Netflix グリーンブックのあらすじ・意味・実話とフィクション・遺族の抗議(映画で楽しく英語学習)

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Sushi K
この記事は『グリーンブック』をおすすめしてくれたOさんに書いていただきました。Oさんありがとうございます!

『グリーンブック』のあらすじ

『グリーンブック』のあらすじ

『グリーンブック』は1962年のアメリカを舞台にした映画です。

ニューヨークの一流ナイトクラブで用心棒をしていたトニー・リップは、黒人ピアニストのドクター・シャーリーの運転手としてスカウトされます。

ドクター・シャーリーは、あえて差別の色濃い南部を選んだ演奏ツアーを企んでおり、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りにトニーと共に旅に出ます。

人種も性格も異なる二人は、ぶつかり合うばかりでしたが、次第に互いを理解し合いながら、友情を深めていきます。

『グリーンブック』の意味

『グリーンブック』の意味

『グリーンブック』とは、黒人ドライバーのための黒人用旅行ガイドです。アメリカでは、NYの郵便集配人だったヴィクター・H・グリーンによって、人種隔離政策の1936年〜1966年に、車で旅行するアフリカ系アメリカ人を対象として発行されていました。

黒人の貧困や激しい人種差別のため、車を所有している黒人は限られていましたが、黒人中産階級ができ、車を持ち始めるようになっていきました。車を持ち始めた理由の一つとして、黒人が公共輸送機関から隔離されていたことがあります。車を手に入れることによって、差別や隔離、侮辱などから自由になろうとしたのです。

仕事などで長距離を移動する黒人は、様々な危険や不自由にぶつかりました。白人が経営するガソリンスタンドで給油を拒否されたり、自動車整備工場で修理を断られたり、宿では宿泊・食事の提供を拒まれたりしました。そこでグリーンは、黒人旅行者がもっと旅を快適なものにするために、情報を与えるものとして、『グリーンブック』を創刊したのです。

『グリーンブック』は黒人旅行者にサービスを提供する宿や、ガソリンスタンド、自動車整備工場などが示されており、黒人旅行者のバイブルとなりました。1964年に公民権法が制定されると人種差別が禁止され、『グリーンブック』は廃刊となりました。

『グリーンブック』は実話?フィクションとその後

『グリーンブック』は実話?グリーンブックのその後も気になる!

『グリーンブック』は実話をもとにして描かれている映画ですが、フィクションのところもあります。

以下にフィクションの点をいくつか紹介します。

【トニー・リップについて】

  • トニーの本名は、「フランク・アンソニー・ヴァレロンガ」です。

【ドクター・シャーリーについて】

  • 疎遠になっている兄が一人いる設定ですが、実際は三人兄弟で、ツアーの間も定期的に連絡を取った仲でした。
  • 黒人コミュニティーがなく、黒人音楽も知らなかった設定ですが、実際には密接に黒人コミュニティーと関わっていました。孤独ではなかったようです。
  • トニーと回ったツアーは8週間ではなく、一年半も一緒に回ったそうです。

一年半もという長い時間は、友情があったからこそなし得た時間なんじゃないかなと想像できます。本当に差別主義者だったヴァレロンガ(トニー)は、心を入れ替えたそうです。シャーリーとヴァレロンガは同じ年の2013年に亡くなりました。

ヴァレロンガは生前、息子であるニックによくツアーの話をしており、そのニックが監督と共に映画を制作することに。映画の中では、トニーが演奏ツアー中に妻あてに手紙を書いたシーンがあります。実話でもヴァレロンガは妻に手紙を書いており、その手紙やシャーリーとヴァレロンガのインタビューに基づいて映画は制作されました。

『グリーンブック』が受けたシャーリーの遺族から抗議。その理由とは?

映画が公開された後、ドクター・シャリーの遺族は、事実とは異なる描写について抗議しました。さらに、映画が完成するまで、制作陣から連絡がなかったことに関しても不快感を表しています。シャーリーの遺族は「父は、ヴァレロンガ氏を友人とはみなしていない。こんなのは事実無根だ。」と非難しました。

しかし、ドクター・シャーリーは自身のドキュメンタリーを制作しており、その中の音声資料でヴァレロンガの友情についても語っています。「ヴァレロンガは私にとって、雇い人ではありませんでした。私の命は彼の手の中にあったのです。私は彼を頼りにし、私たちの関係は非常に深くなりました。」

遺族を含め、この映画が非難されたのは、事実とは異なる描写のことだけでなく、白人目線で描かれている=「白人が黒人を救う」描写があるからだそうです。また、当時の差別が今よりもっと酷かったのは容易に想像ができ、当事者の方々は納得いかない部分が大いにあると予想されます。

個人的には、白人目線が新鮮で興味深かったですが、どこかで、みんながそうであったらいいなという「希望」「奇跡」を願ってそう感じたのかなという思いもあります。なににせよ、対照的な二人が分かり合い、距離が縮まっていく過程での感動が忘れられない作品になります!

▼『グリーンブック』の予告編はこちら

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Sushi GPT

日系企業を3年未満で退職し、外資系10年以上(4社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEICは対策なしのぶっつけで915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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