メディカルライターとは?仕事は激務?現役ライターが解説

メディカルライターは激務?【やりがい、好き、嫌い、楽しいところ】


未経験からメディカルライターに転職して4年目になりました。

  • メディカルライターってどんな仕事?激務なの?
  • やりがい、好き、嫌い、楽しいところなど、経験者の話、どこかにないかな?

この記事は、転職前の自分が感じていた疑問を思い出し、過去の自分のような人に向けて書いたものです。

メディカルライターの仕事に興味がある方、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

日本生まれ育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職して10年以上、現在4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。

メディカルライターには未経験から転職して現在4年目。この記事は実際に業務をする中で感じたことを根拠に書いています。

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メディカルライターとは?

メディカルライターの仕事内容

Sushi K
メディカルライターの仕事は多岐にわたりますが、大まかには以下の3つがあります。

3つのメディカルライター

  1. 医療系メディアのメディカルライター
  2. 広告代理店のメディカルコピーライター
  3. 製薬企業やCROのメディカルライター

1. 医療系メディアのメディカルライター

医療系の出版社やポータルサイトで、医師から一般の人まで、様々な読者を対象に記事を執筆します。

論文を読む、学会に行く、医師に取材するなど、自ら情報を集め、記事の内容を考え、文章を書きます。

今回紹介する3つのタイプのメディカルライターの中では、「ライター」という言葉のイメージにもっとも近いタイプです。

2. 広告代理店のメディカルコピーライター

医薬品、医療機器、ヘルスケア用品などの販売促進を目的としたライティングです。

仕事内容はマーケティング・プロモーションの企画から広告のコピーライティング、カタログやポスターなどのツール作成、イベントの企画まで多岐にわたります。

勤務先は広告代理店が多いですが、医薬品・医療機器メーカーにもこのような仕事はあります。

3. 製薬企業やCROのメディカルライター

治験の実施や新薬の申請に関するライティングをします。

主な仕事内容は、治験薬概要書、治験実施計画書、治験総括報告書などの治験関連文書の作成や、

新薬の申請のために国に提出する申請資料(CTD)の作成です。

Sushi K
ブログ筆者はここに属します。

メディカルライターの働き方(出社or在宅勤務)

メディカルライターは在宅勤務という働き方が可能です

コロナ禍は2020年3月ごろから始まりましたが、私は少し早い2月の後半から、この記事を書いている現在まで、一度も会社に出社することなく、在宅勤務をしています。

会社の近くに住んでいることもあり、今までは気分転換も兼ねて出社をしていましたが、今回のコロナで完全在宅勤務で何の問題もないことに気づいてしまったので、今後はコロナに関係なく、完全在宅勤務を続ける予定です。

また、現在、私は東京在住なのですが、コロナが落ち着いたら、物件を下見したうえで、福岡に引っ越したいと思っています。首都圏直下型地震、南海トラフ地震、富士山噴火を警戒してのことです。いつ起きるかはわかりませんが、私が生きている間には起きてしまうと予想しています。

メディカルライターは在宅勤務が可能なので、東京にいなくても何の問題もありません。慣れ親しんだ今の会社を辞めることなく、住む場所だけ変えることができます。

この点は、メディカルライターに転職して本当に良かったと思います。

補足

上記は私が所属する外資系グローバル企業の話です。日本企業も少しずつ変わってきているのでしょうが、もしかしたらここまで自由ではないかもしれません。応募する会社の規定がどうなっているかは、転職エージェントに確認することをおすすめします。

メディカルライターのやりがい

メディカルライターのやりがい

MWのやりがい

  1. 一番おいしいところ(承認申請)に関われる
  2. 自分の仕事を形として実感できる

1. 一番おいしいところ(承認申請)に関われる

メディカルライターのやりがいは、承認申請に関われるところだと思います。

製薬会社の仕事は患者さんのために良い薬を届けることですが、そのためには新薬の製造販売承認を取得する必要がありますよね。

つまり、日々の業務の視点からは、担当品目で規制当局の承認を取得することが、まず最初の目的になるわけです。

自分の仕事が「承認」という結果で明確になることは、メディカルライターのやりがいだと思います。

承認申請をする前には、Phase1~3まで、10本以上の臨床試験を経ていることも珍しくなく、その期間に、本当に多くの人が関わっていて、

中にはもう転職している人も多く、その人たちにとっては、自分の仕事が「承認」という結果になるその瞬間、当事者でいることはできないんですよね。

承認申請というのは、そんな人たちの努力の結晶の、一番最後の、一番おいしいところなわけで、

メディカルライターなら、その部分に確実に携わることができる。

それは正直おいしいし、お金以外の見返り、やりがいに感じています。

2. 自分の仕事を形として実感できる

わたしはCRA出身なのですが、当時は自分の担当試験のことで精一杯で、一つの試験が終わると、また別の試験にアサインされて、自分が携わった薬が、その後どんな未来を辿ったかまでは意識していませんでした。

結果的に、その薬が承認を取得したとしても、正直ピンとこないというか、自分の仕事と「承認」という結果の間に、あまり直接的な関係性は感じれずにいました。

一方、メディカルライターになった今は、自分の仕事と承認との間に、直接的な関係性を実感できるので、それはメディカルライターならではの魅力、やりがいに感じています。

メディカルライターの仕事の良し悪し

メディカルライターの好きなところ

メディカルライターの好きなところ

MWの好きなところ

  1. 知的好奇心が刺激される
  2. 在宅勤務が気軽にできる
  3. 長く続けられる(老後も)

1. 知的好奇心が刺激される

メディカルライターの仕事は、知的好奇心が刺激されるところが好きです。

もともと科学には興味があるので、医学、薬学系の論文を読んだり、文書を書くのはとても楽しいですし、

メディカルライターになった今は、生物統計学の重要性も知り、この分野への興味も出てきました。


その他だと、論理のパズルゲームを解いていくことも知的な作業で楽しいです。

例えば、新薬の申請にあたり、Phase1〜3まで、合計10本の試験を実施していたとします。

  • 各試験の意味や位置付けは何か?
  • それをどのようなロジックで並べて、新薬の有効性と安全性を主張するのか?
  • 海外のデータを日本の申請に使えるのか?その理由は何か?

これらは論理のパズルゲームみたいなもので、かなり高度で知的な作業です。

正直、今の私には難しいことなのですが、先輩やチームのメンバーが見事なロジックを組み立てたときは、

なるほどー!すげー!

そのロジックは見事だわ。納得!

これは人間にしかできないよ。AIには無理でしょ!

というように、感動することがあります。

2. 在宅勤務が気軽にできる

会社によって多少ルールは違うのでしょうけれど、話で聞く限りでは、ほとんどの会社は在宅勤務が可能なようです。

通勤時間がまるまる自由時間になるので、ワークライフバランスはロケットのように急上昇。

その時間で、近所のカフェで読書などを楽しめるようになりましたし、朝は1時間ほど長く寝ていられるようになりました。

さらに、私は業務中にささっと、洗濯機を回したり、洗濯物を干したり、料理の仕込みなどもしています。

これらはちょっとやっておくだけで、時間の効率がグっと上がるので、やらない手はありません。

Sushi K
外資系は結果主義ですし、そもそもバレなければ何の問題もありません。形だけの真面目に意味はなく、これで幸福度が上がり仕事にも好影響なら、それが正義だと私は思っています。

3. 長く続けられる(老後も)

現在の社会を見る限り、60歳で定年する昭和の社会モデルは、これからの未来において、もう成立しないですよね。

きっとわたし達は、60歳以上になっても、何らかの形で仕事をしないと生きていけないと思うんです。

そう考えた時、メディカルライターは、未来の生き方、働き方に合った職種なんじゃないかなと。

つまり、これからは、長時間働いて、たくさん稼いで、たくさん貯金して、じゃなくて、

常識的な時間で、やりがいもあって、持続的に稼げる仕事の方が、幸福度が高いを思うんです。

実際、私はメディカルライターに転職したことで、年収は−15%ほど下がりましたが、仕事時間、やりがい、楽しさなどの観点で、トータルの幸福度は過去最高に高いです。

未来の見通しも含めて、メディカルライターに転職して本当に良かったと思っています。

老後の話をすると、今の会社には、定年退職後も業務委託という形で、仕事を継続している人がいます。また、フリーランスのライターとして1年に半年ほど稼働して、十分に稼げている人もいると聞きます(それに見合った経験と実力が必要ですが)。

メディカルライターは比較的新しい職種ですから、このような人たちがちょうどパイオニアで、今後はこのような事例はもっと増えてくると思われます。

Sushi K
上記を踏まえ、人生のプランを長期で考えたとき、メディカルライターは有力な選択肢になると思っています。思っているだけじゃなく、実際にそこを見据えてメディカルライターという仕事を続けています。

メディカルライターの嫌いなところ

メディカルライターの嫌いなところ

MWの嫌いなところ

  1. 地味な作業がだるい
  2. 関係各所との調整がしんどい

1. 地味な作業がだるい

正直、地味な作業はやってて楽しくないです。

具体的には、各種文書のレビュー/QC/翻訳の結果確認などが挙げられます。

これらをやっているときは、文書を書いているというより、お化粧をして整えているイメージ。

正直、「このコメントはあなたの好みでしょ、どっちでもいいじゃん、直すのめんどくせぇ」って思うことも多いです。

トータルでは好きな部分が勝るので、こういったこともやりますけど。。。

2. 関係各所との調整がしんどい

文書の作成前ならタイムライン、作成中ならレビューコメントなど、海外も含め、関係各所が好き勝手に発言するので、それらをまとめるのに一苦労します。

メールで全て解決すれば良いのですが、内容や緊急度によっては会議を開き、内容を確定させる必要もあります。

海外メンバーがいるときは、英語や時差の問題もあり、しんどさが増します。

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メディカルライターの仕事は激務?

申請前の1〜2カ月はなかなかの激務で、正直大変でした。

朝9時から業務開始したとして、夜の7-8時まで残業になってしまうことはよくあり、レビューサイクルを回すために絶対に遅らせられない時は、最悪で夜10時くらいまでやっていたこともあります。

他社から転職してきた人に話を聞く限り、申請前はどこの会社もこんな感じになってしまうそうです。

そんな中、上司に「夜10時以降は業務禁止」、と言ってもらえたことは、ありがたかったです。

10時以降は業務禁止だから、という理由をつけ、業務を強制終了することで、精神的にも肉体的にもとても助かりました。


とは言え、一年中こんな感じが続くわけではないので、そこはご安心ください。

申請時期を乗り切った後は、業務量を落として、楽に過ごせる時期をちゃんと作ってくれる会社がほとんどです。

がんばるところと、緩めるところのメリハリがあり、一年をトータルで見れば、バランスの取れた業務量になっているので、私としては納得感があります。

メディカルライターの仕事のおいしいところ

メディカルライターの楽しいところ

MWのおいしいところ

  1. お金をもらいながら知的好奇心が刺激される
  2. お金をもらいながらライティングが学べる
  3. お金をもらいながら英語が学べる
  4. 学んだことを人生とブログに活かせる
Sushi K
メディカルライターの「好きなところ」と近いですが、これらは「おいしい」という切り口でまとめたものです。

1. お金をもらいながら知的好奇心が刺激される

お金をもらいながら知的作業を楽しめるのは、 「楽しく」かつ本当に「おいしい」と思います。

疾患、薬理、統計、安全性、薬事など、まだまだ私の知らないことばかり。

新しいことを知るというのは、本当にエキサイティングで楽しいです。

内容は決して簡単なことではないですが、だからこそ、へぇ~、なるほど、と思うことが多々あります。

でもその時間は遊んでるわけではなく、業務時間として給料が発生している。

こんなにに「楽しくて」、「おいしい」ことはないと思います。

2. お金をもらいながらライティングが学べる

マクロでは文書全体、各セクション、各パラグラフの構成、流れ。

ミクロでは一文単位の構成、流れ、細かな言葉づかい。

日中の就業時間に、お金をもらいながら、これらのことを学べるのは楽しい、というか、本当においしいです。

学びの根拠は先輩のアドバイス、他品目および他試験の既存文書。

独学だと変な方向に行ってしまう可能性があるので、お手本が身近にある環境というのはありがたいです。

人として、良い文章が書けるのに越したことはないわけで、お金をもらいながらライティング経験をつめるのは本当においしいです。

3. お金をもらいながら英語が学べる

これも楽しいというか、メディカルライターのおいしい部分です。

メディカルライターとして直接英語で文書を書きますし、関連業務で様々な英語文書を読みます。

知らない英単語があった場合は辞書で調べたり、この英文きれいだな、とか、なるほどこういう時はこう書くのかとか、

給料が発生する業務時間中に、これらを学べるのは、本当においしくて気に入っています。

4. 学んだことを人生に活かせる

わたしは、メディカルライティングという仕事は、ある種、人間としての生き方にも関わってくると感じています。

というのも、メディカルライティングには、徹底的に論理的な姿勢が求められるからであり、それは普段の言動にも活かせると思ったからです。

例えば、新薬の有効性と安全性について、

  • 何を主張とし、何を根拠とし、それらをどのように示すのか?
  • 文書全体の構成と論理展開はどうするのか?

メディカルライターは、常に考えなければなりません。

わたしは、もともと論理的に振舞っていたつもりではありましたが、メディカルライターに転職して初めて、今までの自分がどれほど論理的じゃなかったか、現実を認識することができました。

その意味でも、メディカルライターに転職して良かったなと思っています。


この記事は以上です。最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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  • この記事を書いた人

Sushi GPT

日系企業を3年未満で退職し、外資系10年以上(4社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました(TOEICは対策なしのぶっつけで915@2019年)。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

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