この記事を読んでわかること
- メディカルライターの仕事は人工知能(AI)に奪われるのか?現役メディカルライターの考え
- 文書作成、翻訳、品質管理(QC)における、人工知能の影響
この記事を書いた人
日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。
メディカルライターには未経験から転職して現在3年目。この記事は実際に業務をする中で感じたことを書いています。
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メディカルライターの仕事は人工知能(AI)に奪われる?
「奪われる」という表現が適切だとは思いませんが、あえて「奪われる」という言い方を認めるのであれば、メディカルライターの仕事は、一部、人工知能(AI)に奪われると思います。
しかし、わたしは人工知能(AI)の発展には大いに期待しています。
AIに仕事を奪われるor奪われない、ではなく、AIを使うことで、人間の仕事が楽になる、という考え方です。
(正直、わたしは翻訳が苦手で、嫌いなので、翻訳の第一案作成を人工知能(AI)がやってくれたらいいな、なんて思っています。)
では、メディカルライターのどんな業務が人工知能(AI)の影響を受けるのか?
以下の3点について、順番に書いていきます。
人工知能(AI)の影響を受けそうなメディカルライティング業務
- 文書作成
- 翻訳
- 品質管理(QC)
文書作成における、メディカルライターと人工知能(AI)
テンプレート部分は人工知能(AI)に丸投げしたい
治験薬概要書(IB)、治験実施計画書(PTC)、総括報告書(CSR)、申請書類(CTD)。
これらはメディカルライターが作成する典型的な文書ですが、各文書にはテンプレートがあって、ある程度お決まりの部分があるのが実情です。
このテンプレート部分に関しては、品目や試験によって異なる部分を、メディカルライターを含む人間が微調整しています。
この部分は、比較的単純作業で、文書を書いている感はあまり持てません。
なので、この部分を人工知能(AI)がやってくれたらいいな、きっとできるだろうな、と思っています。
お約束部分も人工知能(AI)に丸投げしたい
一方、総括報告書の結果部分にはテンプレートがなくて、今はメディカルライターが100%書いています。
しかし、統計的な表現方法も含め、ある程度お約束の文章がいくつもあるのが実情で、将来的にはそこも人工知能(AI)にやってもらうことができるかもしれません。
こういった部分を、人工知能(AI)がやってくれると、人間は人間にしかできないこと(記載方針のディスカッション、何をキーメッセージとして強調するか、など、内容)に集中できて、
人間はより知的でおもしろい業務に集中できるようになる、と思います。
これはメディカルライターにかかわらず、どんな仕事でも一緒で、要は、人間と人工知能(AI)の分業ですね。
メディカルライターと人工知能(AI)の分業
ある意味、メディカルライターの仕事は「減る」とも考えられますが、本質的には人間は楽になる、人間は人間にしかできない部分に集中できるようになる。
重要なのは、人工知能(AI)にもできる仕事で満足せず、人間にしかできない部分の経験を、今から積み重ねていくこと。
それができれば、人工知能(AI)は敵ではなく、味方になる、とわたしは考えています。
翻訳における、メディカルライターと人工知能(AI)
完璧な翻訳は人間にしかできない
正直、わたしは翻訳が苦手で、嫌いです。
その理由は、翻訳があまりにも難しいからです。
英訳、和訳ともに、原文の意味が理解できることと、それを自然な他言語に変換することは、全くの別物なんですよね。
その意味で、自然な文章に翻訳できる一流の翻訳者の方は、本当にすごいと思いますし、尊敬しています。
翻訳AIに期待すること
翻訳が苦手なわたしとしては、翻訳AIには大いに期待しています。
と言っても、完璧な翻訳は期待していません。
上述のように、翻訳は本当に難しいことなので、最終的には必ず人間によるチェックや微調整が必要になります。
わたしが翻訳AIに期待するのは、最初のたたき台を作成することです。
とりあえず、翻訳AIに翻訳させて、それをたたき台にして、人間が微調整をしていく。
そんな未来になると思いますし、実際すでにもうなっている部分もあります。
ただ、AI翻訳は現状まだ難しいらしく、たたき台の質が良くない。
人間がするのは「微調整」ではなく、「けっこうな調整」になっています。
とは言うものの、すべて人間がやるよりは、期間短縮、コスト削減になっていて、今後少しずつAI翻訳の精度向上が期待されるところです。
翻訳者と人工知能(AI)の分業
「翻訳」も「文書作成」と同じで、ある意味、翻訳者の仕事は、一部、人工知能(AI)に奪われると言えます。
しかし、これはあくまでも翻訳者と人工知能(AI)の分業であって、翻訳者にしかできない部分は必ず残る。
翻訳者の仕事は、本質的にはなくならないと、わたしは予想しています。
重要なのは、人工知能(AI)を使いこなし、人工知能(AI)の出力を鵜呑みにせず、その適否を自分で判断できる翻訳者になること。
それができれば、人工知能(AI)は敵ではなく、味方になるはずです。
品質管理(QC)における、メディカルライターと人工知能(AI)
伝聞で申し訳ないのですが、品質管理(QC)は人工知能(AI)に丸投げすることが、現状では、難しいようです。
一見、QCこそ人工知能(AI)の得意分野に思えなくもないですが、よく考えれば、QCはQCで奥が深いわけで。
これも「文書作成」や「翻訳」と同じで、将来的に、ある程度は人工知能(AI)を使えるようになるかもしれませんが、最終確認は人間にしかできない、という未来になるのかなと思います。
要は、「文書作成」も「翻訳」も「品質管理(QC)」も全部一緒ですね。
人工知能(AI)でもできるような、単純作業で満足していると、いつか人工知能(AI)に仕事を奪われるリスクがある。
重要なのは、人間にしかできない部分の経験をつんで、人工知能(AI)を使う側の人間になること。
人工知能(AI)の出力を鵜呑みにせず、その適否を自分で判断できる人間になること。
それができるかどうかで、人工知能(AI)が敵と味方のどちらになるのかが、決まるのだと思います。
まとめ
まとめ
- 文書作成、翻訳、品質管理(QC)のどれも、人工知能(AI)と人間の分業になる。
- 一部の単純作業は人工知能(AI)でもできるが、人間にしかできない部分は確実に残る。
- 人工知能(AI)を利用することで、人間の仕事が楽になり、人間は人間にしかできない仕事に集中できるようになる。
- 人工知能(AI)の出力を鵜呑みにせず、その適否を判断できる人間になることが重要。
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