この記事を書いた人
日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。
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みんな英語非ネイティブ
外資系企業へ転職してから4年目、私はAsiaPacificリージョンの部門へ移動を希望し、それが実現しました。
AsiaPacificリージョンとは?
- Global:文字どおり全世界レベルの大きな方針を打ち出すところで、いわゆる偉い人たちの集まり。
- Regional:North America, South America, Europe, Middle-East, AsiaPacificなど、これくらいの規模感でのグループ分け。私がいたのはAsiaPacificで、中国、韓国、香港、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリア、日本を担当していました。
- Local:各国現地で現地特有のもっと細かい業務を担当します。
次の上司はオーストラリア在住のオーストラリア人で、英語ネイティブ。
でもそれは結果論であって、上司はAsiaPacificリージョンにいる人なら誰でもいいわけです。
実際、その前の上司は台湾在住の台湾人で、彼女は英語非ネイティブでした。
この部門のメンバーは中国、韓国、台湾、マレーシア、オーストラリアに散らばっていたので、オーストラリア人以外はみんな英語非ネイティブ。
そのため、みんなけっこう英語ヘタです 笑
でも、誰もそんなこと気にしていません。
英語はただのツール。伝えたいことが伝わればそれでいい。
うまく伝わらなかったら、言い直したり、確認し合えばいい。
細かい発音とか文法ミスとか、気にして縮こまるなんて、百害あって一利なし。
英語を話す相手は、ほとんどが英語非ネイティブ。
以前の私は、英語を話す相手としてネイティブを想定していたし、英語はネイティブに習うもの、英語はネイティブのように発音するもの、と思っていましたが、
それは、現実の世界からすれば、ピントが大きくずれていたのです。
英語ネイティブは少数派
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この記事で書いたように、世界の英語話者数は下記のとおりです。
世界の英語話者は17.5億人 (Harvard Business Review (2012))
英語ネイティブは3.9億人 (The Statistics Portal (2018))
世界人口は76億人 (worldmeters (2018))
つまり
英語話者の8割は非ネイティブ (1 - 3.9/17.5 = 0.78)
英語ネイティブは全人口の5% (3.9/76 = 0.05)
世界の95%は非ネイティブ
世界の共通語だからこそ、英語非ネイティブがマジョリティー、英語ネイティブがマイノリティーなわけですね。
したがって、英語を勉強するときは、英語非ネイティブの人にどう伝えるか、という視点を持っておくことが、好むと好まざるとに関わらず、現実的に必要になってきます。
ネイティブっぽいフレーズや言い回しを、自分が知っていればそれでいい、ネイティブに通じればそれでいい、という姿勢は、相手への配慮に欠ける。
そのネイティブ表現は、非ネイティブには通じない可能性が高い。
多国籍チームの中でそれをやったら、空気の読めないイタい奴になってしまいます。
極端な例をあげると、
- a piece of cake (ケーキの一切れ=朝飯前=簡単)
- easy (簡単)
この二択において、前者を使う意味って、何かありますか?
自分はネイティブの英語を知っている、それを相手み見せつけたい、という自分本位なエゴではないでしょうか?
仮に、前者の表現が、目の前の非ネイティブ(仮に中国人としましょう)に通じたとして、それはあくまでも結果論。
どちらが通じる可能性が高いかを考えるなら、後者の優位性は揺るがないでしょう。
グローバル企業の非ネイティブ混成チームでは、このような考え方=相手への配慮が重要になってきます。
AsiaPacificリージョンで学んだこと
「知らないことには終わりがない。じゃあ、どうすればいいのか?」
これは、私がAsiaPacificリージョンで学んだことで、人生の指針として、今も大切にしていることです。
以下に、2つの例で紹介したいと思います。
冷蔵庫にあるもので、どう料理するか
私たち非ネイティブにとって、知らない英単語/フレーズには終わりがありません。
日本語でもそうなのですから、英語ならなおさらです。
また、自分の英語力も、相手(非ネイティブ)の英語力も、すぐには上がりません。
このような状況で、現実的な課題となるのは、「今の英語力で、その場にどう対応するか」です。
具体的には、自分も相手も理解できる、中学生レベルの英単語と文法で、自分の言いたいことを、わかりやすく、相手に伝えること。
一言でいうなら「対応力」。
本当に重要なのはこれなんです。
知らない単語/フレーズ、ネイティブの言い回しを、1つ1つ覚えていくことが悪だとは言いません。
でも、その道を進む前に、
- その道には終わりがないこと
- せっかく覚えても/使っても、世界の英語話者の80%を占める英語非ネイティブに通じる保証はどこにもないこと
この2点は、一度立ち止まって考えてみる必要があると思います。
「知らないからできない」だと何もできない
AsiaPacificリージョンで中国、韓国、香港、台湾、タイ、マレーシア、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアを担当していると、日本だけでなく、各国の規制要件に対する理解が必要になります。
※私は製薬業界で医薬品の開発に携わっています。
しかし、各国の規制要件は常に少しずつ変化しますので、1人の人間が全てをタイムリーに理解し続けるのは不可能です。
私の上司ですら理解していませんし、理解しようともしていませんでした。
そこは、労力を注ぐべきところではないんです。
では、何が大切なのか?
原則にもとづき、自分の頭で、論理的に考えること。
知らないことは自分で調べたり、知っている人に聞くこと。
私がAsiaPacificリージョンで学んだのは、知識ではなく、知らないこととの向き合い方でした。
知らないからできないだと、そこで話が終わっちゃう。
そういう人は AsiaPacific チームには要らない。
このチームでは、知らないことが怖くなくなる、無敵のメンタルを学ばせてもらいました。
仕事だけでなく人生全体に活かせる、貴重な経験をさせてもらえて、当時の上司や先輩には感謝しかありません。
本記事は以上です。続きはこちらです。
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続・外資K物語
続・外資K物語:心に残る上司・同僚の言葉x6【Thank you for your teamwork!など】
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続・外資K物語:外資系って大変?業界や職種によると思うけど、過剰な不安はもったいない
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続・外資K物語:上司にミスを報告したら怒られるどころか逆に褒められた【ミスは信頼関係を築くチャンス】
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続・外資K物語:How Are You? I’m Very OK!【ネイティブのルールなんかぶっ壊せ!】
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✅Thank you for your teamwork 上司がよく言う言葉で、私も言われてうれしい言葉です😊 チーム全体へじゃなくても、最低2人から使って🆗 私はこれを言われ続けて、チームワークを意識するようになりました 上司のやり口うまいなぁと思うとともに😆気づかせてくれたことに感謝している言葉です☘ https://t.co/yN2BVFAnHZ — れおん🌏世界の英語で完璧主義を壊す (@leo ...
続・外資K物語:外資系って大変?業界や職種によると思うけど、過剰な不安はもったいない
外資系への転職を考えているけど、不安がある方へ 自分ていどの英語力で大丈夫かな? 結果を出せないとクビになるのかな? みんなバリバリ仕事できる人ばかりなのかな? 外資系転職前、私はこのような不安を感じていました。 しかし、外資系に転職して10年目になる今思うと、これらの不安はどれも杞憂でした。 不安になる気持ちも十分にわかるけど、過剰な不安でチャンスを逃すのはもったい、と今は思っています。 もちろん、業界や職種によって違いはあるのでしょうけど、少なくとも私の製薬業界ではそうでした。 そこでこの記事は、私が ...
続・外資K物語:上司にミスを報告したら怒られるどころか逆に褒められた【ミスは信頼関係を築くチャンス】
突然ですが、まずはこのツイートをご覧ください。 🇦🇺オーストラリア人が上司だった時、ミスして怒られたこと一度もありませんでした。 むしろ「正直に言ってくれてありがとう」「その後の対応が良かった」とかほめてくれて、 それ以来、ミスした時は信頼関係を築くチャンスだと思うようになりました。 https://t.co/uMDxGSoeJt — 世界の英語🌏れおんの部屋since3/1 (@leons_room) March 10, 2020 ミスは誰にで ...
続・外資K物語:How Are You? I’m Very OK!【ネイティブのルールなんかぶっ壊せ!】
Sushi Kこの記事は上記記事の番外編です。 この記事は、全12話、外資K物語の続編でもあります。うなぎ さて、英語学習者を悩ましてやまない「How are you?」問題。 ↑の「How are you?」記事が王道的な回答なのに対し、この記事は覇道的な回答としてご用意しました。 王道と覇道とは? 古代中国の政治思想。 王道:人徳による政治。 覇道:武力による政治。 先にお伝えしておくと、この記事は劇薬です。 良くも悪くもまじめな人が多い日本人には、刺激が強すぎるかもしれません。 でも、まじめすぎる人 ...
【外資K物語】第0話:外資系に転職して人生が変わった。全12話のまとめ
外資系企業に転職して私の人生が変わったことは、プロフィール記事でも少し書きました。 しかし、決して全てが順調に行ったわけではなく、その過程で多くの困難を経験したのも事実です。 この記事では、まず、外資系へ転職して良かったこと、大変だったことの両面を紹介し、その後、全12話『外資K物語』の概要をまとめます。 こんな方に読んでほしい 英語や海外に興味のある方 日系企業に不満のある方 外資系企業への転職に興味がある方 この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系1 ...
外資K物語 第12話:他人の人生を生きていた。私と同じ失敗をしないでほしい。
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 ある意味では、夢を叶えたのかもしれない AsiaPacificリージョンでシニアへと昇進した私のキャリアは順調でした。 学生時代に想像していたできる自分像、 「外資系企業で、英語を使って、世界中の人と、ダイナミックに仕事をしている。」 「オフィスはキレイで、オシャレで、たまに海外出張なんかもあったりする。」 ...
外資K物語 第11話:外資系企業は男女平等?男性の育休取得は法律で強制にするのがいいと思う
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 男性の昇進と女性の産休 外資系企業は男女平等? この問いに対する私の回答はyesです。 少なくとも私の経験からはyes。 外資系企業には必ずequal opportunity policyという男女平等をうたったポリシーがあって、女性の管理職も多い。 実際、私の直近の上司3人は女性です。 さて、今回は、「男性 ...
外資K物語 第10話:台湾で働いて、海外で働くという幻想から目が覚めた
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 隣の芝は青く見える、海外へのあこがれ 海外で働くって、カッコよさそうで、あこがれますよね。 海外在住者のSNS投稿はキラキラして見えるし。 それに対して日本は、謎のおっさん支配、満員の通勤電車、長時間労働。。。 じゃあ、海外に出れば、自分らしく生きられる? 私の答えは「必ずしもそうとは限らない」です。 問題の ...
外資K物語 第9話:【台湾で育児体験】在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった。
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 在宅勤務じゃないと育児は無理だと一瞬でわかった 「在宅勤務じゃないと育児は無理。一瞬でわかった。」 これは私が台湾で2週間、育児体験をした時、心からそう思った感想です。 今日は5pmに子供のお迎えがあるから4:30pmには会社を出ないと。 そういう時に限って、4pm頃に至急の仕事が来たり。 なぜ今それが来るの ...
外資K物語 第8話:AsiaPacificリージョンで働き、学び、今も大切にしていること
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 みんな英語非ネイティブ 外資系企業へ転職してから4年目、私はAsiaPacificリージョンの部門へ移動を希望し、それが実現しました。 AsiaPacificリージョンとは? グローバル企業は、主にGlobal, Regional, Localの3つのレベルで構成されています。 Global:文字どおり全世界 ...
外資K物語 第7話:外資系グローバル企業に転職して良かったことと、今も残る罪悪感
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 外資系グローバル企業に転職して良かったこと 東日本大震災後の海外エグゼクティブからのメッセージに感動した 東日本大震災は2011年3月11日金曜日のことでした。 翌営業日は2011年3月14日月曜日。 まだ地震後の混乱も残り、交通機関も正常に機能していません。 にもかかわらず、多くの日本人が出社。 その映像や ...
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 初めての外国人彼女 外国人との恋愛も、外資系企業に転職してから経験したことの一つでした。 なので "I love you."という言葉を、人生で何回か言ったことがあります。 初めての外国人彼女は韓国人で、私たちは(前々回記事の)シンガポール研修で出会い、付き合うことになりました。 彼女と私は、研修中から、なん ...
外資K物語 第5話:ネガティブ思考に墜ちていた頃 - テレカン(電話会議)でのトラウマ、削除した録音
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 ネガティブ思考へと堕ちていく 「最初はオレもそうだった。でも、がんばれば必ずできるから。」 「ちなみにオレもKくんと同じ、普通の日本人。」 「Mさん、Nさん、Oさんみたいな帰国子女じゃないし、SさんやIさんみたいな留学経験もない。」 「それでも、努力すれば必ずできるようになるから。」 (ウソだ・・・100歩ゆ ...
外資K物語 第4話:二週間缶詰の海外研修を香港/韓国/インド/フィリピン/シンガポール/オーストラリア人と過ごして学んだこと
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 シンガポールでの入社研修 with AsiaPacificリージョンの同期 私が転職した外資系企業は、入社直後に海外研修を行うことが恒例となっていました。 AsiaPacificリージョン各国の同期と、一緒に、二週間缶詰。 楽しみな一方で、私はあることを恐れていました。 それは、オファーレターに記載されていた ...
外資K物語 第3話:テレカン(電話会議)の、英語の、人としての基本
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 入社初日、いきなり海外とのテレカン(電話会議) 「今日8pmからUKとテレカン(電話会議)があるから、minutes(議事録)お願い。」 外資系転職後の出社初日、私はいきなりこう言われました。 UKとテレカンって、いきなり言われても。。。 イギリス英語は苦手なんだけど、大丈夫だろうか。。。 日中ドキドキしなが ...
外資K物語 第2話:外資系企業への転職 with ロバート・ウォルターズ ( Robert Walters )
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 外資系転職エージェント、ロバート・ウォルターズ(Robert Walters) 私の人生を変えることになるメッセージが、LinkedIn(リンクトイン)に届いた複数のメッセージの中に含まれていました。 それはグローバル転職エージェント、ロバート・ウォルターズのMからのものでした。 ロバート・ウォルターズとは? ...
外資K物語 第1話:今までに言われて一番悔しかった言葉「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」
この記事を書いた人 日本生まれ日本育ちの日本人。英語力をきっかけに外資系に転職し今年で外資系10年目、4社目。英語や転職をテーマにブログを書いています(詳細プロフィールはこちら▶︎)。 今までに言われて一番悔しかった言葉 「あなたは、こんなところにいる人じゃない。」 クライアントのお偉いさんが、ウチのリーダーにこう言った。 つまり、リーダーの能力は評価された一方で、ウチの会社と、そこにいる全ての人たちは、侮辱されたわけです。 そのお偉いさんから見たら、ウチの会社はただの下請け企業。 彼はそう ...
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