外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。

更新日:

外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。



ある意味では、夢を叶えたのかもしれない

AsiaPacificリージョンでシニアへと昇進した私のキャリアは順調でした。

学生時代に想像していたできる自分像、

「外資系企業で、英語を使って、世界中の人と、ダイナミックに仕事をしている。」
「オフィスはキレイで、オシャレで、たまに海外出張なんかもあったりする。」

みたいなものは、全て実現。


さらに、シニアになった私は、AsiaPacificリージョンの仕事だけでなく、グローバルレベルの仕事も任せてもらえるようになりました。

エグゼクティブとか上には上があるけれど、プロジェクト単位ではグローバルのコアチーム(各部門を代表するメンバーが集まる)が世界のトップ。

私の部門では、このグローバルコアチームに参加するメンバーを「グローバルリード」と呼んでいました。

そのプロジェクトにおいて、自部門に関することは、このグローバルリードの責任のもと、全世界(プロジェクトによりますが、通常は数十カ国の規模感)に影響するレベルの判断、決定を下していきます。


今まではリージョナルレベルの立場で、グローバルコアチームからの決定事項を受け取る側にいた私でしたが、今度は自分がグローバルコアチームの側となり、世界中のリージョナルチーム、ローカルチームに、決定事項を伝えるようになっていました。


責任の重さ、恐怖の大きさ、スピード感、ダイナミズム。

楽な場所ではありませんでしたが、自分は重要なポジションにいる、という事実に、自尊心が満たされました。

ある意味では、夢を叶えたのかもしれません。

それに意味があったのかは疑問だけれど。

上り坂の向こうには何もなかった

しかし、ある時を境に、私の気持ちは急激に冷めて行きました。

ある日、私が判断をミスった時に、世界各国の複数のプロジェクトマネージャーから否定的なコメントが来て、傷つきました。

けれど、じゃあ安全地帯のローカルに戻りたいか?というと、そんな気持ちはさらさらない。

傷ついてもいいから、グローバルチームにいたい。

傷つくことは怖くない。

私のメンタルは、知らない間に強くなっていました。


今は大変だけどやれなくはない。

あとどれくらいがんばればいいかのか?

どれくらいのレベルまで成長すればいいかのか?

それがざっくり見えた時、私の気持ちは一気に冷めたのです。


この距離を埋めたら上り坂は終わり、そこは行き止まり、その先どうするの?


夢や目標は追いかけてる時が楽しくて、達成したら燃え尽きるみたいな。

好きな子を追いかけてる時は燃えてるけど、自分のものになったら冷めるみたいな。


グローバルコアチームに入ることで、自尊心は満たされたけど、そこに、心からの満足感はありませんでした。

立派になっていく肩書き、上がる給料に比例して、心の中の虚無感は大きくなっていきました。

他人の人生を生きていた

私がいたグローバル企業は、年に1回グローバルのトップエグゼクティブの世界ツアーがありました。

その目的は各国の社員と直接対話し、メッセージを届けること、現地の声を聞くこと。

あとそれに、各国現地のお偉いさん方に、チヤホヤと接待される、というおまけも付いています。


彼らはグローバル企業における成功者です。

年収もウン千万円というレベルのはず。

にもかかわらず、私は彼らのようになりたいとは一ミリも思いませんでした。

毎日ビジネスカジュアルで過ごし、シャツもパンツから出し、オフィスではサンダルをはき、週の半分は在宅勤務でTシャツ短パンで仕事をしていた私には、彼らが着ているスーツ、ネクタイ、革靴が窮屈そうに見えました。


私はそれよりも、裸足になりたかった。

これは「裸足が楽だから」という意味と、「自由」という比喩的な意味との、2つにおいてです。


彼らがいくら稼いでいても、月〜金で仕事をしてるのは、私と変わりがありません。

私は、銀行口座の貯金額が増えていくのを字面上で眺めているよりも、月〜金の間、自由に使える時間を増やしたい。

Time is money = 時間にはお金と同じ価値がある、とはよく言ったものです。


スティーブ・ジョブズのスピーチが頭をよぎりました。

Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life.

あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きて時間を無駄にするな。

Don’t be trapped by dogma — which is living with the results of other people’s thinking.

ドグマにとらわれるな。それは、他人が考えた結果にとらわれて生きていることになる。

Don’t let the noise of others’ opinions drown out your own inner voice.

他人の意見というノイズに、あなたの内なる声をかき消させるな。

And most important, have the courage to follow your heart and intuition.

そしてもっとも重要なこととして、あなたの心と直感に従う勇気を持て。

They somehow already know what you truly want to become.

それら(心と直感)はすでに知っている、あなたが本当になりたいものを。

Everything else is secondary.

その他のことは、二の次だ。

外資系、グローバル企業、グローバルリード。

昔の友人や、日本企業時代の友人は、こういうことをすごいと言ってくれます。

私の両親や祖父母にも、こういうのは受けがいいです。

でも、それと自分の幸せは、必ずしもイコールではありませんでした。


じゃあなぜ私はここを目指したのか?

それは、他人の人生を生きていたからだと思います。

スティーブ・ジョブズの言う

living someone else’s life

他人の人生を生きる

trapped by dogma — which is living with the results of other people’s thinking

ドグマにとらわれる。それは、他人が考えた結果にとらわれて生きていること。


一言で言うなら「見栄」ですね。

そうすると、他人からよく見えるだろう、という「見栄」。


自分の人生を生きているつもりが、実際には社会の価値観に、無意識のうちに影響されていたのです。

そのロジックはおかしい

自分が死ぬ時を想像して

「私は外資系グローバル企業で働いていた。給料も良かった。だから幸せだった。」

とはならないと思うんです。


このロジック、おかしいですよね。少なくとも、私にとってはおかしいです。


私にとっての幸せとは、例えば

  • 好きな人と、好きな時に、好きな場所で、好きなことができる
  • 自分のした仕事が人や社会の役に立ち、よろこんでもらえる
  • 友人と美味しいお酒が飲める

だから幸せだった、と言うなら100% agree。

このロジックなら納得できます。


外資系グローバル企業で成り上がっても、それと人生の幸せは別。

ありそうな話なので、こうなることは予想できたけど、実際に経験しないと発言に深みが出ないから、これはある種の必要悪だったと、今は思うことにしています。

正解ばかりで最短距離を行く人生は薄っぺらいものになってしまうでしょうし。


誤解のないように強調しておくと、私は外資系企業への転職を否定しているわけではありません。

むしろ、積極的に推薦する立場です。


その理由は次のとおり。

  • 日本企業より圧倒的に労働環境がいい(在宅勤務、結果重視、男女平等など)
  • 日本企業より給料がいい
  • 日本企業より休みが取りやすい
  • 給料をもらいながら仕事の中で実践リアル英会話が身につく
  • 世界中の人と仕事をすることで海外に知人、友人ができる
  • グローバルな経験を積めば海外就職時にアピールできる経歴になる
  • 自分の時間が作りやすいので、家事育児に集中できる
  • 自分の時間が作りやすいので、仕事以外のことにも時間を使える(趣味、副業、独立準備など)

英語はチャンスをつかむためのチケット

外資系への転職は現状を改善する1つの手段

という考え方は今も変わりません。

私の失敗を、あなたに送ります

今回この記事を書いたのは、外資系への転職をすすめるからには、見栄のためにがんばっても、その先には何もなかったよ、ということは、先に伝えておく必要があると思ったからです。

これを知ってもらった上で、上記のようなメリットを得るために、外資系への転職をすすめています。


失敗から学べ、とはよく言いますが、できることなら、自分は失敗せず、他人の失敗から学べれば最高ですよね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

私の失敗を、あなたに送ります。

P.S. 英語・転職で人生を変えたい方へ

外資K物語を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この外資K物語は、英語・転職には人生を変える力があることと、私の人生が英語・転職でどう変わったかを、伝えるために書きました。

外資K物語を読み、少しでも英語・転職で人生を変えたいと思ってもらえたら、

日本で生まれ、日本で育ち、帰国子女でも、留学経験者でもない、普通の日本人でも、

ここまで行けるんだってことに、少しでも希望をお伝えできていたら、うれしく思います。


そんなあなたに、私から次のメッセージを、2つ用意しています。


1. 英語を活かした転職をしてみようかな、という方へ

採用1000人以上、転職回数8回の人事マンが思うリクルート・エージェントとJACリクルートメントの本当の強み。
知人・友人におすすめできる転職エージェント:採用1000人以上、転職回数8回の人事マンが厳選【リクルート・エージェント、JACリクルートメント】

私はこれまで約30年間にわたり日系および外資系企業で人事業務全般に携わってきました。 採用した方は1,000人を超え、職務経歴書を拝見した方あるいは面接した方は延べ10,000人を超えます。 一方、今 ...

続きを見る

この記事は、以下の実績を持つ人事マンさんが書いてくださいました。

  • 約30年間、日系および外資系企業で人事業務全般に従事。
  • 採用した人数:1000人以上
  • 職務経歴書を審査または面接した人数:延べ10,000人以上。
  • 自身の転職回数:8回

知人・友人におすすめできる転職エージェントとして、

  • 日系代表として、リクルート・エージェント
  • 外資系代表として、JACリクルートメント

頼りになる転職エージェントの見分け方と活用方法として、

  • 転職エージェントの能力を試す方法
  • 転職エージェントに遠慮は不要
  • 「避けたい」転職エージェント
  • 転職エージェントに登録すべきベストなタイミング

など、経験豊富な人事マンさんならではの視点で書いていただいています。


2. 転職の前に、英語をがんばりたい、という方へ

プログリットの概要・評判・口コミ・料金【本田圭佑も受講中】PROGRIT
英語力の短期急成長を狙うなら最初にやるべきこと【プログリットの無料カウンセリング】

スペインの首都マドリッドにて 私は今、海外出張でスペインのマドリッドに来ている。 ここはとある一流ホテルで、欧米アジアを中心とした世界30数カ国の関係者が集まり、グローバルプロジェクトのキックオフミー ...

続きを見る

この記事は外資K物語のスピンオフ記事で、スペインのマドリッドに海外出張したときのことも少しだけ書いています。

伝えたいメッセージは、「英語学習の質と量を高めるために、プロの無料カウンセリングサービスを受けた方がいい」というものです。

間違った勉強法でいくら努力しても時間の無駄。

科学的根拠にもとづき、効率的に英語学習を進めたい方は、こちらもぜひご覧ください。

この記事の目次は下記のとおりです。

  • 英語力を短期で急成長させるには、学習の量と質が重要になる。
  • 学習の量は、PROGRIT(プログリット)の管理方法が参考になる。
  • 学習の質は、PROGRIT(プログリット)の科学的カリキュラムが参考になる。
  • 自分の課題と最適な学習法は、PROGRIT(プログリット)の無料カウンセリングで教えてもらえる。
  • PROGRIT(プログリット)の無料カウンセリングは他社より良かった。
  • 1人でがんばる前に、正確な診断を。
  • この記事を書いた人

K

日系企業を3年未満で退職し、外資系9年目(3社目)。現職はメディカルライターとして、新薬の開発/承認申請に関する文書を書いています。日本で生まれ、日本で育ち、日本で英語を勉強しました。帰国子女でも留学経験者でもない、普通の日本人だからこそ伝えられることを、英語、転職を中心に発信していきます。詳細プロフィールはこちら

-外資K物語, 最初に読んでほしい10記事

Copyright© 外資系9年目、英語とか転職とか , 2019 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.