕事が1月から始まるとメールをもらったとします。
契約書がなく口約束が基本ですから、いただいたメールのみを信じるしかありませんよね。
会社から「プログラミングの世界は甘くないので他の仕事と並行するのなら仕事は頼めません」と言われていたので、こちらは他の仕事は何も入れずに時間を空けておきました。
ですが1月になっても一向に仕事は始まらない。かといって仕事が遅れるという連絡もありません。
不安で2月に連絡をしてみると「3月から始まる予定」とだけ連絡がありました。
ですがその3月待っても仕事が始まる気配もなければ、そのことに関する連絡ももちろんない。
こちらは仕事なしのまま、ただただいつ来るか分からない仕事を待ち続けるばかりでした。
もうすぐスタートするかもしれないとを考えると安易に他の仕事も入れることもできませんでした。
そうしてようやく仕事が始まったのは4月下旬で、そのときは「始めてください」とだけ連絡がありました。
別の時には、会社から「9月はスケジュールが空いているか」と言われまして、私は「9月は週に30時間は確保できるようにします。」と返信をし、仕事を入れずに待っていました。
ですが、9月に連絡はなく、10月になって何の連絡もなく、会社が私以外のプログラマーに仕事を依頼したことに気付き、会社側に連絡したということがありました。
●仕事を受けたはずが生活が余計に苦しい
当然、待っていた時間、給与は発生しませんので、その数か月間は無職・無収入です。
それでも私はプログラミングの仕事が欲しかったので、会社からマイクロソフトオフィスをインストールしないと仕事を頼めないと言われれば翌日CD-ROMを急いで買いに行ってインストールしたり、プログラミングには高スペックのパソコンが必要だと言われれば新しいパソコンを買いに行ったりしていて、出費だけはかなりありました。
結果的に、収入を得たくて始めたプログラミングの仕事を請け負ってしまったせいで、逆に生活が金銭的に苦しくなってしまうというわけの分からない状況に陥ってしまったのです。
●連絡がほしい
仕事のスケジュールが遅れるなら連絡がほしい。私のスキルが足りないせいで他の方に頼むのなら、きちんと連絡がほしい。連絡してくれさえすれば他の収入源を考えることもできたのに。そう思いました。
会社側にその旨を思い切って伝えると、、、
「もしあなたがプロのエンジニアとして仕事をしているならば、事前に一言あるべきというのはごもっともな意見です。
しかしあなたは経験も少なくプロとしては程遠い。
こちらは未経験で仕事を得ることが難しい者に対して仕事する機会を与えてあげているのです。
あなたは社員でもないのに時間を割いてもらい、お金までもらえているのにその上仕事が始まる前の事前連絡まで求めるのならもう仕事をしていただかなくても結構です。」
と言われてしまいました。
私はプロでないことはもちろん承知していますが、プロのエンジニアでなくても守らなければいけない生活があるのです・・・。
生活に余裕のある人であれば、いつ来るか分からない仕事を待つこともできたかもしれませんが、私はそうではありませんでした。
また、この会社では、プロでなければ生活を守るために連絡をお願いする権利すらないことも知り、プログラマーとしての夢を諦めました。
「未経験から在宅ワーカーを育てる」スクールの実態は、「未経験で仕事を得ることが難しい者に対して仕事する機会を与えてやっている」でした。
ただ、このような状況でも契約書さえあれば、契約書の内容に責任もあるので仕事が遅れれば何らかの連絡は来るでしょうし、連絡が来れば他の仕事を入れるなどの対策もできたかもしれません。
この失敗は、仕事がほしいばっかりに、契約書について相手に伝えることをしなかった私の責任でもありますね。
私が伝えたい3つの注意点
長くなりましたが、以上のことから注意点を3点にまとめてみます。
1. 未経験から、在宅で、仕事の案件単位での受注は難しい
未経験者の在宅勤務者を募集している会社、未経験者に委託する会社は正直なところゼロに近いと言っても過言ではありません。
あなたが発注者の立場になって想像してみると、わかりやすいと思います。
市場にはたくさんの経験者がいるのに、なぜ、あえて在宅の未経験者に仕事を依頼するのか?
普通に考えて、ありえないですよね。
2. 最初から在宅の仕事が得られます!と謳っているスクールは内容をきちんと調べる
プログラミングスクールでどれだけのコースを取れば仕事を得られるまでのスキルを身につけられるのか、スクールにかけられる予算を最初に計算したほうがいいです。
また、仕事を始める際の契約書も必ず確認するようにしてください。
3. 最初は転職サポート型のスクールにして、企業に就職し経験を積んだ方がいい。在宅は狙う場合はその後スキルアップをしてから。
プログラマーの求人票をみると、在宅ワークの仕事をするには経験年数が最低3年は必要なところが多いです。
したがって、在宅ワークで安定した給与を得たい場合、最初の数年間は会社で仕事をし、そこで経験を積んでスキルアップをした後に在宅ワーカーになることをおすすめします。
この記事は以上です。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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